選手権大会第9日~城東・祐誠など快勝、県大会出場の16校が出揃う




 南部の4回戦4試合が行われた9日目は、祐誠、福工大城東、福島、福岡第一が勝利をおさめ、県大会出場を決めました。これで22日から開幕する県大会に出場する16校が出揃いました。

<北部> 真颯館/北九州/九州国際大付自由ケ丘飯塚希望が丘/育徳館/星琳
<南部> 筑前/八女工/西日本短大付/福岡第一/祐誠福工大城東/福島
(赤字はシード)

 シード校は北部で4校、南部で3校が勝ち上がっています。しかし南部では、昨秋優勝の九産大九産、今春準優勝の福岡大大濠、昨秋・今春ともベスト4の九産大九州という優勝候補が、県大会に姿を見せることなく敗れました。北部でも昨秋準優勝の小倉、今春ベスト4の東筑の名がありません。代わりに北九州、八女工、福島など、これまでの大会ではあまり実績を残してこなかった高校がシード校を下して、県大会に出てきているのが特徴となっています。
 今年は県大会が早くも金曜日から始まるため、駆け足で南・北部大会を振り返っておきたいと思います。

 <Aパート>北部=真颯館(シード・小倉)、南部=筑前(シード・沖学園)
 強豪ひしめく北部Aパートは、3回戦で小倉が北九州市立を下し、県大会出場に近づいたと思われましたが、真颯館の強打に屈しました。秋、春と小倉×真颯館イメージ躍進を支えてきたエース・中野投手の不調が響きました。真颯館は3回戦で光陵に8回まで3-6とリードされながら9回に4点取って逆転、勢いもありました。エースナンバーをつける2年生の高木投手に加え、昨年までのエースで今年は外野に回っている岡投手が3回戦に好救援、4回戦は完投し、投打のバランスが整ってきました。北九州市立は3回戦で小倉に敗れたものの中盤まで接戦を演じ、実力を証明しました。光陵も初戦の古賀竟成館で打線が爆発、3回戦も真颯館から6点を奪うなど3番・屋久、4番・吉村を中心とした強打で存在感を示しました。

 南部ではシード・沖学園との激戦を制した筑前が県大会に出場。3回戦は中山投手が完封、4回戦も川口投手が9回一死まで無失点に抑えるなど、投手陣を中心とした堅い守りで勝ち上がりました。筑紫丘も4回戦で敗れたものの、左腕・井上投手の好投が光りました。

 <Bパート>北部=北九州(シード・常磐)、南部=八女工(シード・九産大九州)
 北部はAクラスの強豪不在で混戦模様でしたが、シード・常磐を3回戦で延長サヨナラで破った北九州が制しました。右アン15日イメージダーハンド・大見投手の粘り強い投球が勝利を呼び込んでいます。常磐はエース・橘、左腕・黒田を中心に投手力の高さを見せましたが、打線に力強さを欠きました。折尾は青木投手、直方は古平投手と、左腕投手が持ち味を発揮して勝利につなげました。
 南部は九産大九州で堅いとみていましたが、4回戦でまさかの敗退。好投手が疲れな不調などで打ち込まれることが多かったこの大会ですが、岩田投手の安定感は抜群でした。約2年間、エースとして活躍してきましたが、センバツも含めて大きく崩れることはなく、失点の少なさという点ではナンバーワン投手だっと思います。昨夏も3回戦で福岡大大濠に0-2で敗れましたが、今年も途中登板して無失点に抑えながら、無念の敗戦となりました。八女工は柴尾投手が3試合とも一人で投げぬき、3・4回戦は連続完封。県大会もその投球に注目したいと思います。

 <Cパート>北部=九州国際大付(シード・同)、南部=西日本短大付(シード・同)
 南北のシードが順当に勝ち上がった数少ないパートとなりました。九州国際大付は、昨年までに比べるとやや打力は落ちるとみていましたが、蓋を開けてみると3試合連続で2桁安打。足を使った攻撃も使え、守りも堅く、今年もスキのないチームに仕上がっています。藤本、石本を中心とした継投で危なげ18日イメージ②なく勝ち上がりました。春の北九州地区大会4強の豊国学園は、東筑紫学園、嘉穂と力のあるチームを破って4回戦進出。3回戦の嘉穂戦では2-4の8回裏に5点を奪って逆転、九州国際大付でも先制されながら小刻みに得点して反撃するなど、粘り強い戦いぶりが印象に残りました。ノーゲームとなった初戦を含めて3試合を戦った嘉穂は投手力の高さを示しましたが、最後に逆転を許して涙をのみました。
 南部は春の優勝校・西日本短大付が3試合で1失点と守りが安定していました。エース・谷口投手に加え、4回戦では左腕・福井投手が完封。打線は3試合で16点と爆発力には欠きましたが2試合で2桁安打を放っており、調子自体は悪くなさそうです。修猷館は3回戦の西日本短大付戦で星野投手が7回途中まで1-1の接戦を演出する好投を見せました。

 <Dパート>北部=自由ケ丘(シード・同)、南部=香椎(シード・久留米商)
 自由ケ丘が3回戦の東海大福岡との大一番を接戦で制して、2年ぶりの県大会出場。速球派の柳原、岩田、変化球のよい岡本の3投手が安定しており、質の高い投手がそろった投手陣は16強でも最強でしょう。打線も3試合連続2ケタ安打で、中軸の塚本、天野に本塁15日イメージ2打も出ています。3回戦の東海大福岡、4回戦の鞍手竜徳と競り合いをものにしており、勝負強さも出てきました。昨夏準優勝の東海大福岡もレベルの高いチームでした。打線は自由ケ丘の岩田、岡本の両投手から10安打を放ち、力強いスイングで最後まで自由ケ丘を苦しめました。シード校になり、別のパートに入っていれば十分に県大会出場を狙える力はあったと思います。
 南部はシード・久留米商に初戦でコールド勝ちした大牟田が県大会出場をつかむものとみていましたが、4回戦で香椎がエース・伊藤投手の粘りの投球と堅い守りで殊勲の星をあげました。伊藤投手は昨年からマウンドにあがっていた左腕ですが、昨春は制球に苦しんでいた時期もありました。しかし大牟田戦では10安打を打たれながらも四死球はわずか1つ。これが完封勝利につながったと思います。久留米商は課題の投手陣を最後まで立て直すことができなかった印象です。

 <Eパート>北部=飯塚(シード・同)、南部=福岡第一(シード・福岡大大濠)
 北部は飯塚が強豪不在の中で、3試合連続のコールド勝ち、順当に勝ち上がりました。大山、角崎の両左腕を軸に、大賀、大藤などで小刻みな継投を見せました。県大会以降、投手陣の真価が問われることになりそうです。

 注目された福岡大大濠―福岡第一の一戦は、福岡第一が逆転勝利。これが思えば今大会の波乱の幕開けでした。大会屈指の好投手・福岡大大濠の濱地投手は、悪いなりに福岡第一打線を抑えてきましたが、最後は不運な当たりが続き、初戦で姿を消しました。福岡第一は左腕・比嘉、右サイドハンド・藤野という両輪が安定しており、打線も桃原、藤本、川越の中軸には一発があります。南筑の健闘も光りました。初戦で東福岡に競り勝つと、3回戦も木村投手が好投し、福岡第一と8回まで0-0の接戦を演じました。

 <Fパート>北部=希望が丘(シード・同)、南部=祐誠(シード・同)
 北部は、希望が丘が3試合で3失点。エース・山村投手を中心に今年も堅い守りは健在です。嘉穂総合築上西の一戦は両校あわせて27安打の打14日イメージち合いとなり二転三転、延長戦までもつれこむ接戦となりスタンドを沸かせました。
 南部はシード・祐誠が3試合で4本塁打。自慢の打力を生かして、難敵揃いのパートを制しました。昨夏ベスト8で旋風を巻き起こした朝倉は、その祐誠と初戦で対戦、中盤までリードする展開でしたが、最後は祐誠の打力の前に屈しました。祐誠と県大会を争った筑陽学園も山中投手が粘りの投球を見せましたが、同点で迎えた9回に一発を浴びて力尽きました。3回戦で祐誠に敗れた春日の右腕・山本投手もまだ2年生。新チームでの活躍が期待されます。

 <Gパート>北部=育徳館(シード・東筑)、南部=福工大城東(シード・同)
 昨秋ベスト8、今春ベスト4の東筑が初戦で小倉工に1-2で惜敗。梅田投手の力投も報われず早々と姿を消しました。混戦となったパートを制したのは育徳館。突出した選手はいませんが、エース・上野投手を中心としたまとまりのあるチームです。小倉工は丸山投手が再三走者を背負う投球ながら、決定打を許さずに東筑を1失点完投、金星をあげました。慶成も福田投手を中心にしぶとく戦いましたが、育徳館の前に1点に泣きました。
 南部はシード・福工大城東が危なげない戦いぶりでした。最大の山場は3回戦の香椎工戦でしたが、序盤2点を先制されたものの坂元投手が好救援、打線も中盤に一気に試合をひっくり返しました。坂元を中心に青山、亀山ら複数の投手陣で県大会に挑みます。

 <Hパート>北部=星琳(シード・門司学園)、南部=福島(シード・九産大九産)
 混戦模様の北部は、昨夏県大会出場を果たした主力が残る星琳が、2年連続の県大会を勝ち取りました。3試合いずれも2桁得点、2桁安打。4回戦の八幡南戦は実に21安打を放っています。4投手の継投に頼る投手陣に若干の不安を残しましたが、それを補う猛打で打ち勝ってきました。昨夏ベスト4の八幡南も、3試合連続2桁安打と、打力のあるところを見せました。継投でしのいできた投手陣が最後は星琳打線につかまりましたが、北部の強豪校として定着しつつあります。シード・門司学園は頼みのエース・桃坂投手が打ち込まれ、3回戦で敗れました。
 南部は昨秋優勝校・九産大九産が、まさかの3回戦敗退。シード校の中で一番堅いパートだと思っていただけに、これには驚きました。剛腕・梅野投手が先発を回避、控え投手陣が序盤に5点を失う展開になり、決して打力のあるとはいえない九産大九産には厳しい試合となりました。梅野投手は2日前の2回戦で150球以上を投げたうえ、大会前、体調があまりよくなかったと聞いています。濱地投手もそうですが、調子や体調を夏の大会にあわせることの難しさを感じます。福島は後藤投手が九産大九産を5安打に抑えて波乱を演出。高橋投手との継投で県大会を戦うことになりそうです。

<19日の試合結果>
【南部】
4回戦(小郡)
祐誠 000 120 003=6
筑陽 
000 000 300=3
【祐】岸川→橋爪【筑】山中→米井
4回戦(小郡)
筑紫台 010 100 000=2
福島  500 000 00x=5
【筑】津村→森→吉村【福】後藤→高橋
4回戦(久留米)※5回コールド
三潴  000 10=1
福岡一 
740 1x=12
【三】添島→後藤【福】比嘉
4回戦(久留米)※7回コールド
城東 011 004 4=10
山門
 000 000 0=0
【城】坂元→青山【山】古賀→山田

2016選手権大会_12

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