22日から県大会、頂点目指して熱戦が再開




 南北の地区大会が終わって2日ですが、早くも22日から県大会が始まり、甲子園出場に向けた最後の戦いの幕が上がります。梅雨も明け、雨の心配もなさそうで、厳しい暑さの中での戦いとなりそうです。県大会の展望を南部・北部大会の成績を見ながら、ひも解いてみたいと思います。2016夏県大会_原本  各チームの成績は下記にまとめて記載していますが、数字だけを見ると、今年は打力のあるチームが揃いました。昨夏の県大会出場校ではチーム打率3割以上が9校いましたが今年は13校、4割以上のチームは昨年はいませんでしたが今年は3校もいます。2本以上の本塁打を記録している高校も昨年は2校でしたが、今年は実に7校。もちろん、対戦相手によっても数字は変わってくるでしょうが、福岡大大濠、九産大九産、九産大九州など好投手を擁するチームが敗れているのとは対照的な傾向です。チーム打率4割以上は飯塚、星琳、九州国際大付。福工大城東、自由ケ丘までが3割5分以上で、この上記5校は特に打線が好調と言えます。飯塚、自由ケ丘は犠打の数、九州国際大付は盗塁の数も多く、打つだけでなく機動力も使えるチームであることを数字からも見て取れます。
 一方で、チーム打率最下位の希望が丘は盗塁数、犠打は出場校中トップ。足を絡めた攻撃を見せます。育徳館や香椎、八女工などもチーム打率は3割前後ですが、犠打を確実に決めてチャンスをものにしてきました。打撃部門の個人成績(10打数以上を対象)では、打率8割の武上(飯塚)を筆頭に、.727の菊地(星琳).692の秋吉(育徳館).636の岡田(九州国際大付).600の久保田(星琳).545の薮(星琳).500の山脇(九州国際大付)、和知(真颯館)、八代(育徳館).462の渡辺(北九州).455の塚本(自由ケ丘)、中山(九州国際大付)と続きます。

 投手・守備成績を見ると、西日本短大付の失点率の低さが目につきます。失策も3試合でわずかに1つで出場校中、最小です。失点率の低さではこれに八女工、自由ケ丘、希望が丘、九州国際大付などが続き、打撃成績も上位だった自由ケ丘や九州国際大付の総合力の高さが分かります。個人成績(10イニングス以上投げた投手の失点率を対象)では、0.56の谷口(西日本短大付)、0.72の柴尾(八女工)、0.82の石本(九州国際大付)、1.00の坂元(福工大城東)、1.38の岡(真颯館)、1.42の山村(希望が丘)などが上位となっています。

 こうした数字をもとに優勝の行方を展望すると、高い水準で攻守にバランスがとれている九州国際大付、自由ケ丘、投手を含めた守りの堅い西日本短大付を中心とした優勝争いとなりそうです。九州国際大付と西日本短大付が5回戦で激突、その勝者が自由ケ丘と当たることになりそうで、このパートを勝ち抜いたチームが甲子園に大きく近づくことになると思われます。
 九州国際大付は打撃好調な選手が多く、本塁打も3本飛び出しています。昨年や一昨年と比べると小粒になった印象がありましたが、鋭い打撃は健在です。ヒットエンドランや盗塁も積極的に仕掛けてくる分、攻撃のバリエーションは昨年よりも増えています。投手はここまで石本投手が中心に投げてきましたが、5回戦の西日本短大付戦では満を持してエース・藤本をぶつけてくるでしょう。春先は不調にあえいだ藤本投手の出来が、九州国際大付の命運を握っていると言ってよいと思います。
 自由ケ丘は選手層の厚さは出場校中、最強でしょう。投手も岩田、柳原という速球派と、変化球のよい岡本という、3人の質の高い投手を交互に起用しており、連戦にも耐えることができます。野手も複数のポジションで交互に出場しており、多くの選手が結果を残しています。打撃不振に陥る打者がいても、豊富な代役が存在することで、常に調子のよい選手たちで試合に臨むことができています。犠打も多く、確実に点を奪う姿勢もうかがあれ競り合いにも強そうです。
 西日本短大付は基本、守りのチームであることを今回のチーム分析で改めて認識しました。エース・谷口投手に加え、4回戦では左の福井投手が三井を完封。貴重な二番手投手としての目途が立ちました。打撃成績には表れていませんが、三宅、中島、吉無田の1~3番がスピードを生かして出塁し、橋本、渡辺以下の中軸で走者をかえす打線にもスキがありません。
 もう片方のパートも、どこが勝ち上がってもおかしくないほど実力が拮抗しています。打線好調の飯塚福岡第一の比嘉、藤野両投手が抑え込むことができるか。守りの堅い希望が丘は山村投手がどこまで踏ん張れるか。福工大城東星琳の打線も活発なだけに、やはり投手陣の出来が勝敗を左右しそうです。

【チーム打撃成績】
飯塚   (率).452(本)3(点)29(盗)03(犠)11
星琳   (率).442(本)0(点)29(盗)05(犠)07
九国大付 (率).414(本)3(点)26(盗)08(犠)05
福工大城東(率).372(本)2(点)28(盗)02(犠)08
自由ケ丘 (率).368(本)2(点)21(盗)03(犠)10
福岡第一 (率).337(本)2(点)17(盗)00(犠)06
北九州  (率).337(本)1(点)17(盗)03(犠)07
福島   (率).333(本)1(点)16(盗)04(犠)07
真颯館  (率).323(本)2(点)15(盗)00(犠)11
西短大付 (率).314(本)1(点)14(盗)07(犠)07
筑前   (率).307(本)0(点)13(盗)07(犠)09
香椎   (率).303(本)0(点)25(盗)04(犠)11
八女工  (率).302(本)1(点)11(盗)04(犠)10
祐誠   (率).286(本)4(点)20(盗)08(犠)06
育徳館  (率).277(本)0(点)22(盗)06(犠)10
希望が丘 (率).265(本)1(点)19(盗)14(犠)11

【チーム投手・守備成績】
西短大付 (失点率)0.36(被安率)05.04(失策)1
八女工  (失点率)0.72(被安率)06.84(失策)2
自由ケ丘 (失点率)0.78(被安率)07.04(失策)4
希望が丘 (失点率)1.00(被安率)05.00(失策)2
九国大付 (失点率)1.29(被安率)06.00(失策)2
筑前   (失点率)1.80(被安率)05.76(失策)4
飯塚   (失点率)1.89(被安率)02.84(失策)4

香椎   (失点率)1.96(被安率)09.00(失策)4
福工大城東(失点率)2.05(被安率)06.95(失策)3

北九州  (失点率)2.25(被安率)05.79(失策)4
福岡第一 (失点率)2.35(被安率)07.04(失策)3
福島   (失点率)2.67(被安率)07.33(失策)4
真颯館  (失点率)2.67(被安率)06.00(失策)6
育徳館  (失点率)4.13(被安率)05.63(失策)3

星琳   (失点率)4.70(被安率)10.96(失策)5



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