2015夏の県大会、いよいよ明日開幕




 県大会の開幕がいよいよ明日土曜日に迫りました。心配される天候も、土曜日以降は回復しそうです。甲子園をかけた熱い戦いが再び始まりますが、開幕を前に地区大会の成績を参考にしながら県大会を展望してみたいと思います。(打撃成績は7打数以上の打者、投手成績は7回以上登板している投手を対象)

2015夏県大会_原本2 地区大会の数字を見ると北部は打力、南部は投手力の高いチームが多いのが特徴です。北部では8校中5校でチーム打率が3割5分を超えており、九州国際大付は5本塁打を放つなど長打力も兼ね備えます。個別の打者では東海大五の田村が9打数7安打(.778)と当たっているほか、飯塚・熊本(.625)、星琳・菊地(.625)、東海大五・林(.600)などがハイアベレージを残しています。
 南部は好投手が多く、中でも24回無失点の東福岡・福島、18回無失点の福岡大大濠・濱地の両右腕が双璧です。この2人は被安打率(1試合あたりの平均被安打)も低く、数字上でも抜群の安定感を誇っています。被安打率の低さでは大牟田を完封した朝倉の重松、森田両投手、久留米商の槇山投手などがこれに続きます。

 優勝争いは飯塚、九州国際大付、東福岡を軸に展開されそうです。
 飯塚は渡辺健史、健太と左右のエース級の投手2人を擁します。両投手とも130キロ超の直球と鋭い変化球をコーナーに決め、四死球も少なく高い安定感を誇ります。地区大会では被安打がやや多かったようですが、それでも3試合で2失点。失点を計算できるのが強みです。この両投手のバックには、春の九州大会で3試合29得点を挙げた強力打線が控えます。地区大会でも1番・北野が10打数5安打、4番・熊本が8打数5安打と当たっており投打にスキがありません。総合力の高さは県内随一といってよいと思います。

 長打力なら九州国際大付が抜きんでています。地区大会では岩崎・山本・脇坂の中軸のほか吉井、宇都も本塁打を放っており、少しでも甘いコースに入ってくると、強烈な打球を右に左にはじき返します。優勝した昨年と比べても遜色のない打線に仕上がっており、打線は全国レベルといってよいと思います。投手陣は昨夏甲子園のマウンドを経験した左腕・富山投手に加え、同じ左腕の中村投手も好調です。
  東福岡は140キロ超の直球が魅力の福島、高い制球力を誇り経験豊富なローレンスの両右腕がおり、地区大会を無失点で勝ち上がってきました。投手力は県内屈指だと思います。打力は上記の2校に比べるとやや劣りますが、日高、野原の1・2番コンビを中心とした機動力が持ち味。粘り強く洗練された野球は今年も健在で、競り合いになると力を発揮してきます。

  開幕戦で飯塚と激突する福岡大大濠は、2年生右腕の濱地投手にすべてを託します。濱地は九産大九州、福岡工を連続完封。2試合で許したヒットも4本とここまでほぼ完ぺきな投球を見せてきました。切れのある直球を両サイドの低めいっぱいに投げ込んできますが、これが決まると攻略は容易ではありません。強打・飯塚打線との対決が見ものです。
 出場校中、トップのチーム打率を誇る東筑は3試合いずれも2桁安打と打線が好調です。投手陣も右サイドハンドの藤井、左腕・梅田を中心にここまで無失点に抑えており、投打のバランスが取れています。初戦で当たる柳川も傑出した選手はいませんがバランスのとれたチームで、シード・西日本短大付を破った勢いがあります。

  2回戦で強豪・筑陽学園を打ち合いの末に破った祐誠は、筑陽学園戦では8回に敵失を挟む4連打で4点を奪い逆転。3回戦(対博多)でも4回に一挙7点を挙げて逆転するなどチャンスにたたみかける集中打があります。1番・古賀、中軸の吉岡、松門、8番ながら本塁打を放った得永などを中心に破壊力は十分です。同校と初戦で対戦する小倉も今年は打撃のチーム。4番・土田を中心に打線は好調で試合は打ち合いが予想されます。星琳も1番から4番までの打率が4割を超えるなど上位打線を中心に勢いがあり、朝倉の重松、森田の両投手との対戦が注目されます。

  田村、林の2人を中心とした東海大五打線もよく当たっており、久留米商・槇山投手との対決に挑みます。希望が丘の左腕・内堀も好投手。小柄ながら丁寧にコーナーを突いて打たせて取る投球を見せます。八幡南福岡福翔の公立勢はいずれも投手を中心とした守りで失点を防ぎ、競り合いをものにしてきたチーム。失点を最小限に抑えながら、少ないチャンスを確実に生かしたいところです。

 いずれにしても均衡した力を持つ16校による一発勝負のトーナメント戦。実力校とはいえ、一つのプレーで流れを失う怖さもあります。勢いに乗ったチームが一気に栄冠を掴むこともあります。今年はどのような結末を迎えるのか、見守りたいと思います。







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