2015夏、北部地区を展望する




 夏の大会の抽選日(6月19日・金)まで1週間を切りました。
 対戦相手が決まる前の段階で一度、北部・南部それぞれの展望をしてみたいと思います。まず北部地区から。

 北部のシード見込み校は八幡南、光陵、飯塚、九州国際大付、新宮、自由ケ丘、直方、小倉の8校(確定情報ではありませんのでご注意を)ですが、この8校に折尾愛真、東筑、東海大五などが県大会争いに割って入るとみています。

 この中で抜けているのは飯塚でしょう。秋、春とも県大会に出場し、春は九州大会で2勝。秋以降に県内公式戦で敗れたのは今春センバツ出場校の九産大九州(秋季大会準々決勝)だけで、北部のチームには負け知らず。NHK旗決勝ではエース・岩田投手が登板しなかったとはいえ九産大九州にリベンジを果たしています。130キロ半ばの伸びのある直球と鋭いスライダーを駆使する右腕・渡辺健太投手を、春の九州大会3試合で29得点の打線が強力にバックアップします。投打とも県内トップレベルで、県大会出場はもちろん優勝候補の一角に挙げられそうです。戦列を離れている左腕・渡辺健史投手が戻ってくれば、左右の強力な投手陣が揃うことになります。

 これに次ぐのは九州国際大付、折尾愛真、東筑でしょうか。
 昨夏の代表校・九州国際大付は、秋は3回戦で東海大五に延長の末に敗れましたが、春は3位決定戦を制して九州大会へ。その九州大会では3勝を挙げてベスト4に進出しました。吉井、岩崎、山本らセンスとパワーを兼ね備えた好打者を揃え、こちらも九州大会では4試合で28得点と打線が活発でした。投手陣も昨夏甲子園のマウンドを経験し、さらに球威をつけたエース・富山に同じ左腕の中村、右の藤本など春以降、整備されてきました。
 昨夏ベスト8の折尾愛真は、昨年からエースとしてマウンドを守る左腕・新井投手の存在が大きくシード校並の実力を持っています。秋季大会、春の北九州市内大会はいずれも初戦で東筑に敗れましたが、春季大会では八幡南、自由ケ丘、小倉といった強豪校を撃破して県大会に進出。NHK旗では大牟田、招待野球では英明(香川)を下すなど、勝ってきた相手を見ると実力上位は明らかです。その折尾愛真を2度破った東筑も右サイドハンドの藤井投手を中心とした守りは堅く、春の北九州市内大会を制した自由ケ丘を秋季大会では3-2で破り、北九州市内大会でも0-1と互角の試合を演じています。両校ともノーシードでの参加となりそうで、この両校がどのパートに入るかで北部大会の行方を左右しそうです。

 昨年秋に活躍を見せた新宮、光陵、八幡南の公立勢は、いずれも投手を中心にまとまった好チームです。
 秋、春とも県大会に進出した新宮は辻、昨年秋に九州大会に出場した光陵は赤司、それぞれ両右腕がゲームを作ります。昨年の秋季大会準決勝で九産大九州を追い詰めた八幡南は左の山川、右の今井と完投能力のある2人の投手を擁しています。いずれも投手が安定しているため、実力下位のチームへの取りこぼしは少ないという強味がありますが、上位をうかがうには打線がどこまで援護できるかがポイントになりそうです。

 春の北九州市内大会で優勝した自由ケ丘、準優勝の小倉、昨年秋に九州国際大付を破った東海大五も、県大会出場の有力校でしょう。
 秋、春とも3回戦で敗れた自由ケ丘でしたが、北九州市内大会では安定した戦いぶりで2年連続優勝を飾り、夏に向けて調子をあげてきました。鹿児島・神村学園を5度甲子園に導いた山本常夫監督の采配も注目されます。エース・岡野、4番・田辺など昨年からの主力が残る小倉は秋2勝、春3勝、北九州市内大会準優勝と北部地区では安定した成績を残しています。打線に力がありますので、岡野投手の出来がカギを握りそうです。東海大五は秋季大会で九州国際大付に、春の福岡中央地区大会で光陵に勝っているように力はあります。

 このほかにも昨夏をほぼ1年生で戦い、その時の主力の大半が残る真颯館、東海大五を下して福岡中央地区大会を制した直方、その福岡中央地区大会で秋春県大会出場の新宮を破っている青豊、昨夏県大会出場の原動力となった中村投手を擁する星琳など、伏兵も多士済々。例年にも増して実力伯仲の北部地区大会は今年も激戦となりそうです。

 

2015北部展望

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