2015夏、南部地区を展望する




 先日の北部地区に続き、今日は南部地区を展望してみたいと思います。

 南部のシード見込み校は九産大九州、東福岡、福工大城東、大牟田、西日本短大付、春日、沖学園、八女の8校(確定情報ではありませんのでご注意を)ですが、この8校を久留米商、福岡第一、三瀦などが追う展開が予想されます。

 今春センバツ出場し、春の九州大会でも準優勝を果たした九産大九州は優勝候補の筆頭といえるでしょう。何といっても左サイドハンドの2年生エース・岩田投手の圧倒的な安定感が光ります。直球は120キロ台ながら球の出所が見づらい投球フォームに、右打者の膝元に食い込んでくるツーシームを交え、打者に自分のスイングをさせない投球を見せます。連投もある程度利くタイプのようですが、右サイドハンドの舩越、右上手の大津などリリーフ陣も厚みを増しており、堅い守りを見せる内野陣も含めた守備力は県内屈指。打線は尾崎、大野らを中心にセンター方向へのシェアな打撃を見せますが、好投手と当たった時の得点力が課題となりそうです。

 これに次ぐのは福工大城東、東福岡の両校でしょう。
 秋季大会は春日に初戦で敗れた福工大城東でしたが、春季大会は東福岡、九州国際大付、飯塚などを破って優勝。九州大会でも沖縄1位の興南に競り勝つなど躍進を見せました。特出した選手はいませんが、投打によくまとまっている印象です。投手陣は右サイドハンドの岡野、左腕の坂元、右上手の姫野などタイプの違う技巧派投手を複数揃えます。内野陣も遊撃・江良を中心によく鍛えられており隙がありません。打線も中軸を打つ江良をはじめ、上位から下位までムラがありません。まさに練習によって鍛え上げられたチームという感じを受け、外野のポジショニングなども見てもよく相手を研究している跡が伺えます。今年もしぶといチームに仕上がってきました。
 昨年秋の九州大会に出場した東福岡は、春は福工大城東に敗れましたが、福岡地区大会では筑陽学園、沖学園などを破って優勝。改めて存在感を見せつけました。クレバーな投球を見せる右腕・ヒンブルは制球力にすぐれ、安定感があります。打線は日高、野原の1・2番コンビは走力が高く、小技にも長け、塁に出すとやっかいな存在です。全体的にバントの技術は高く、打順に関係なく得点圏に走者を進めてきます。中軸が流動的なようですが、走者を進めたあとの中軸の得点力がカギになりそうです。

 西日本短大付、久留米商、大牟田の筑後勢も県大会への有力校です。
 昨年秋に県大会にコマを進めた西日本短大付は、前チームからマウンドを経験する武富が投打の中心。春は3回戦で筑紫台に不覚をとりましたが、続く筑後地区大会で優勝するなど筑後勢では筆頭格でしょう。西日本短大付とともに昨年秋に県大会に出場し、夏のシード確実と見られていた久留米商ですが春、筑後地区大会とも2回戦で敗れシード権を逃しています。春以降、打線の調子がひま一つ上がってこない中、エース・渡辺を中心とした投手陣の踏ん張りに期待が寄せられます。秋はパート決勝まで進出し、春は県大会出場を果たした大牟田もエース・龍頭投手を中心に安定感のある戦いぶりを見せてきました。強豪相手にどういう投球をするかが問われてきますが、地区大会では実力上位でしょう。

 公立勢では春日、八女の戦いぶりに注目が集まります。
 秋、春ともパート決勝に進出、福岡地区大会ベスト4の春日は、エースで4番の久場がチームを引っ張ります。秋は福工大城東、春は筑陽学園を破るなど私立校にも引けを取らない堂々たる戦いぶりを見せており、南部の公立校では一番手に挙げられそうです。春季大会で県大会出場を果たした八女は川崎投手を中心に守りを固め、競り合いに力を発揮します。

 福岡勢では沖学園、福岡第一が上位を伺います。
 沖学園は秋はパート決勝、春の福岡地区大会は決勝でいずれも東福岡に敗れましたが、井口、橋本らを中心とした打線に力があります。福岡第一も春季大会では久留米商から6点、福岡地区大会では東福岡から7点を奪うなど長打力のある打線が持ち味。ノーシードでの参加となる見込みですが、下川投手のコーナーを突く投球が冴えれば旋風を巻き起こす可能性は十分です。

 このほか、ノーシード校にも楽しみなチームが揃っています。右の好投手・中村を擁する祐誠は秋、春とも打線が振るわず敗れましたが、打線がつながれば昨年に続き県大会を狙える力を持っています。久留米も秋は初戦で久留米商にコールド負けを喫しましたが、春は福岡第一などを下してパート決勝まで進出。エース・佐藤の投球が注目されます。その両校を筑後地区大会で下した三瀦など、今年は筑後地区に好チームが多いのも特徴です。前評判の高かった筑陽学園がここまで予想外の苦しい戦いを続けていますが、投打の柱・斎藤銀を中心に前チームからの主力が多く残るだけに不気味な存在です。福岡工は築城、福岡大大濠は坂本・浜地、それぞれ投手陣の踏ん張りが上位進出のポイントとなりそうです。

2015南部展望

 

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