秋季大会が終わり、1年生大会も終了した福岡高校野球界はオフシーズンに入りました。選手たちは来春に向けたトレーニングにいそしんでいることでしょう。来年に向けての忘備録として、夏から秋にかけて気になった選手をまとめておきたいと思います。いつものことですが、独断と偏見に基づいていますので、その点はご了承ください。まずは右投手から。

◆梅野雄吾(九産大九産・2年)球速S/制球力B/変化球A九産・梅野5
 秋の福岡大会では筑陽学園、東福岡などの強豪を抑え込み、準決勝では福岡大大濠を相手にノーヒット・ノーランを演じました。連投となった決勝の小倉戦でも8回まで無安打に抑え、あわや2試合連続のノーヒット・ノーランかと思わせる快投。なんといっても140キロ台をコンスタントに記録する威力ある直球が魅力で、福岡大大濠戦ではMAX149キロを記録しています。これに130キロ台の高速スライダーが決まると、打ち崩すのは至難の業。勢いある球でねじ伏せる投球が持ち味ですが突如制球を乱すことがあり、その点が不安材料です。味方の失策などから投球が乱れることもあり、本人も認めているように精神面の成熟も課題でしょうか。

◆濱地真澄(福岡大大濠・2年)球速A/制球力S/変化球A大濠・濱地3
 夏の大会3回戦でセンバツ出場校・九産大九州を完封し、一躍注目を集めるようになりました。秋の大会では福工大城東、自由ヶ丘を完封するなど登板したすべての試合で1点以内に抑えています。準決勝で九産大九産に0-1で敗れましたが、安定感では梅野投手以上でしょう。三振を重ねるタイプではありませんが、内外角低めに測ったように140キロ前後の直球、スライダー、カーブを集めて内野ゴロを打たせていきます。四球が極端に少ないのも秀逸。序盤に高めに球が浮くことがあっても中盤から終盤にかけて修正する能力も高く、大崩れしないのが強みです。派手さはないものの夏の大会以降の公式戦はいずれも3点以内に抑えており「負けない投手」と言えるでしょう。

◆中野裕斗(小倉・1年)球速B/制球力A/変化球A小倉・中野
 右上手からの直球は130キロ前半~中盤で特筆するものではありませんが、右打者の外に逃げるスライダーを上手く使って的を絞らせない投球を見せます。この投手も四球が少なく、それが失点の少なさにつながっています。秋季大会は5~6回をめどに交代するケースが多く、課題は9回を投げ切るスタミナでしょう。制球力があるだけに球速が上がってくればもうひとランク上の投手になりそう。1年生ということで、今後の成長に期待したいところです。

◆山村晃輝(希望が丘・2年)球速C/制球力A/変化球A希望が丘・山村2
 夏の大会では5回戦の東福岡、準々決勝の八幡南戦で好投を見せ、同校のベスト8進出に貢献しました。右のアンダーハンドから繰り出す右打者の外角低めに逃げるスライダーを武器に、両コーナーに球を散らして内野ゴロを打たせて取るのが身上です。秋季大会は準々決勝で九産大九産に延長戦の末、敗れましたが粘り強く投げぬきました。右の軟投派の代表ともいえる投手です。

◆橋爪海人(祐誠・2年)球速B/制球力B/変化球A祐誠・橋爪
 夏の大会では主に救援としてマウンドを経験しましたが、秋の大会は先発の柱として活躍。秋季大会での小倉との準々決勝では9回まで4安打無得点に抑える好投を見せました。直球は130キロ前後ですが、球速表示以上に伸びているように見えます。この直球に鋭く曲がるスライダー、抜いたカーブなど変化球を低めに集めて、内野ゴロを打たせる投球が持ち味です。

◆藤本海斗(九州国際大付・2年)球速A/制球力A/変化球A九国・藤本
 富山、野木、中村と豊富な投手力を誇った九州国際大付の中にあって、2年生投手として春の九州大会で2試合に登板。準決勝・龍谷戦では先発のマウンドを託されるなど、期待の大きさがうかがわれます。躍動感あるフォームから伸びのある直球を軸に、時折タイミングを外すように投げる抜いたカーブは三振を取れる球。来春以降、九州国際大付を背負って立つことになりそうで、ひと冬越した後の成長が楽しみな投手です。

◆堀渕大暉(東筑紫学園・2年)球速C/制球力A/変化球B東筑紫・堀渕
 夏の大会初戦、希望が丘戦で見せたコーナーを丁寧に突く投球が印象に残りました。右サイドハンドから右打者の内角低めを厳しく突く直球と、外に流れていくスライダーがよく低めに決まり、先頭から8番まで無安打4三振。その後、味方の失策から乱れてコールド負けを喫しましたが、ランナーを背負ってからの投球がひとつ課題でしょうか。秋季大会は3回戦敗退に終わりましたが、ヤクルトで捕手を務め、コーチ経験も豊富な奥宮監督の手腕に注目です。

◆熊本悠麿(久留米・1年)球速B/制球力C/変化球C久留米・熊本
 まだ体の線も細く粗削りな印象ですが、肘の使い方の柔らかさが目を引きます。直球・変化球とも高めに抜けることも多く、ボールが先行すると、置きに行く変化球が増えるなど課題も多いのですが、右打者の外角低めに決まる直球や大きな軌道を描く変化球など、時折目を見張るような球を投げます。まだ1年生ということで今後の成長ぶりが楽しみな投手です。