この夏~秋に見た気になる選手②(投手編~左投手)




 夏~秋に見た気になる選手。今日は左投手です。今年は昨年に比べて左右とも好投手が多いように思います。北部のチームはあまり見られていないため、南部の投手が中心になってしまいました。

◆岩田将貴(九産大九州・2年)球速C/制球力A/変化球S九州・岩田2
 今春のセンバツでは近江(滋賀)に敗れはしたものの好投を見せるなど、すでに完成度の高さを示していた岩田投手。夏は福岡大大濠・濱地との投手戦で敗れ、秋季大会でも優勝候補の最右翼でしたが、準決勝で味方の守備の乱れもありKOを喫しました。それでも評価は下がるものではありません。直球、ツーシーム、スライダーなどをコーナーに決めて内野ゴロで打ち取る投球術は、やはり県内屈指。球速自体は120キロ台のため、投球が単調になると痛打を浴びることになりますが、緩急高低を駆使した投球術、投球フォームも変幻自在に操りながら打者を翻弄します。たた、
強気な投球を見せるタイプだけに守備が乱れた時などに力が入ると、小倉戦の二の舞を演じかねません。

◆森田康平(朝倉・2年)球速B/制球力B/変化球A
 今夏の代表校・九州国際大付との準々決勝で先発、7回まで2安打無朝倉・森田失点に抑え、あと一歩のところまで同校を追い込みました。力のある直球と、右打者の膝元に沈み込んでくるスライダーを武器にする大型左腕です。ただ、立ち上がり~序盤に直球、スライダーが高めに抜けることがあり、秋季大会初戦の筑紫丘戦も四球からの失点で決勝点を失いました。それでも、捕手と積極的なコミュニケーションをとろうとする意思もうかがわれ、背番号3をつけていた夏とは意識面でも変化が見られるだけに来年以降が楽しみです。恵まれた身体を生かすためにも、まずは立ち上がりの制球力が課題でしょう。

◆山中優(筑陽学園・2年)球速B/制球力A/変化球B筑陽・山中
 秋季大会は初戦で九産大九産に敗れましたが、6安打2失点と好投しました。直球とカーブのコンビネーションが絶妙で、四死球もわずか1と安定していました。走者を背負ってからの粘りも持ち合わせています。前チームでは斎藤銀次郎投手という大黒柱がいたため登板の機会は少なかったのですが、すでに堂々たるエースの貫録を感じます。

◆比嘉基貴(福岡第一・2年)球速B/制球力A/変化球B福岡一・比嘉
 小柄ながらトルネード気味に始動する大きなフォームから、切れのある直球を両サイドに決めます。大きなカーブは右打者の外角低めによく決まり、三振を取れるウィニングショットにもなっています。春先に比べて制球力が大きく向上し、四球も少ないため安定感もあります。

◆井上颯太(筑紫丘・2年)球速B/制球力B/変化球B筑紫丘・井上
 この投手も165センチと小柄ながら、元ヤクルトの石井一久を彷彿とさせる力強いフォームから体全体を使って勢いのある直球とブレーキの利いたスライダーを低めに投げ込んできます。ストライク先行のテンポのよい投球を見せ、スライダーをウイニングショットに三振を取る力もあります。秋季大会初戦では朝倉・森田投手と投手戦を演じ1-0で投げ勝っています。

◆坂元翔太(福工大城東・2年)球速C/制球力B/変化球B城東・坂元2
 春の九州大会2回戦では3回からロングリリーフに立ち、夏の甲子園で活躍した興南・比屋根に投げ勝ちました。続く龍谷(佐賀)戦では先発し5回2失点と好投するなど、前チームでは春以降、2年生ながらから投手陣の中心として活躍しました。直球と変化球を高低左右に散らし、ボール球を降らせる能力に秀でています。投球フォームだけを見るとやや手投げの印象もあるのですが、それでも打たれないのはコーナーを丹念に突く制球力によるものでしょう。

◆浦田泰志(東福岡・1年)球速C/制球力B/変化球B東福岡・浦田
 1年生ということでまだ線は細いのですが、スリークォーター気味の柔らかなフォームから直球と変化球でコーナーを丹念に突いてきます。秋季大会では制球を乱す場面もありましたが、特に右打者の内角低めに変化球が決まると手こずりそう。現時点では球威がそれほどあるタイプではないだけに制球力が生命線となりそうです。

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