第136回春季高校野球福岡大会 準決勝 (2015年4月4日・土/春日公園野球場)
TEAM   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  R  H E
城 東        11 
九国付         4 
【城】坂元(5_0/3)→岡野(2)→姫野(2) (二)宮本

【九】富山(4)→藤本(3)→中村(2)  (二)山本
【福工城東】打安点 【九国大付】打安点
⑧ 平 山 420 ⑥ 吉 井 400江良適時打
④ 百 原 531 ⑧ 山 口 300
⑥ 江 良 411 ② 岩 崎 200
② 宮 本 310 ⑤ 山 本 410
③ 船 越 312 ⑨ 脇 坂 400
⑨19岡野 510 ①3富 山 410
⑦ 宮 川 400 ③4亀 谷 410
⑤ 西 浦 510 ④ 立 本 100
①9坂 元 210 1 藤 本 000
H 梶 原 100 H 立 石 100
1 姫 野 000 1 中 村 000
H 安 永 100 H 安 永 100
          ⑦ 宇 都 210
振球犠盗残 36114  振球犠盗残 30 40
942211      75017           

【試合経過】
 序盤から単打を集めて塁上を賑わした福工大城東が、九州国際大付内野陣のミスに乗じて得点を重ね、投げては3投手の継投で九州国際大付打線を完封、九州大会出場を決めた。
 福工大城東は1回、九州国際大付の先発・富山の立ち上がりを攻め、平山、百原の連打で無死一、二塁。江良は右飛に倒れたが宮本四球で一死満塁とし、続く船越が一・二塁間を破るタイムリーで先制した。さらに岡野三振の後、宮川のショート正面の強いゴロを走者が重なった影響もあったか、遊撃・吉井がトンネルし、二者が還ってこの回3点を挙げた。
 4回は簡単に二死となったあと、平山の一塁へのあたりは富山のベースカバーが間に合わず内野安打に。百原が右前打で続き一、三塁としたあと、江原の中前打で1点を追加。さらに宮本四球、船越死球で1点を加えた。5回は一死後、左前打で出た西浦を坂元が送り二死二塁。続く平山の一塁への打球をこの回から一塁に入っていた富山がはじいて二死一、三塁とし、百原が左前にうまく流して1点を追加。5回までに10安打を集めて6-0とリードを広げた。

 守っては先発した左腕の坂元が5回まで九州国際大付打線を相手に2安打2四球の好投。カーブを効果的に使い打たせて取る投球で三塁を踏ませなかった。6回に2つの四死球を出したところで岡野にスイッチ、さらに8回からは姫野につないで完封した。

 九州国際大付は序盤、失策や四球、ベースカバーの遅れなどの細かなミスがことごとく失点につながったのが痛かった。富山投手も2回以降は立ち直りかけていたが、福工大城東に細かなミスを突かれて4回に2点を追加され、大勢が決した。打線も緩急をつけた3投手の前に沈黙。6回の無死一、二塁、7回の二死一、三塁、8回二死二塁と中盤から終盤にかけて得点圏に走者を進めたものの、あと1本が出なかった。外野を襲う大きな当たりも何本かあったが、深めの守備を敷く福工大城東外野陣の守備網を突破できなかった。

船越先制打

【観戦記】————————————-
 強打を武器にスケールの大きな野球を見せる九州国際大付を、堅守ときめ細かな野球を見せた福工大城東が上回った。
 福工大城東の先発は背番号15の左腕・坂元。球の速さはそれほどでもないが、左打者の外に流れていくカーブが有効だった。左打者は序盤、この球に体勢を崩されて凡打を繰り返した。5回あたりから球が浮きだしたが、5回無失点なら上出来だろう。
 九州国際大付の誇る中軸・岩崎、山本、脇坂の右打者は右方向に鋭い打球を放ったが、深めの守備を敷く福工大城東の外野陣の間を抜くことができなかった。特に右中間には再三大きな打球が飛んだが、右中間に守備位置をとっていた右翼・岡野にいずれも抑えられた。
 6回無死一、二塁となったところで、背番号1の右サイドハンド・岡野が救援に立つ。山本を中飛、脇坂を三ゴロ併殺打に打ち取る見事なリリーフ。8回からは右上手の姫野が登板。抜いてくるカーブと外角低めへの直球を駆使して2回を1安打3奪三振のほぼ完ぺきな内容。
 いずれの投手も特筆するものがあるわけではないが制球力にすぐれ、変化球を駆使して抑える。そして相手の目が慣れてきた頃に次々とタイプの違う投手を繰り出し、堅い守りで守り切る。これが今年の福工大城東の勝利の方程式か。

城東・坂元

 九州国際大付の先発はエース・富山。初回はいきなり連打を浴び、味方の失策もあって3失点。直球が高めに抜けるなど制球にやや苦しんだが、2回以降は徐々に立ち直る気配を見せ始めた。昨年夏や秋に比べると、踏み出した右足に体重が乗っているように見えた。その分、球に力が加わったように感じる。ただ、時々直球が高めに抜ける時があり初回、4回と大事なところで四死球を出したように制球にはやや課題を残した試合となった。富山は結局4回までに8安打を浴びて降板。
 5回からは右腕・藤本がマウンドへ。5回に味方の失策から1点を失ったものの、3イニングスを投げて被安打2、奪三振3、与四死球0とまずまずの投球。長身から投げ下ろす直球が低めによく決まっており、カーブで三振も取れる。3番手の左腕・中村投手は富山投手によくタイプの投手。大きなカーブがよい。

九国付・富山

九国・藤本

 この試合は守備力が明暗を分ける形となった。九州国際大付は昨年秋の大会でやや不安定な守備を見せていたショート・山本をサードへ戻し、サードの吉井を遊撃へ配置。これで三遊間の安定感は出たように思う。ただ、吉井は初回、走者と打球が重なる不運はあったとはいえ重要な場面で失策。富山も一塁ゴロで二度、ベースカバーが遅れて内野安打にするなど全体的にまだ守備は粗い印象で、そこを福工大城東に突かれた。
 一方の福工大城東の内野陣は遊撃・江良を中心によく鍛えられている。城東の各投手が打たせて取るタイプだけに、野手が軽快に打球をさばくことで守備からリズムを作ることができる。一塁ゴロに対する投手の反応も早く、二度とも素早いベースカバーで出塁を許さなかった。深い外野守備が見事にはまり、大きな当たりをいずれも抑えたように、ポジショニングも含めたきめ細やかな守備力が勝因の一つだろう。