第135回九州地区高校野球大会 2回戦 (2014年10月26日・日/筑豊緑地野球場)
TEAM   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  R  H E
東福岡     10 
創成館        9 
<東>ヒンブル(6_1/3)→笹川(2/3)→福島(2)(本)福島

<創>水永(6)→鷲崎(3) (本)大田(二)寺地

【東福岡】 打安点  【創成館】 打安点 
⑥ 日 高 400  ④ 鳥 飼 311
⑧ 野 原 322  ③ 嶋 田 541
⑨ 大 木 410  ⑧  峯  400
➁ 河 野 410  ⑦1鷲 崎 500
③ 山本航 333  ➁ 大 田 321
④ 樋 口 200  ⑥ 中島崇 400
⑦ 西 山 200  ⑤ 中島巧 400
H7中 野 200  ⑨ 吉 田 410
⑤ 久 我 420  ① 水 永 100
① ヒンブル100  7 寺 地 211
1 笹 川 000
1 福 島 111
            
振四犠盗残 3010 6  振四犠盗残 35 9 4
45608      83209

 

【試合経過】
 試合時間2時間30分に迫り点灯試合に入った熱戦は、土壇場で試合をひっくり返した東福岡が、創成館の追撃を振り切って辛うじて逃げ切った。
 1点を追う東福岡は3回、久我が三塁強襲安打で出塁すると、ヒンブルが犠打を決め一死二塁。日高の二ゴロで一死三塁とし、野原が逆らわずに三遊間を破るバッティングを見せ同点に追いついた(写真下)。5回には一死後、日高の高いバウンドの二ゴロが一塁悪送球を誘い、日高は二塁まで進塁。続く野原が今度は一・二塁間を破るタイムリーを放って日高が還り勝ち越した。さらに大木の遊ゴロ(ヒットエンドラン)で野原が二進、河野四球で二死一、二塁。山本航の一打はバットの先端に当たる鈍い打球となったが、一塁手の左を抜ける右前打となってさらに1点を加えた。

東福岡・野原適時打
 逆転され1点を追う9回は、8回から救援登板してこれが初打席となった福島が左中間に本塁打を放って同点。日高、野原が連続四球で出ると大木がこの試合チーム6個目の送りバントを決めて一死二、三塁とサヨナラの好機を作ると、河野は二飛に倒れたが、山本航がライト前へ痛打。ライトが一瞬迷った挙句、ワンバウンドで処理する間に二者が還って2点を勝ち越した。

 創成館は2回、この回先頭の大田がライナーで左翼フェンスを超える本塁打を放って先制。5回には遊ゴロ失で出た吉田が水永の犠打で二進し、鳥飼の中前打で1点差に詰め寄ると、7回には疲れの見え始めた東福岡・ヒンブルから吉田の左前打、寺地の右翼線二塁打で同点に追いついた。さらに鳥飼が送って一死三塁とし、ここで救援した笹川から嶋田が左前打を放って勝ち越しに成功。再逆転された9回も二死から鳥飼四球、嶋田左前打、峯死球で満塁まで詰め寄ったものの、4番・鷲崎が空振り三振に倒れ(写真下)、あと一歩及ばなかった。

創成館・鷲崎三振

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 打力では創成館、投手力では東福岡が上回っていた印象を受けたこの試合の焦点は、東福岡のヒンブル投手対創成館打線の対決。創成館は2回に5番・大田が左翼フェンス越しに一発を放つ。打った瞬間にそれと分かる当たりで、早くも強力打線の片鱗を見せつけた。5回の鳥飼のタイムリー中前打も快心の一打。6回には鷲崎が右翼ポール際へ、中島崇は左翼へ大きなファールを放ち、ヒンブルに重圧をかける。
 それでもヒンブルは慎重な投球で失点を最少に抑えた。カーブにスライダーを使って投球の組み立てを変えながら的を絞らせなかった。長打を警戒しつつも四死球は本塁打を打たれた大田の第2打席で与えた一つだけ。慎重に投げた分、5回、6回と球数が多くなり、7回に同点打を打たれたところで降板となったが、創成館の強力打線を相手に7回途中まで3失点でよく踏ん張ったと言うべきだろう。(写真下=7回途中まで3失点と力投した東福岡・ヒンブル投手)

東福岡・ヒンブル

 鋭い当たりを飛ばす創成館打線とは対照的に、東福岡は6つの犠打を確実に決めてしぶとく得点につなげた。5回の2得点のきっかけとなった日高の二ゴロ失は、前の打席に伏線があった。3回の第2打席でも日高は二ゴロに倒れたが、俊足を飛ばして一塁は間一髪のタイミング。この時のイメージに加えて、打球がやや高いバウンドになったことも二塁手の焦りを呼んだのか、一塁送球が逸れて日高は二塁まで進塁。続く野原の右前打で生還した。
 逆転打となった山本航の右前打も、タイミングが完全に外れてバットの先っぽに当たる鈍い打球となったが、これが一塁左を破るタイムリーに。打線は創成館ほどの迫力には欠けるが、高い犠打の成功率と相手のミスを逃さないソツのなさが東福岡の強みといえる。(写真下=東福岡5回一死二塁、野原の右前打で日高が生還)

東福岡・日高生還

 その東福岡が9回に福島の豪快な一発という「らしくない」得点で追いつくと、創成館の2番手・鷲崎の制球の乱れを突いて逆転に成功した。福島は投げては140キロ前後の速球を武器に、8・9回で4三振。投手としては小柄で投球フォームも粗削りな印象だが、地肩とスナップの強さで140キロ程度は十分に投げられるのだろう。
 もっとも9回は四死球と安打で満塁まで詰め寄られたが、報道によると投手に転向してまだ3週間ほど。最後に勝ちを意識して制球が乱れたのも、やむを得ないところか。いずれにせよ、投打とも今後の成長が注目される選手だ。(写真下=8、9回と創成館を無得点に抑えた東福岡・福島投手)

東福岡・福島投手2

東福岡創成館イメージ【15時すぎに始まった第3試合は17時を回っても試合が終わらず、9回表東福岡の攻撃前に点灯。照明の下でマウンドに集まる創成館内野陣】