延長11回逆転サヨナラ勝ちで九国大付が初戦突破~’26センバツ




第98回選抜高校野球大会に出場している九州地区代表の九州国際大付が大会4日目の22日㈰に初戦を迎え、神戸国際大付(兵庫)と対戦。タイブレークの延長11回、逆転サヨナラ勝ちで明治神宮大会決勝に続いて神戸国際大付を下し、2回戦進出を決めました。同校の甲子園での白星は2022年夏の2回戦・明徳義塾(高知)戦以来。センバツでは同年2回戦の広陵(広島)戦以来となります。

【試合経過】—————————-
九国大付が二度許したリードを追いつき、延長タイブレークまでもつれた試合を際どく制した。

1点を追う延長タイブレークの11回、柴原の投前バントは三封され一死一、二塁。平間の右飛で二死一、三塁となったあと、吉田が左中間に逆転サヨナラの二塁打を放って試合を決めた。

11回裏九国大付二死一、三塁 吉田が左中間に逆転サヨナラの二塁打を放つ

先制したのは九国大付。初回柴原が中前打で出ると、平間の一塁前へのバントが失策を呼んで無死一、二塁。吉田の投前バントは三封されたが、城野の時に暴投で一死二、三塁とし、城野の遊内野安打で平間が生還した。勝ち越された直後の8回は一死から城野が中前打、続く上岡の時にヒットエンドランが決まり(中前打)一死一、三塁。ここで登板した豊岡に久保田は三振、続く雪野もショート左へのゴロとなったが二塁送球が乱れ、同点に追いついた。

再三の得点機を逃してきた神戸国際大付は6回、四球で出た比嘉を山城が送り、田中の中前打で追いついた。8回は中西が右前打で出塁し比嘉が送って一死二塁。山城中飛で二死三塁とし、田中の中前打で勝ち越した。タイブレークの11回は比嘉が送って一死二、三塁から山城の中犠飛で再び勝ち越したが、粘り強く追い上げる九国大付を振り切れなかった。

第98回選抜高校野球大会 1回戦
(2026年3月22日・水/阪神甲子園球場)
チーム名 一二三四五六七八九十士 計HE
神国大付 00000101001 362
九国大付 10000001002 4110
 神国大付 年 打安点  九国付 年 打安点
(三) 林 ➂ 310(二)柴 原➂ 620
(遊)西 谷➂ 200(三)平 間➂ 300
(指)石原悠③ 510(遊)吉 田② 632
走指 石原慎③ 000(捕)城 野➂ 521

(左)川 中③ 300(一)上 岡③ 520
左 中 西③ 210(左)久保田③ 400
(一)比 嘉③ 100(中)雪 野② 400
(右)山 城② 311(指)岡 松③ 200
(中)田 中③ 422 打 請 舛② 110
(二)谷 口➂ 300  走指 小山田➂ 000
打二 幸地③ 100 右 岩 見② 100
(捕)井 本➂ 400(右投)渡邉③ 510

振 球犠盗 残       振球犠盗残
1057011       833016
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投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責
秋田  7.1 9141 岩見  8 6572
豊岡  3.1 2240 渡邉  3 0030
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▼試合時間:9:03~11:50/観衆:30,000人
※名前に下線のある選手は左打ち(投手は左投げ)

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勝利の女神が目まぐるしく両校の間を行き交う激しい展開となったが、九国大付のしぶとい追い上げが神戸国際大付の守りに「圧」をかけて勝ちを呼び込んだ、そんな印象を抱いた一戦だった。

立ち上がりは九国大付が幸先よく先手を取った。柴原の中前打を皮切りに相手のミスも絡んで一死一、三塁から城野がショート前への弱い当たり。一走がスタートを切っておりショートも慌てたかボールが手につかず(記録は内野安打)、足も絡めて先制点をあげた。しかし続く一死満塁を逃すと、2回以降は神戸国際大付の左腕秋田が小さく変化するカットボールを左打者の外角に集めて好投。5回は一死一、三塁から城野が右飛をあげて犠飛かと思われたが、エンドランがかかっていたか一走がスタートを切っており、タッチアップした三走の本塁触塁と一塁への返球の競争となったがわずかに返球が早く、併殺が成立して得点できなかった。

九国大付の先発岩見は、三振も取るが四死球も多いという、よくも悪くも昨秋と同様の投球となった。この日最速143キロを記録したが、140キロ以上の直球は高めに浮く傾向にあり、130キロ台なかばが平均速度といったところ。5回まで毎回三振を奪う一方、3回を除いて四死球も毎回出し得点圏に走者を背負ったが、走者を出してから崩れないのが岩見の持ち味。再三のピンチをしのいでいく。しかし回を追うごとに低めのスライダーを見極められるようになり4回22球、5回28球と球数が増えていく。6回、遂に田中にスライダーをとらえられて追いつかれた。8回は再びピンチで迎えた田中に今度は140キロ超の直球勝負を挑んだが、足元を破られて勝ち越しを許す。残すイニングは2回、厳しい状況に追い込まれた。

勝利呼び込んだ渡邉の好投

しかし今年の九国大付は追い込まれてから非常に粘り強い。8回一死から四球と上岡の中前打で一死一、三塁。ここで神戸国際大付は秋田から、右の本格派の豊岡へスイッチ。久保田はスライダーで三振に打ち取られ、雪野も遊ゴロ。万事休すかと思われたが、二塁封殺を狙った送球とセカンドがベースに入るタイミングがわずかに合わずに落球(記録は遊失)。大事なところで神戸国際大付にミスが出て追いついた。

追いついてからは九国大付が再三試合を決める好機を迎えた。同点となった後も小山田死球で二死満塁とし、渡邉のカウントは3-0となったが豊岡も踏ん張る。スライダー3つを決めて渡邉は見逃し三振。9回も一死一、二塁で中軸を迎えたが城野三振、上岡三ゴロで無得点。10回表をゼロでしのいで迎えた直後の攻撃も久保田の犠打が野選を誘い無死満塁としたが、ここでもあと一本が出ない。九国大付の拙攻というより、140キロ前後の直球とスライダーを外角低めいっぱいに集める豊岡の投球を褒めるべきで、連打は難しそうな雰囲気だった。

九国大付・渡邉(写真は昨秋)

それでも9回から登板した渡邉の好投が、勝利を呼び込んだ。ボールが先行する場面もあったが130キロなかばの直球にスライダー、チェンジアップなど変化球をうまく使ってカウントを整えていく。9回は三者凡退、10回は一死二、三塁とされたが石原を一飛、中西をチェンジアップで三振。11回は犠打と犠飛で1点を失ったが、最少失点にとどめたことで逆転サヨナラを呼び込んだ。3回を投げて無安打無四球。同点の終盤という場面での登板となったが経験豊かな投手らしく、追いついた投球が光った。

「負けない雰囲気」のあるチーム

右のスラッガー・牟禮を欠く打線は11安打を放ったが、迫力不足は否めなかった。再三の好機で一本が出ず、6~9番は代打も含めて17打数2安打。柴原が9番から1番に回ったことで、下位打線がつながりを欠いた印象。次戦では、代打で二塁打を放った請舛のような控え選手の積極的な起用も考えられそう。走者一、二塁での送りバントが二度も三塁で封殺されたように、細かなプレーの修正も必要だ。

牟禮の不在がチーム内に与える精神的な影響も懸念されたが、この日みせた戦いぶりを見る限り、その心配は杞憂に終わった。足も絡めてしぶとく得点を重ね、投手を中心とした守りで競り勝っていく。この先も厳しい試合が続くことが予想されるが昨秋もそうだったように、そんな試合をものにする「負けない雰囲気」が九国大付にはある。

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