西短大附が弘前学院聖愛を下し3季連続初戦突破~’25選手権大会




第107回全国高校野球選手権大会は大会4日目8月9日㈯に1回戦4試合が行われ、第一試合に登場した福岡県代表の西日本短大附は弘前学院聖愛(青森)と対戦。延長タイブレークの末に4-3で下し昨夏、今春に続いて初戦を突破しました。2回戦は大会10日目の第2試合で聖隷クリストファー(静岡)と対戦します。

【試合経過】—————————-
西日本短大附が延長タイブレークの末、辛くも勝利を手にした。

西日本短大附は4回二死後、安田が遊ゴロ失で出ると、続く山下が右中間へ2点本塁打を放って先制した。1点を追う7回は中前打で出た湯山を小川が送り、代打園原の左前打で一、三塁とし、奥の中犠飛で追いついた。タイブレークの10回は無死一、二塁から奥の捕前バントが一塁悪送球を誘い無死満塁。井上二飛のあと、斉藤の押し出し死球で勝ち越し、これが決勝点となった。

弘前学院聖愛は4回一死から原田、今が連続四球のあと暴投で一死二、三塁とし、澤田が三遊間を破って2者を迎え入れ同点。さらに二盗と田中の右飛で二死三塁から成田の左前打で勝ち越した。

6回も一死から澤田が中前打を放つと二死後に二盗を決めたが、打者成田の時に飛び出し二・三塁間で挟殺されて逸機。8回は一死から丸岡がライト左への二塁打を放ったが後続が倒れ勝ち越せなかった。1点を追う10回裏は菅野がバントを試みたが捕邪飛に倒れ一戸三振、丸岡遊ゴロで試合終了。7回から登板した原の前にホームを踏めなかった。

第107回全国高校野球選手権大会1回戦
(2025年8月9日・土/阪神甲子園球場)
チーム名 二三四五六七八九十 計HE
西短大附 0002001001 460
聖  愛 0003000000 372
(延長10回タイブレーク)
 西短大附 年 打安点  弘前聖愛 年 打安点
(中) 奥 ③ 201 (左)菅 野③ 410
(遊)井上蓮➂ 400 (右)一 戸③ 510
(右)斉 藤③ 401 (遊)丸 岡③ 510
(一)佐 藤③ 510 (一)原 田③ 300

(左)安 田③ 400 (中) 今 ③ 300
(捕)山 下③ 412 (三)澤 田➁ 422
(二)湯 山➁ 420 (二)田 中② 400
(三)小 川③ 210 (捕)成 田③ 421
(投)中 野③ 100  走 三 浦③ 000
打 園 原③ 110 (投)芹 川③ 400
走 田 渕③ 000  走 葛 西➁ 000
投  原 ③ 100
振球犠盗残       振球犠盗残
43508       83048
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投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責
中野  6 5343 芹川  10 6341
原   4 2040
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▼試合時間:2時間12分/観衆:12,000人

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西日本短大附が守り勝った試合だった。

弘前学院聖愛の左腕・芹川は序盤、左打者の外に逃げるスライダーを軸にしつつ、内角を厳しく直球で突き西日本短大附打線に的を絞らせなかった。その芹川の唯一といってよい失投を逃さなかったのが山下。4回、真ん中に入ってきたスライダーを豪快に振り抜き、右中間スタンドに叩き込んだ。福岡大会から7試合続けての先制点をあげ、主導権を握ったかにみえた。

先発・中野が4回に逆転喫す

西日本短大附は右腕・中野が先発。初回は先頭の菅野を四球で出し、二つの盗塁で一死三塁とされたが後続を断つ。3回も二死から菅野に三塁線を破られたが一戸をスライダーで三振。持ち前の粘り強い投球で3回までゼロを並べた。

2点の援護を受けてリズムに乗っていくと思われたが、4回一死から連続四球。さらにスライダーが暴投となって一死二、三塁。福岡大会26イニングスで四死球1つという抜群の制球力を誇る中野らしからぬ投球でピンチを招く。この日は外角低めのスライダー、カットボールの精度が絶好調時に比べると今一つで、ストライクとボールがはっきりしていた印象。澤田、成田に浴びたタイムリーは外角低めを狙った変化球が高く浮いたところを叩かれた。

5回表の攻撃では一死満塁の好機で無得点。追加点を奪われるとズルズルいきそうな雰囲気だったが、中野が5回、6回と走者を出しながらゼロに抑えたことで再びチャンスが巡ってきた。

代打・園原が流れを呼ぶ一打

7回。湯山がショート右を破って出塁すると小川が送って一死二塁。ここで左の園原が、中野に代わる代打として送り込まれる。大舞台でこの夏の初打席を迎えた園原だったが落ち着いていた。低めのスライダーを見極め、ファールで粘りフルカウントまで持ち込むと、最後は直球に詰まりながらもショート後方に落とす執念の一打。この好機に奥がセンターに犠飛を放って追いついた。

この試合の立役者の一人が7回から登板した左腕の原。好投した福岡大会を再現するように内外角の低めに直球を投げ込み、スライダーを交えながら安定感の投球をみせた。8回、9回と安打を許したが危なげなく後続を打ち取り流れを渡さず、タイブレークに持ち込んだ。

10回、西日本短大附は奥の犠打が一塁送球の乱れを呼んで無死満塁と絶好機を迎えたが、斉藤の押し出し死球による1点のみ。ただ、その裏の守りで菅野の送りバントが三塁方向の邪飛となり、これを山下が反応よく飛び出してダイビングキャッチ。試合を決める大きなプレーとなった。あとは原がきっちり2人を打ち取って逃げ切った。

「堅守」と「下位打線」が勝利に導く

この山下もプレーも含めて守りはこの日も堅かった。初回一死三塁ではサードへの弱い当たりを小川が落ち着いて本塁にストライク送球。俊足の菅野が走者だったが慌てなかった。ショート井上も7つのゴロを堅実にさばいた。センター奥は6回一死一塁でセンター前に落ちようかという飛球を思い切って突っ込んでスライディングキャッチ。無失策で投手を盛り立てた。

一方の弘前学院聖愛は遊ゴロ失の直後に山下に本塁打を浴び、10回も奥のバント処理が乱れて押し出し死球につながるなど、守備のほころびから失点につながった。4つの送りバントを確実に決めた西日本短大附、10回無死一、二塁でバントを決められなかった弘前学院聖愛と、こまかなプレーの成否も明暗を分けた。打線は長打力のある1~6番は2安打に抑えられたが、7~9番で4安打。「脇役」たちが勝利に貢献した。

今春までの4勝はいずれも先行逃げ切りだったが、この日は逆転されながらも追いついて勝ち越し、逃げ切っての勝利。しのぎあいを堅守で制する、甲子園で勝ち上がっていくチームに不可欠な強じんな粘り腰をみせた。2回戦以降も今日のような厳しい試合の連続が予想されるが、左の好投手を攻略とはいかないまでも勝ち切ったという意味で、大きな1勝となった。

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