東海大福岡は宇治山田商に競り負け初戦敗退~’24センバツ




第96回選抜高校野球大会は大会4日目の21日(木)、1回戦3試合が行われ、第一試合に登場した九州地区代表の東海大福岡は宇治山田商(東海地区代表・三重)に4-5で敗れ、ベスト8に進出した7年前に続く初戦突破はなりませんでした。

【試合経過】—————————-
常に先手を取り続けた宇治山田商が、3投手の継投で東海大福岡の追撃をかわして逃げ切った。

4-4で迎えた6回、宇治山田商は先頭の郷が四球を選び中瀬が送って一死二塁。田中右前打で一、三塁から9番加藤が左前適時打を放ち、これが決勝点となった。

先制したのも宇治山田商。2回、左翼線二塁打で出塁した小泉が泉の犠打で三進し、郷の中犠飛で生還した。追い付かれた直後の4回は一死後、郷が左中間二塁打で出ると、中瀬の捕前バントが内野安打となり二盗を決めて一死二、三塁。田中の遊ゴロが野選となってまず1点。なも一死一、三塁から加藤のセーフティスクイズで三走が三本間に挟まれたが三塁帰塁に成功(記録は犠打と野選)し、一死満塁。打者山本のときに佐藤の暴投で1点を加え、山本のスリーバントスクイズは失敗(ファール)で二死となったが、続く伊藤の時に再び佐藤が暴投。三塁から田中が生還して4-1とリードを広げた。

5回裏東海大福岡 二死満塁 野上が左前に同点の2点適時打を放つ

東海大福岡は3回、先頭の佐藤が右前打で出塁。秋田のバントは捕邪飛となり光富の遊ゴロで佐藤が二封されたが、光富が二盗を決め宗の中前打で二死一、三塁。ここで山本が左前打を放って追いついた。3点を追う5回は三塁内野安打で出た佐藤を秋田が送り、光富死球で一死一、二塁。宗は二飛で二死となったが、山本死球で二死満塁とし、藤本の右前打でまず1点。続く野上が左前打を放って2者が生還、同点とした。

しかし6~8回はいずれも三者凡退に終わり、9回も先頭の井上が左前打で出塁したが、続く佐藤の時に三振~二盗失敗で併殺。宇治山田商を上回る9安打を放ったが、あと1点が届かなかった。

第96回選抜高校野球大会1回戦
(2024年3月21日・木/阪神甲子園球場)
チーム名  一二三四五六七八九 計HE
宇治山田商 010301000 570
東海大福岡 001030000 491
 宇治山田商 打安点  東海大福岡 打安点
(中)山 本 500 (二)光 富 300 
(遊)伊 藤 500 (中) 宗翔 410
(三)中 川 100 (三)山 本 311
 三 河 村 300 (一)藤 本 311 

(捕)小 泉 410 (右)野 上 312
(一) 泉  300 (左)唐 崎 310
(左) 郷  111 (捕)井 上 420 
 左 柴 山 100 (投)佐 藤 420
(右)中 瀬 320 (遊)秋 田 200
(投)加 古 110  打 伊 藤 100
投 田 中 211
打 羽 根 100
投 中 村 000
(二)加 藤 211
振球犠盗残       振球犠盗残
53317       34215
—————————————
投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責
加古 2.2  3201 佐藤  9 7355
田中 4.1  5203
中村    2 1030
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▼試合時間:2時間01分/観衆:9,000人

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前半を終えて4-4。東海大福岡にとってはある程度、想定内の試合展開だったのではないだろうか

確かに3回はエース佐藤が2つの暴投、セーフティバントへの処理ミス(記録は内野安打)、三本間の挟殺プレーで走者を生かしてしまうなど、記録には残らないミスも重なり手痛い3点となった。しかし昨秋の福岡大会・九州大会と、こうしたビハインドをひっくり返して来たのが今年の東海大福岡。この試合でも3回に3安打を集めて同点とし、5回には藤本、野上の連続タイムリーで3点差を追いつく粘りを見せた。

ただ、甲子園では簡単には勝たせてくれない。3回、同点としてなおも二死一、二塁で4番藤本を迎えた場面では、絶妙な牽制で二塁走者が刺されてしまった。4回は二死二塁から井上の左前打で二走の唐崎が思い切って本塁に突入したが、タッチアウト。勝負処の8回9回は3人目の中村を投入され、きっちりと抑えられてしまった。荒れ気味の直球に落差あるカーブを一打席で見極めるのは至難だろう。

東海大福岡・佐藤(昨秋九州大会)

中軸による4打点といわば正攻法で得点をあげた東海大福岡とは対照的に、宇治山田商は足を使った攻撃で得点に結びつけてきた。

4回無死二塁では7番中瀬が捕手前にセーフティバント。処理しようとした井上が慌てたかボールを握り損ね(記録は内野安打)、加古はカーブを引っかけさせた遊ゴロだったが三走が躊躇なくスタート、打球が弱かったこともあって生還を許した(記録は野選)。得点にはつながらなかったものの、続く加藤は初球をセーフティスクイズ、山本もスリーバントスクイズを試みるなど、息をつかせない連続攻撃を仕掛けてきた。直後の二つの暴投は、その揺さぶりが多少は影響したかのもしれない。福岡では迫力ある機動力攻撃を見かけることはあまりないが、低反発バットの導入で今後はこうした戦い方も求められてきそうだ。

佐藤は直球が全体的に高く、カーブを中心とした投球を余儀なくされた。多少スピードを落とすとある程度ストライクが取れるが、全力投球をすると浮いてしまう。カーブの制球も抜群だったわけではなく、暴投となった2つはいずれもカーブ。3点差を味方が追いついた直後の6回表はゼロで抑えて流れを引き寄せたかったが先頭打者に四球を与え、犠打のあと連打を許して再び勝ち越されたのも痛かった。後半はテンポよくアウトを重ねたが、6回で100球を超える苦しい内容だった。

ただ、繰り返しになるが東海大福岡はこうした激しく動く試合を、強打でものにしてきたチーム。その点では投手を含め宇治山田商の守りが一枚上だったと考えたい。中軸を中心にクリーンヒットを連ね持ち前の粘りを見せた打線はある程度、力を発揮できたのではないか。投手を含めた守りの強化、スモール・ベースボールへの対応が夏への課題となってきそうだ。

2017年以降の福岡県勢のセンバツ成績
代表校 1回戦 2回戦 準々決勝
2024 東海大福岡 宇治山田商
4ー5
 
2023
2022 九国大付 クラーク国際
3-2
広陵
4-1
浦和学院
3-6
2021 福大大濠 大崎
2-1
具志川商
8-4
東海大相模
0ー8
2020
2019
筑陽学園 福知山成美
3-2
山梨学院
3-2
東邦
2-7
2018 東筑 聖光学院
3-5
2017 福大大濠 創志学園
6ー3
滋賀学園
5ー3
 
報徳学園
3-8
東海大福岡 神戸国際大付
2-1
早稲田実
11ー8
 
大阪桐蔭
2-4
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