九国大付が12日、土浦日大との初戦へ~’23選手権大会




第105回全国高校野球選手権記念大会に出場中の福岡県代表・九州国際大付は12日(土)に初戦となる2回戦を迎えます。対戦相手は開幕試合で上田西(長野)を延長タイブレークの末に破った土浦日大(茨城)。

九州国際大付は抽選の段階で出場49校のうち唯一、初戦の対戦相手が決まらない「49番目の枠」でした。この枠に入ったチームは自分たちが初戦を戦う際に、相手はすでに1試合を経験していることから不利という見方もある一方で、じっくりと対策を練ることができる側面もあります。実際のところどうなのか、過去10大会の「49番目の枠」に入ったチームの初戦の成績を調べてみると、この3大会はいずれも敗れてはいるものの10大会トータルでは6勝4敗5勝5敗。1試合の経験値は、さほど気にすることはなさそうです。

※追記:下表の「2014~2016年の初戦不戦勝チームおよび1勝チーム」の記載に誤りがありました(読者の方からご指摘をいただきました)。2014年敦賀気比10-1春日部共栄、2015年中京大中京7-3鹿児島実、2016年智弁学園(奈良)2-5鳴門となっていましたので、修正しています。その結果、過去10大会の不戦勝チームの初戦成績は「6勝4敗」→「5勝5敗」となります。

初戦不戦勝チーム スコア 1勝チーム
2022年★  智弁和歌山(和歌山) 3-5 国学院栃木(栃木)
2021年★ 浦和学院(埼玉) 3-4 日大山形(山形)
2019年★ 智弁学園(奈良) 8-10 八戸学院光星(青森)
2017年☆ 青森山田(青森) 6-2 彦根東(滋賀)
2016年★ 創志学園(岡山) 8-11 盛岡大付(岩手)
2015年☆ 作新学院(栃木) 10-6 上田西(長野)
2014年★ 関西(岡山) 1-3 富山商(富山)
2013年☆ 常葉菊川(静岡) 5-3 有田工(佐賀)
2012年☆ 秋田商(秋田) 8-3 福井工大福井(福井)
2011年☆ 横浜(神奈川) 6-5 健大高崎(群馬)

土浦日大は初戦、左腕藤本投手が8回途中まで6安打2失点と好投しました。直球は130キロ台半ばといったところですが、左打者の外角に流れるスライダー、チェンジアップ、フォークなど変化球の良い投手。右腕の伊藤投手は130キロ台後半の直球と縦に落ちてくるスライダーが武器で、上田西戦ではピンチの場面でも強気のピッチングを見せました。地方大会を通じて1試合で4点以上失ったことがない2人の投手を崩すのは簡単ではなさそうです。

左打者にとって藤本投手の外角に流れる変化球はかなり打ち辛そうですから、九州国際大付は右打者の隠塚、白井、下川らの打撃がカギになりそうです。4番佐倉は福岡大会では外角を中心に攻められましたが、逆方向に打ち返す打撃で打率4割超を残しているだけに外角球への対応はできそうです。ただ全国レベルの好投手ともなると強く内角の厳しいところを攻めてくるでしょうから、この球をどうさばくかが注目されます。

土浦日大打線は2番太刀川が地方大会を含めて打率5割超と好調。上田西戦は2盗塁を決めるなど、塁に出すとうるさそうな選手で警戒が必要です。初戦で本塁打を放った5番松田をはじめ中軸はいずれもスタンドへ運ぶ力があり、上田西戦では4盗塁を記録するなど足を使った攻撃もできるチームです。

九州国際大付としては田端投手を中心に失点を最小限に抑えてロースコアの接戦に持ち込み、勝機を見出したいところ。3~4点勝負が見込まれるだけに、県大会の5回戦以降、僅差の試合をものにしてきた経験も生きてくるはずです。

なお、福岡県×茨城県の夏の甲子園での対戦成績はここまで3勝4敗。九州国際大付は14年前に常総学院に勝っており、茨城県勢への連勝といきたいところです。

~夏の甲子園 茨城県勢との対戦成績~
★昭和59年  福大大濠 1-8 取手二
☆平成元年 福大大濠 4-1 常総学院
★平成6年 九州工  1-9 水戸商
☆平成9年 福工大付 4-3 茨城東
★平成14年  柳川   0-3 常総学院
★平成17年  柳川   4-5 藤代
☆平成21年  九国大付 8-4 常総学院

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