【観戦記】沖学園8-1西南学院(選手権大会2回戦)




【観戦記】沖学園8-1西南学院(選手権大会2回戦)

▼2回戦(10日・小郡)   RHE
西南学院 010 000 0=133
沖学園  000 006 2=880
(7回コールド)
【西】井村(6_0/3)→原口雄成(2/3)【沖】水崎(7)
〈三〉刀祢(西)〈二〉仲原(沖)

6回裏沖学園一死満塁、仲原が右中間に2点二塁打を放つ

沖学園が6回に6連打で一気に逆転。7回コールドで西南学院を下した。

5回まで西南学院の先発井村に2安打に抑えられてきた沖学園は6回、8番室が四球で出ると、中川が送って一死二塁。続く高原の中前打で一死二、三塁(センターから三塁送球の間に高原も二進)とし、2番水崎のサード右への内野安打で追いついた。
なおも一死一、三塁から荻野の右前打で逆転すると、4番竹下の左前打で満塁とし、5番仲原がセンター右を破る二塁打で2点を追加。さらに北里も右前打を放って2者が生還、この回6点を奪った。

7回は9番中川が四球を選ぶと、ここで登板した2番手・原口から高原も死球で出塁し、水崎が送って一死二、三塁。3番荻野の右犠飛で1点を加えると、竹下死球で二死一、三塁とし、最後は投手の一塁けん制が逸れ、三塁から高原が生還、コールドゲームとなった。

西南学院は2回、左前打で出た5番松村を石井が送って一死二塁。打者宇戸の時に松村が三盗を決め、一死三塁から宇戸がスクイズを決めて先制した。
3回も2つの四死球で一死一、二塁の好機を得たが4番井村が投ゴロ併殺打に倒れて無得点。4回以降は立ち直った沖学園先発の水崎の前に1安打に抑えられ、追加点が奪えなかった。

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沖学園・水崎

沖学園が苦しみながらも初戦を突破した。

序盤は西南学院が足を使った攻撃でペースを握った。2回一死二塁から、二塁走者の松村が三盗を決めると、宇戸が一塁前にセーフティスクイズ。さらに死球で出た飴野も完全にモーションを盗んで二盗を決める。続けて三盗も試み、これも完全にモーションを盗んでいたがファール。追加点にはつながらなかったが、バッテリーを警戒させるには十分な走塁だった。
3回は四球で出た刀祢がリードでも揺さぶり牽制球を誘う。一死二塁となるや西南ベンチは攻撃のタイムを取り、打者と二塁走者を交えて入念な打ち合わせを行うなど「何かやるぞ」のプレッシャーをかけ続けた。

沖学園の水崎はスピードボールの持ち主だが、立ち上がりは全体的に球が高く、そこを突かれた。2回先制されるきっかけとなった松村の左前打も内角球で詰まらせたものの球が高い分、左前まで運ばれた。3回はクイックモーションで投げるなど、苦心の様子が見て取れた。

2回表西南学院一死三塁、宇戸が先制のスクイズを決める


潮目が変わったのは4回。初めて大きなカーブを投じてこれが決まると、そこから面白いように直球が低めに集まり出し三者連続三振。縦に落ちてくるスライダー、チェンジアップなどをまじえて完璧に封じ込んだ。変化球を使いだしたことで特に内角直球に完全に詰まった当たりが目立ち、4~7回で出した走者は6回二死から右前打を許した井村だけ。この投球によって徐々に流れを引き寄せ、6回の逆転を呼び込む。

打線は序盤、西南学院の先発・井村の沈む球(フォークか?)、カーブと緩い球に苦しんだ。初回一死一塁でヒットエンドランをかけたが4-6-3の併殺。3回も敵失で出た走者を一塁に置き、室が送りバントを二度ファールした後、強攻して三ゴロ併殺打。5回まで2安打と三塁を踏めなかった。

そして6回。井村は先頭の室にこの試合初めて四球を与える。井村は直前の攻撃で二死からヒットを放ち出塁。けん制に頭から帰塁し、松村の遊ゴロで二塁に全力疾走するなど、息が整わないうちにマウンドに上がったのが影響したのかもしれない。
犠打で一死二塁となり高原の中前打はショート右への当たりだったことで、二塁走者の室が一度ベースに戻りかけ、その分スタートが遅れた。それを見たセンターは刺せると判断して三塁へ送球、その隙を逃さず二塁を陥れた高原の好走塁もあって一死二、三塁と初めての好機を迎える。

西南学院の先発・井村

水崎の三塁右への高いバウンドは、井村からしてみれば打ち取った当たりだったが、飛んだコースがよかった。サードが飛びつくがはじいて同点。続く荻野は完全に詰まった当たりだったが、前進守備のセカンドの右を抜けていく。沖学園に運も味方して逆転。これで硬さがとれたか、竹下、仲原、北里は思い切りよいスイングで3連打。高原から数えて6連打で井村を一気に攻略した。

敗れはしたが、西南学院の善戦も光った。緩い球を効果的に使って好投した井村を軸に、内野もしっかりと守った。投手に3つの失策がついたが、そのほかの内野陣は無失策。特に、強い当たりを再三にわたってさばいたセカンド飴野の堅実な守りが目についた。

先発メンバーのうち1番刀祢、3番塚本、5番松村など5人が2年生の若いチーム。来年の活躍が期待される。

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