TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E 八幡南 0 0 2 0 1 0 0 0 1 4 7 1
九 州 0 0 0 0 0 0 0 3 2 5 11 3
<八>山川(8_1/3)→今井(1/3)
<九>岩田(9) (三)尾崎 (二)中濱、佐藤、加藤
【八幡南】 打安点【九産大九州】打安点
⑤ 早 野 310 ⑤ 鹿 毛 521
➁ 中 川 401 ⑧ 濵 田 310
⑥ 廣 澤 411 ⑦ 尾 崎 432
④ 原 田 420 ③ 片 倉 400
⑦ 島 300 ④ 大 野 421
7 宮 原 000 ➀ 岩 田 300
⑧ 吉 田 400 ⑨ 山 田 200
③ 伊 藤 300 H9佐 藤 210
➀ 山 川 300 ⑥ 神 野 300
1 今 井 000 H 加 藤 111
⑨ 上 野 430 ➁ 中 濵 410
振四犠盗残 32 7 2 振四犠盗残 35 11 5
35218 32106 –
【試合経過】
八幡南・山川投手を終盤に捕えた九産大九州が逆転サヨナラで決勝に進出した。
7回まで八幡南の先発・山川の前に5安打無得点に抑えられていた九産大九州は8回一死後、鹿毛が中前打で出塁。濱田は四球で一死一、二塁とすると、尾崎が2-0から甘く入った直球を逃さず、右中間を破る三塁打を放って二者が生還。二死後、大野の左前打で同点に追いついた。
再び勝ち越された9回は一死後、佐藤が右翼線への二塁打で出塁。ここで八幡南は山川を諦め、今井にスイッチしたが、代打・加藤が右中間を破る大きな二塁打を放って同点に追いついた。中濱の三遊間への当たりは、八幡南のショート・廣澤が好プレーを見せて一塁で刺し、二死三塁までこぎつけたが、続く鹿毛が中前にはじき返して(写真下)、加藤がサヨナラのホームを踏んだ。
序盤から中盤にかけては八幡南が相手のミスで得点を重ねて、優位に試合を進めた。
3回一死後、上野が右方向へ逆らわない打撃(右前打)で出塁すると早野も一・二塁間を破って一死一、二塁。続く中川の投ゴロで一塁走者が二塁で封殺された後、ショートが三塁に達した走者の動きを見て三塁に転送、虚を突かれた三塁手とタイミングが合わずボールが逸れる間に上野が生還して先制した。さらに二死二塁から廣澤が左前にタイムリーを放ち(写真下)、この回2点を挙げた。
5回は四球で出た早野が犠打で二進。二死後、原田の遊ゴロ失でノーヒットで追加点をあげた。同点とされた9回はこの回先頭の上野が三遊間を破って出塁。犠打で二塁に進むと、打者・中川のときに盗塁を決めて一死三塁とし中川の遊ゴロで本塁突入、これがフィルダースチョイスとなって再度勝ち越したが、最後は九産大九州打線の粘りに屈した。
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最後は、九産大九州打線の地力が勝ったというべきか。追い込まれながら、少しでも相手投手の制球が甘くなると一気に畳み掛ける力がある。秋季大会の後半から起用され始めた3番・尾崎が3安打2打点。途中出場の佐藤が9回反撃の口火を切る二塁打を放てば、代打の加藤が同点二塁打。層の厚さを見せた。佐藤、加藤とも背番号は一桁ながら、先発を外れている選手。チーム内の競争が、全体の底上げにつながっているようだ。
【九産大九州8回一死一、二塁、尾崎が右中間を破る三塁打を放って二者生還】
こうした粘り腰が発揮できるのも、岩田投手(写真下)の安定した投球があってのこと。この日も岩田は120キロ台前半の直球に、右打者の膝元に落ちてくるカーブのコンビネーションが冴えた。ただ、少しコントロールに苦しんだ印象で、3つの死球に2つの四球。さらに味方の守備の乱れもあって4点を失ったが、大きく乱れる場面もなく安定感が際立った。
八幡南の先発・山川投手(写真下)もよく投げた。スナップが利いているためかストレートの伸びがよく、球速表示(120~125キロ)以上に速く感じた。これに100キロ台のカーブを使ってタイミングをうまく外してくる。3回まで毎回安打を許したが、そこを無失点で切り抜けてから中盤は危なげがなかった。4回は送りバントを素早く二塁に投げて併殺に仕留めるなどフィールディングもよい。
ただ8回はさすがに疲れが出たのか、直球の伸びが鈍くなり全体的に球も高くなってきたところを九産大九州打線につかまった。山川は準々決勝の西短大付戦でも7~8回にかけて3失点しており、終盤を乗り切るスタミナをつけたいところ。リリーフに立った今井投手は調子があがる前に、九産大九州打線の勢いに飲み込まれた感じだった。
打線もこの日は長打はなかったが、積極的な走塁やヒットエンドランや犠打を絡めたしぶとい攻撃を見せてきた。それを象徴していたのが9回勝ち越しの場面。上野はヒット・バントで二塁に進むとここで盗塁を敢行、三塁を陥れる。さらに中川の内野ゴロで本塁突入、これが野選となって1点をもぎとった。7回のスクイズ失敗(投飛併殺)や盗塁失敗もあったが、とにかくよく動いてくる。守備陣もショート・廣澤を中心に動きも良い。
走攻守それぞれのレベルが平均して高く、現時点での北部ナンバーワンは、同校といってよいだろう。
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