第96回全国高校野球選手権福岡大会 まとめ




2014夏優勝2 九州国際大付の優勝から早くも4日が経ちました。また昨日愛知代表が決まって49代表が揃いました。今日から8月。いよいよ甲子園モードに入っていきますが、その前に福岡大会の総括をしておきたいと思います。

 今年は春の福岡大会優勝校・東福岡、準優勝校・西日本短大付、昨秋福岡大会優勝校・九州国際大付の優勝争いを想定していました。東福岡は選手層の厚さを含めた総合力、西日本短大付は小野投手の存在感、九州国際大付は打力を買っていましたが、その中でも九州国際大付は想像以上に強かったです。
 九州国際大付は春先まで打線に波がありましたが、中尾、河口で1、2番を固定できてからつながりが出てきたように思います。レギュラー選手と控え選手の力量差がなく、誰が出てきても鋭い打撃ができること、安藤や滝といった投手陣の打力もあるため、文字通り隙のない打線といえます。投手陣は大型左腕の安藤、小柄ながらキレのある球を投げる滝、そして2年生の富山の3人の右腕が安定していました。130キロ台の直球にカーブをまじえる同じようなタイプの3人ですが、いずれも制球力に優れ四球から崩れる場面がありませんでした。飯塚、福工大城東、西日本短大付、自由ヶ丘と強豪を正面から打ち破っての文句なしの優勝でした。例年混戦と言われる福岡大会ですが、今年に限ってはもう一度組み合わせを変えてやっても、高い確率で九州国際大付が優勝するような気がします。

 その九州国際大付と決勝で顔をあわせると思われた春の覇者・東福岡は、5回戦で東筑にまさかの敗退。「大会に入ってから打線の調子が上がってこなかった」という葛谷監督の談話がありましたが、それでも何とかしてきた打線。しかし東筑の軟投派・溝尻の前に沈黙しました。緩急をつけた投球にタイミングを外され、内野フライの山を築きました。堅守を誇った守備陣にもミスが出てそこから失点するなど、この試合に限っては東福岡らしさが出ませんでした。浜田、佐藤、森という3人の投手を擁しながら余力の残しての敗戦という印象です。

 西日本短大付は小野投手が大会前に左手骨折というアクシデントに見舞われました。九州国際大付戦では150キロ台の速球を何度も計測しており投球への影響がどこまであったか分かりませんが、九州国際大付打線が一枚上だった印象があります。そのスピードに比べて制球力にやや難があったのも否めず、九州国際大付戦では先制点も四球から。1点差に追いついた後の失点も押し出し四球。そして大量点を奪われた7回には3つの四死球が絡みました。今後、上でやっていく素材でしょうが制球力が一つの課題と言えそうです。

 そのほかのシード校ではベスト4の自由ヶ丘、ベスト8の筑陽学園などは、持てる力を発揮できたのではないかと思います。柳川もベスト4までは進めると思いましたが、折尾愛真の粘りに屈しました。ノーシードから県大会に進んだ北筑、東筑、筑紫などは逆に戦前の予想を上回る活躍を見せてくれました。強豪校が九州国際大付や西日本短大付のパートに偏るなど組み合わせ上の追い風も大きかったと思いますが、北筑は10盗塁を決めた稲毛、筑紫は背番号10の貞光投手というキーマンの出現が躍進につながりました。東筑は試合ごとに日替わりヒーローが出て小倉、東福岡というシード校を見事に撃破しました。

 今年は1、2年生の活躍も目立ちました。投手では筑陽学園・斎藤(銀)、折尾愛真・新井、星琳・中村、真颯館・岡、初のベスト8の立役者となった筑紫・貞光、戸畑も石橋、川底の2人が残ります。決勝で涙を飲んだ北筑・平川投手も2年生。打者では久留米商の中島、渡辺の中軸、西日本短大付の4番・武富、福工大城東のトップを務めた・江良、筑陽学園は斎藤(雄)、斎藤(銀)、工藤のクリーンアップがそのまま残ります。小倉や飯塚も今年出場した多くの野手が2年生。新チーム検証で改めて触れたいと思いますが、好選手が多く残り秋の大会の行方が楽しみです。

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