【観戦レポート】 (2014年5月17日・土/北九州市民球場) | |||
◇NHK旗福岡県選抜高校野球大会 準決勝 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E 東福岡 0 0 2 2 2 2 2 10 13 0 小 倉 0 0 0 0 0 0 1 1 8 2 【東】佐藤、ヒンブル-堀尾、河野 (本)河野 (二)佐藤、日野 【小】岡野、小畑銀、上田-稲富 (二)水野、田中 最後は点差が開き、東福岡が力の差をみせつける形となったが、小倉にもチャンスがなかったわけではない。 この試合のポイントは3回の攻防にあった。まず3回表、東福岡の山田貴幸(3年)が二塁左へのゴロ。当たりがやや緩かった分、送球が間に合わず内野安打になった。犠打のあと堀尾敬太(3年)の当たりはショート前に高いバウンドの打球。小倉のショート・藏本披慧(2年)もよく突っ込んでグラブにボールを一度は納めたが、完全に捕球できず(記録は失策)、ピンチを広げた。敢えて厳しい見方をすれば、この二つの打球はアウトにできる“可能性”のある当たりだった。こうしたきわどい当たりをアウトにできるかどうか。強豪校との対戦では、こうした一つ一つのプレイが明暗を分ける。続く三塁ゴロの本塁低投で、完全に流れが東福岡に傾き、楠八重将哉(3年)のタイムリーにつながった。 小倉は初回にも、ヒットで出た水野をバントで送ろうと試みるが二塁封殺。5回も先頭の水野が四球を選ぶが、6点差ついていたこともあって強攻に出た結果、進塁がかなわなかった。1番打者の水野はこの試合よく振れており、3打数3安打1四球と、一人気を吐いたが、二塁に進めたのは二塁打を放った7回のみ。 これに対して、東福岡は5つの犠打を確実に決めた。5回には4点差がついていたにも関わらず、4番・井上潤平(3年)に送りバントをさせ、続く日野恭輔(3年)のタイムリー二塁打を呼び込んだ。チャンスで確実にタイムリーを放つ東福岡打線の集中力もさることながら、こうした目立たないプレーを確実に(一見すると簡単に)決めるところにも、東福岡の強さを見た気がした。 投手陣を簡単に振り返っておくと、小倉の先発・岡野新二(2年)は120キロ前後の直球とカーブを軸に組み立てる投球。1、2回は三者凡退に抑えた。3回は不運な面もあったが、打線が二巡目に入ってから東福岡打線につかまった。5回0/3を投げて被安打7、与四死球1、奪三振4。エースナンバーをつけた小畑銀司郎(3年)は、右上手から130キロ~135キロの直球を軸に低めに集めたが、打者8人に対して被安打3、与四死球1、奪三振1と流れを変えることができなかった。 東福岡の先発・佐藤力也(3年)は、ゆったりとしたフォームから、スナップを利かせて切れのある球を投げる。直球は135キロ前後で、140キロ近くまで出る。これに120キロ代で小さく曲がるスライダーがコーナーに決まるとそう打てないだろう。東福岡には春の九州大会で投げた濵田駿(3年)、森翔平(3年)なども控えており、夏の連戦を前に計算できる投手が揃った。 ▶前に戻る |