【観戦記】福岡大大濠22-2八女工(春季大会2回戦)




本記録は公式記録ではありません

 福岡大大濠が、13安打に19四死球をからめて22点を奪い大勝した。
 福岡大大濠は初回、先頭の杉村が右越え三塁打と友納の左前打で先制すると、続く深浦が送り星子の三塁内野安打、溝田の中前打で友納が生還。さらに新井四球で一死満塁から、白石の右犠飛で3点目。山下四球で再び満塁とし、宮本が右中間二塁打を放って2点を加えた。なおも二死二、三塁から杉村の右前打で2者が還り、この回7点を挙げた。
 2回にも、この回から登板した2番手の立石彪から、深浦が四球を選び星子の遊内野安打のあと、溝田の捕前バントが三塁悪送球を誘い深浦が生還。無死二、三塁から連続四球で1点を加えると、山下三振のあと、三者連続押し出し四球で3点を追加。さらに深浦の中前打で2点、星子の左犠飛で1点を加え8点を奪って勝負を決めた。
 3回も攻撃の手を緩めず、新井、白石が連続四球の後、山下が送って宮本の左中間二塁打で2点を追加。4回は溝田、新井の四球と暴投で無死二、三塁。白石三ゴロ、代打平山は浅い左飛に倒れたが、宮本の四球で満塁とし、杉村の中前打と友納の押し出し四球で1点ずつを加えた。5回は3番手・立石魁を攻め、一死から溝田四球のあと新井も左前に落とし、白石四球で満塁。続く中村の左前打とレフト失策で2者が生還。さらに宮本、杉村の連続四球でこの回3点を奪った。
 八女工は初回松尾の四球と4番入江の左前打と盗塁で二死二、三塁としたが無得点。3回は1番小野が左前打。松尾三飛、松浦三振で二死となったが、入江の左前打のあと、岩谷が右翼線二塁打を放って2点を返した。だが4・5回は2番手の中村に三者凡退に抑えられて沈黙した。

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 福岡大大濠が見事な先制攻撃を見せ、一気に八女工の先発・高﨑海を攻略した。まず先頭の杉村が2球目のスライダーをすくい上げて、あわやフェンスオーバーという右越え三塁打。続く友納が初球をたたき、サードグラブをはじく強襲安打、わずか3球で先制した。さらに深浦が送ると星子、溝田も連打で続き、たまらず高﨑が四球で走者をためたところを、9番の宮本が高めのスライダーを逆らわず右中間に運び、杉村も一・二塁間を破って一挙7点を挙げた。
 2回以降は、2番手・立石の乱調もあって一方的な試合となった。点差が開くと打撃も雑になりがちだが、福岡大大濠の打者は大振りせずに単打を重ねて確実に得点につないでいった。特に1番の杉村は4安打の大活躍。昨年は8番を打っていた左打者だが、積極的な打撃で右に左に打ち分ける。四球も2つ選んで6打席すべて出塁。盗塁も2つ決めるなど、理想的な一番打者に成長した。9番宮本もコンパクトに振り抜き右中間、左中間をそれぞれ破る二塁打2本で4打点。3つの四球も選びこちらも全打席出塁を果たした。深浦・星子・溝田の中軸に、こうしたしぶとい打者が出てくると、厚みが出てくる。

 福岡大大濠の先発は背番号10の山下。長身の右オーバーハンドで130キロ後半の直球を投げおろしてくる。ただ、この直球が高く抜けることが多く、3回を投げて5安打を浴びて2失点。この球が低めに決まるようになると、縦に落ちてくるようなスライダーの効果も出てきそう。
 4回からはエースナンバーを背負った左腕の中村にスイッチ。直球は120キロ台後半で、カーブともう一つ手元で揺れる変化球を投げていたようだ。厳しいコースに直球を決めて三振を二つ奪い、低めによく制球されており安定していた。昨秋、主戦として活躍した深浦は背番号9で3番ライト。今年の福岡大大濠も、投手陣の柱を誰にするのか模索中のようだ。

 八女工の先発・高﨑は120キロ前後の直球にスライダーを使った投球だったが、立ち上がりから積極的に振ってくる福岡大大濠打線の勢いに飲み込まれてしまった感がある。直球、スライダーとも外を中心とした投球で、単調になってしまったか。2番手の左腕立石は直球、カーブともなかなかストライクが入らず、2~4回で13四死球と厳しいマウンドになってしまった。左投手特有の大きなカーブもある。この経験を生かし、次の登板に期待したい。


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