第89回選抜高校野球大会の第5日は、第一試合で九州地区代表の東海大福岡が神戸国際大付(兵庫)と対戦、2-1でサヨナラ勝ちをおさめ、前回出場した1985(昭和60)年以来、32年ぶりの甲子園勝利となりました。また福岡県勢がセンバツに2校選出されたことは過去12回ありますが、2校とも初戦を突破したのは初となります。東海大福岡の2回戦は大会第8日の27日(月)、早稲田実(東京)と対戦します。

<試合経過>
 東海大福岡・安田、神戸国際大付・黒田の両エースの投げ合いとなったが、神戸国際大付の守備の乱れに乗じて東海大福岡がサヨナラ勝ちした。
 同点で迎えた9回、東海大福岡はこの回先頭の星野が四球で出塁。佐田はスリーバント失敗したが、続く前原の送りバントで二塁封殺を狙った捕手の送球が乱れ、一、二塁。8番橋本の当たりは遊ゴロとなり併殺かと思われたが、二塁からの一塁送球が乱れ後逸する間に、星野がサヨナラのホームを踏んだ。
 先制したのは神戸国際大付。2回先頭の4番片岡が中前打で出塁。中岡遊直、谷口右飛で二死となった後、片岡が盗塁を決め、荒木の左前打で生還した。初回無死一、三塁の好機を逃した東海大福岡は3回一死後、9番安田の左前打、1番有安が中前打で一、二塁。清水は二飛に倒れたが、北川のショート前の当たりが内野安打となり、一塁への悪送球も絡んで同点に追いついた。
 その後は、神戸国際大付が押し気味に試合を進め、6回二死満塁、8回二死二塁の勝ち越し機を迎えたが、安田が後続を抑えてサヨナラ勝ちを呼び込んだ。

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 秋の近畿大会準優勝、チーム打率3割7分7厘を誇り左の好投手・黒田を擁する神戸国際大付。投打とも実力では上回る相手に、東海大福岡は存分に持ち味を発揮し、競り合って終盤勝負の「勝ちパターン」で勝利につなげた。

 右サイドハンドのエース・安田はこの日も直球、スライダー、シンカーなどをテンポよくコーナーに散らす投球でリズムを作った。左打者にも厳しく内角を突き、スライダーを低めに集めて凡打の山を築いた。外野への飛球も多かったが、しっかりと振り切らせなかった分、いずれも外野手が余裕をもって処理できる打球だった。四死球は2つ与えたが、6回二死二塁で中軸を迎えて、慎重に際どいところを突いたもの。内野陣もノーエラーで安田の好投に応えた。

 試合は1-1のまま終盤へ。福岡大会から九州大会にかけて、競り合いをしぶとくものにしてきた東海大福岡にとっては、勝ちパターンともいえる展開。得点はいずれも相手の失策が絡んだ結果となったが、点を許さなければ相手が我慢できずに四球や失策で崩れることが往々にしてある。しっかりした守りが生んだ得点ともいえた。140キロを超える投手や長打力のある選手がいるわけではないが、しっかりと守り、凌ぎ合いをものにできる東海大福岡は、福岡大大濠とはまた違った強さを感じさせる。
 2回戦は、優勝候補の一角・早稲田実と激突する。
昨秋の明治神宮大会で福岡大大濠が敗れた相手であり、清宮、野村を軸とする強力はもとより、話題性でも今大会もっとも注目を集めるチームだ。全国の熱い視線が注がれる中、福岡が誇る粘りの野球が、全国トップレベルのチームにどこまで通用するか。好勝負を期待したい。