東海大福岡11-8早稲田実(第89回選抜2回戦)

東海大福岡が早稲田実の繰り出す4投手に15安打、6四死球に2盗塁をからめて11得点をあげ、終盤の猛追を振り切って逃げ切った。

1点を追う東海大福岡は3回一死後、9番安田が左翼線二塁打で出ると、有安四球で一、二塁。清水は三振に倒れたが、北川も四球を選ぶと、4番遠藤が走者一掃となる右越え三塁打を放って逆転した。続く4回も一死から中山が三塁内野安打で出塁、橋本三振のあと、安田が2番手・池田の初球を痛打、中越え三塁打で1点を追加した。

5回の一死二、三塁では得点できなかったが6回にも再び猛攻。一死後、橋本が中前に落とすと、安田が送り、有安中前打で一、三塁。ここから大鶴左前打、北川中前打、遠藤左中間二塁打、星野左前打と怒涛の4連続タイムリーで5点をあげ9-1とし、勝負あったかに見えた。

早稲田実は3回、右中間二塁打で出た橘内を服部が送って一死三塁。野田遊ゴロのあと、福本も二ゴロとなったが、これが悪送球を呼んで先制した。8点を追う7回は一死後、橘が四球で出ると、代打中川が三塁内野安打、野田も中前打で続き、代打成田のセンター犠牲フライで1点を返した。さらに8回、清宮の右翼線二塁打、野村の左前打でまず1点(送球間に野村二塁へ)。
小西も左前打でさらに1点をあげると、雪山の二ゴロで併殺を焦ったショートが送球を逸らし、無死一、二塁。橘内は投ゴロ併殺打で二死三塁となったが、石井のセカンド前への内野安打でこの回3点を奪った。

4点差に迫られた東海大福岡は8回、先頭の北川が中前打。遠藤四球のあと、星野の投前バントが悪送球を誘って2者が生還。11-5と突き放した。早稲田実は9回一死後、野村が三塁内野安打で出塁。小西は三ゴロに倒れたが、雪山、橘内がいずれも右前に運んで二死満塁とし、代打福嶋が走者一掃の右中間二塁打を放って、3点差まで追い上げた。だが反撃もここまで。野田が一ゴロに倒れ、両校30安打の乱打戦に終止符が打たれた。

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東海大福岡が、打撃戦という意外な形で東の横綱・早稲田実を破った。

安田投手を中心に守り勝つ印象の強い東海大福岡だが、決して貧打線ではない。昨秋九州大会の準々決勝・れいめい戦では14安打。決勝の福岡大大濠戦でも三浦投手から9安打を放っている。この日は、早稲田実投手陣の甘い球を逃さずコンパクトに打ち返した。3回、遠藤の右越え三塁打でいける、という雰囲気になったか、4回以降も毎回のように安打を放って得点圏に走者を進め、流れを渡さなかった。特に影の主役といっていいのが9番安田。もともと打撃センスもある選手だが、9番の打順で3安打が生まれたことで打線がつながった。

安田投手はこの日も自分の投球を貫いた。内外角はもちろん、外角低めに沈むスライダーを見せながら、直球を高めに投じるなど高低も広く使って、早稲田実の強力打線を文字通り翻弄。6回まで4安打に抑える完璧な投球だった。

球数が多かった(162球完投)こともあり、終盤はやや疲れもあって捕らえられたが、ここぞという時の精神力の強さは、福岡大大濠・三浦投手と共通するものがある。特に3点を奪われ5-9となった後、二死一塁からヒットとセカンドへの野選で満塁となり、2番横山に代わる西田を迎えた場面。一打出れば7-9となり清宮に回るという状況だったが、落ち着いて低めを突いて三振に仕留めた。

9回も走者一掃の三塁打を与え8-11、なお二死二塁でこの日3安打の9番野田を迎え、ここで1本出ると2点差で1番に回るというところだったが、きっちり断ち切った。

活発だった打線と対照的に、この日は守備の乱れが目についた。3回に許した先制点はセカンドから一塁への悪送球。失点にこそつながらなかったが、6回清宮の右中間への大きな飛球をライトとセンターが譲り合い三塁打にしている。

8回は2点を奪われた後の無死一塁からの二ゴロで、併殺を焦ったか、セカンドからの送球をショートがグラブに当てて後逸、ピンチを広げた。さらに3点目を許したあと、二死一、二塁からのセカンドゴロでは、捕球した後に二塁ベースに走り込んだが間に合わず野選に。二塁ベースへのカバーが遅れたこともあったが、一塁送球でもよかった。

最後は安田投手が踏ん張って最悪の事態は免れたが、大観衆を中で、早稲田実の強力打線の重圧の受けながらプレーということで、動きが硬くなったのかもしれない。ただ、こうした経験は大きな糧となるはずで、次戦以降のプラス材料として考えたい。

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