九州国際大付は2021年秋にも九州大会で優勝を果たし、明治神宮大会に出場しています。この時は2勝してベスト4に進出、準決勝で前田悠伍投手(現ソフトバンク)を擁する大阪桐蔭に敗れました。
この年の九国大付はトップに黒田(現東日本国際大)4番に佐倉(現ソフトバンク)5番に野田(現西武)などの強打者が並ぶ打線でした。少なくとも秋の段階ではこの10年間で福岡最強の打線だったと思います。そのチームでも成し遂げられなかった全国一を今年のチームは達成したことになります。福岡大会2試合、九州大会4試合、明治神宮大会3試合の計9試合の記録が共に残っていますので比較してみました。
▼2025年と2021年の九国大付戦績
| 2025年 | 明治神宮 | 2021年 |
| 神国大付11-1 | 決勝 | ― |
| 花巻東 8-7 | 準決勝 | 大阪桐蔭 2⑧9 |
| 山梨学院 6-5 | 準々決勝 | 日大三島 2-1 |
| - | 1回戦 | クラーク 5-1 |
| 2025年 | 九州大会 | 2021年 |
| 長崎日大 3-2 | 決勝 | 大島 12-6 |
| 神村学園 5-4 | 準決勝 | 長崎日大 12⑦2 |
| 長崎西 5-0 | 準々決勝 | 明豊 13⑤0 |
| 杵築 7⑦0 | 1回戦 | 鹿児島城西 6₋4 |
| 2025年 | 福岡大会 | 2021年 |
| 福大大濠 11-4 | 決勝 | 福岡第一 13ー1 |
| 大牟田 5-4 | 準決勝 | 自由ケ丘 9⑧2 |
| 福工大城東 8ー7 | 準々決勝 | 福岡 9-1 |
| 八幡 5-1 | 5回戦 | 東筑 13⑦3 |
| 小倉商 8⑦0 | 4回戦 | 鞍手 20⑤0 |
| 東海大福岡 6ー5 | 3回戦 | 希望が丘 4-0 |
| 真颯館 11⑥1 | 2回戦 | 北九州市立 5ー0 |
| .329 | 打率 | .345 |
| 5 | 本塁打 | 14 |
2021年のチームは佐倉の4本を筆頭に9試合で実に14本塁打。1~5番までに4割打者が4人並んでおり、3番大島にしても.371の高打率です。九州大会では4試合中2桁得点が3試合で、うち2試合がコールド勝ち。決勝はコールド規定がないため9回まで行われましたが、5回終了時点で11-1ですから実質的に3試合がコールド勝ちです。九州大会までは圧倒的な強さを見せてきました。

ただ、明治神宮大会では3試合で9点。安打数も初戦こそ10でしたが準々決勝は6、準決勝は4と鳴りを潜めていきました。九州大会まであれだけ打ちまくった打線よりも、左腕エース香西投手の好投が目立ちました。
一方、今年のチームで4割打者は牟禮だけ。上位の2~5番に打率3割5分を超える打者はいません。その代わり6~9番は全て3割5分以上。久保田、柴原の両選手は出塁率が5割を超えており、上位につないで勝負強い1番牟禮、3番吉田で返すのが得点パターンでした。実際、チーム打点(50)のうち牟禮、吉田の二人で4分の1にあたる20打点を叩き出しています。特に柴原は9番打者というより「牟禮の前を打つ打者」としてチームの勝利に大きく貢献しました。

九州大会までは苦戦も多く、圧倒的な強さは感じませんでしが、2021年のチームとは対照的に明治神宮大会では3試合で25得点。初戦、準決勝とも1点差の乱戦をものにしてきました。2021年のチームほどの破壊力はないながらも接戦に強く、全国の強豪相手にも得点を奪う力がある。選手個々の力は2021年のチームの方が上だという印象ですが、点を取られても反発力があり粘り強い。数字には表れない、そんな力が今年のチームにはあるように思います。
その粘り強さの原動力は何なのか。今夏の福岡大会決勝で西日本短大附に大敗を喫した後、チームはどう変わったのか。そこにはきっと知られざるストーリーがあると思います。

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