第107回全国高校野球選手権大会は17日㈰、3回戦4試合が行われベスト8が出揃いました。第三試合に登場した福岡県代表の西日本短大附は東洋大姫路(兵庫)に2-3で敗れ、県勢として2015(平成27)年の九州国際大付以来となる夏のベスト8進出はなりませんでした。昨夏・今春と2勝ずつ挙げてきた同校でしたが、今回も「3勝目の壁」に阻まれ涙をのみました。
【試合経過】—————————-
西日本短大附は3回、原が左前打で出ると奥が送って一死二塁。井上中飛で二死となったあと、斉藤の中前打で二死一、三塁とし、佐藤の中前打で原が先制のホームを踏んだ。なおも二死一、二塁の場面で登板した東洋大姫路の木下から、安田がショート後方に落ちる安打を放って斉藤が生還。2-0とした。
東洋大姫路は直後の4回、木本がチーム初安打を右前に放ち出塁。高畑が送り、白鳥三ゴロで二死二塁から高田中前打で一、三塁とし、見村のセカンド右への内野安打で1点を返した。続く5回は中前打で出た鈴木を木下が送り、渡辺の中前打で一死一、三塁。木本は三振に倒れたが高畑の左前打で追いつくと、ここで登板した中野から白鳥が中前打を放って勝ち越し、これが決勝点となった。
西日本短大附は4回に二つの四球で一死一、二塁、7回は一死から井上の三ゴロ失と斉藤の中前打で一死一、二塁としたが後続が凡退。4回以降は木下の前に散発3安打に抑えられ三塁を踏めなかった。
| 第107回全国高校野球選手権大会3回戦 (2025年8月17日・日/阪神甲子園球場) |
| チーム名 一二三四五六七八九 計HE 東洋姫路 000120000 391 西短大附 002000000 2100 東洋姫路 年 打安点 西短大附 年 打安点 (二)渡辺拓③ 510 (中) 奥 ③ 400 (中)木 本③ 420 (遊)井上蓮 ➂ 510 (遊)高 畑③ 311 (右)斉 藤③ 530 (左)白 鳥③ 411 (一)佐 藤③ 411 (一)高 田③ 310 (左)安 田③ 411 (右)見 村③ 421 (捕)山 下③ 410 (捕)桑 原③ 300 (二)湯 山➁ 320 (三)鈴 木③ 310 (三)小 川③ 200 (三 國 武③ 100 (投) 原 ③ 110 (投) 森 ③ 000 投 中 野③ 100 (投 木 下③ 200 打 園 原③ 100 振球犠盗残 振球犠盗残 33207 923010 ————————————— 投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責 森 3.2 6012 原 4.2 6123 木下 6.1 4280 中野 4.1 3210 ———————————————- ▼試合時間:2時間10分/観衆:30,000人 ※打者の下線は左打者、投手の下線は左投手 |
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西日本短大附打線が東洋大姫路の右腕エース・木下に屈し、3季連続の甲子園での戦いに幕を下ろした。
東洋大姫路の先発は甲子園初登板、背番号11の森。西日本短大附にとって今大会初の右投手との対戦となった。130キロ台なかば(この日最速137キロ)にスライダー、カーブを交える。西日本短大附は2回に二死から山下、湯山が右前打。ここでは得点できなかったが、続く3回は原、斉藤のヒットで一死一、三塁とし、佐藤が変化球をバットの先で拾ってセンター前に落として先制。3回途中までに6安打を浴びせて森をKOしエース木下を引きずり出すと、その木下から安田もバットの先ながらショート後方に落とし、さらに1点を追した。
西日本短大附は左腕の原が先発。2日前に96球を投げた疲れをみせることもなく、5人が並ぶ左打者の外角低めに直球、スライダーをポンポンと決めていく。2回戦の聖隷クリストファー戦では立ち上がり球が高かったが、この日は絶好の滑り出し。3回まで死球を一つ与えただけで強打の東洋大姫路打線をノーヒットに抑えた。序盤3回を終えて2-0。このまま西日本短大附のペースで試合が進んでいくと思われた。
2巡目に原を一気に攻略
ただ、4割近いチーム打率を誇る東洋大姫路打線は、2巡目に入ると早くも原のスライダーをとらえはじめる。木本、高田の左打者がスライダーを右前、中前にクリーンヒット。見村のセカンド右を襲うゴロを湯山がはじいてしまい(記録はヒット)1点を返される。
その裏、西日本短大附は二つの四球で一死一、二塁。登板直後の木下はストライクとボールがはっきりしており、一気に畳みかけて原を援護したかったが奥が左飛、井上も直球に差し込まれて中飛。ここでの無得点が潮流が変わったのかもしれない。東洋大姫路は直後の5回表に3本の短打で同点に追いつき、ここで登板した中野から、打率6割超の4番白鳥が変化球を中前にはじき返して勝ち越し。この試合で放った9安打のうち7本をこの4~5回に集中させて試合をひっくり返した。
するとその裏、木下が4回までとは見違えるような投球を見せる。左打者の内角低めに140キロ超の直球(同146キロ)、さらにタイミングを外すチェンジアップ、ナックルカーブを交えながら三者連続三振。5回以降は得点が動かず、終わってみれば前半までの攻防で試合が決まった形となった。
投打とも東洋大姫路が一枚上
西日本短大附も6・7・9回にヒットは出たが、要所を締められて無得点。右投手の140キロ超の直球は打ち返す力があっても、これを内角低めいっぱいに決められてはそうは打てない。チェンジアップ、ナックルカーブによる緩急も効果的だった。木下は5回以降、四死球もゼロで西日本短大附に付け入る隙を与えなかった。木下は2回戦で136球を投げて中1日の登板。疲労が残っていると思われたが予想を上回る投球をされ、手も足も出なかった。勝負どころで一気に畳みかけた打線といい、東洋大姫路が投打とも一枚上だった。
エース中野は登板直後に白鳥にタイムリーは許したものの、6回以降は直球、カットボール、スライダーをテンポよく投げ込み2安打1四球に抑え込んだ。強力な東洋大姫路打線を3点に抑えた投手陣は申し分のない内容。スピードボールがなくても全国屈指の打線を抑えられることを証明した中野、原の投球は、同じタイプの投手たちに勇気を与えたはずだ。
頂点を狙うチームとの差は
この大会、西日本短大附の挙げた得点は4点、2点、2点。センバツで3試合18点の強力打線をもってしても、全国区の好投手からは簡単には点がとれなかった。原投手の成長はあったが野手に関してはメンバーが変わらず、打力の成長曲線が頂点を狙うには足りなかったのかもしれない。それでも3季で6勝は立派な成績。強い福岡を全国に示してくれた。
2週間後には早くもセンバツを目指した秋の大会が始まる。この1年間、福岡をけん引してきた西日本短大附は主力の大半が抜け、秋以降は再び混戦模様となりそうだ。


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