行橋守備陣の乱れに付け込んで得点を重ねた嘉穂総合が、7回コールドで9年ぶりの夏勝利を飾った。
▼1回戦(6日・筑豊緑地)〔試合記録〕
行橋 000 000 0 =0
嘉穂総合 012 004 x =7
(7回コールド)
【行】有墨→田中銀→有墨【嘉】井上
初回一死二、三塁の好機を逃した嘉穂総合は2回、6番倉富右前打、内山四球のあと橋爪の投前バントで一塁送球が逸れて無死満塁。9番陶山の三ゴロ(三塁封殺)の間に倉富が還って先制した。
3回は3番井上が遊内野安打で出ると、山口の左飛が失策を誘い無死一、二塁。打者安部の時に重盗を決めて二、三塁とすると、安部三振のあと倉富の右犠飛でまず1点。さらに内山四球で一死一、二塁とし橋爪の左前打で山口も還り、この回2点を追加した。
6回はこの回から登板した田中(銀)を攻め、一死から岩本中前打、井上左前打で一、二塁。山口は右飛に倒れたが打者安部の時に重盗を決めて二死二、三塁とし、安部が中前打を放って二者を迎え入れた(センターが打球後逸する間に安部も二進)。さらに倉富が右前に落として安部が生還。内山四球で二死一、二塁から橋爪の左前打で倉富も還り、この回4点を加えて勝負を決めた。

行橋は2回、先頭の有墨が左前打で出ると勉が送って一死二塁としたが、脇が左飛、有墨が三盗に失敗して無得点。3回も左前打の永井を栗秋が送ったが、別府の遊ゴロで三塁を狙って刺され、一塁に生きた別府も二盗に失敗して得点できなかった。
7回は先頭の田中(琥)が四球。一死後、菅田も四球を選んで一死一、二塁。有墨三振のあと、勉が中前打を放ったが本塁を狙った田中がセンターからの好返球に刺され試合終了。嘉穂総合・井上を最後まで捕えられなかった。
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昨夏の初戦、2回までに7ー0と大量リードしながら逆転で敗れた嘉穂総合。夕暮れのもと涙にくれた筑豊緑地野球場で今年は高らかに凱歌を揚げた。3大大会(春夏秋)では2016年夏以来となる、待ちに待った勝利だ。

原動力となったのはエース井上。肘を一度しっかりと上げ、そこからサイド気味に腕を振り下ろす右腕だ。投球の軸に据えたスライダーで、安定してストライクが取れた。甘く入った球を叩かれて4安打を許したが連打は許さず、危なげのない投球だった。7回はコールド勝ちがチラついたか2つの四球を与えたが、6回までは無四球投球。球数も少なく7回以外は全て15球未満で3つのアウトを取った。前半は直球が今ひとつ決まらなかったが、6回に栗秋から奪った見逃し三振は、外角低めいっぱいに直球を決めたもの。こういう球が増えてくると、よりスライダーの効果が増しそうだ。
バックも井上を盛り立てた。二度仕掛けてきた盗塁は正岡が正確な送球で刺し、7回はセンター安部が本塁へ好返球をみせ、コールド阻止を狙った二塁走者を刺した。
攻撃では相手のミスもあり終始塁上を賑わせ、序盤に3点はあげたものの一気に畳みかけることができなかった。押し気味に試合を進めながら3-0からスコアが動かなかったが、6回に安部が均衡を破る中前適時打を放ったのが勝利への決定打となった。
1番正岡は昨夏も4安打と活躍したチームの大黒柱。打席での雰囲気は強打者のそれを漂わせているが、この日はノーヒットに終わった。4番山口も無安打に終わるなど主軸の二人から快音が聞かれなかったが、6番倉富が3安打、8番橋爪が2安打など下位の打者がしぶとく安打を放って勝利に貢献した。

行橋の先発は小柄な右腕の有墨。時折、外角低め一杯に素晴らしい直球を投げる。ただ、5回までに5つの四死球に味方の失策もあり毎回のように得点圏に走者を背負う苦しいマウンドとなった。それでも失点を最小限にとどめて試合をつくった。打たれた5安打も内野安打やポテンヒットが中心で、打ち込まれた感じではなかった。
6回からは1年生の田中が登板したが、4安打3失点で1回を持たずに降板し、ほろ苦い夏の公式戦デビューとなった。守りでは4つの失策が出たほか、記録には残らないミスなども重なって失点につながった。打線は甘く入ったスライダーをレフト前、センター前に運んだが散発に終わり、ホームが遠かった。
数年前まで連合チームでの出場が多かった行橋は、夏の勝利も2009年以来遠ざかっている。それでも今年は11名の新入部員を得たこともあり、ベンチ入りメンバー20名を揃えて試合にのぞんだ。この日9年ぶりの勝利をあげた嘉穂総合のように、長いトンネルを抜けるための戦いが始まろうとしている。

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