観戦レポート/第96回全国高校野球選手権大会 2回戦 (2014年7月6日・日/北九州市民球場) |
TEAM 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E 愛 真 0 1 2 3 0 0 0 2 8 10 0 小倉西 0 0 0 0 0 0 0 0 0 6 3 【愛】新井、向野ー奥田(本)長谷(二)奥田2、長谷 【小】高山、北野-新居、菊次 この試合も投手の制球力が、勝負の行方を左右した。 小倉西の先発は左腕の高山。本来は直球とカーブのコンビネーションで打者を打ち取っていく投球スタイルなのだろうが、この日はいずれも制球が定まらなかった。4回までに8つの四死球。タイムリーを浴びたのは仕方ないにしても、6失点のうち3点は四球の走者の生還を許したもので、その点が悔やまれる。2回奥田に一塁強襲安打を浴びた後に連続四球、3回にも長谷に一発を浴びた後に連続四球を出すなど、失点後に四球を連発。いずれも得点は許さなかったものの守りの時間が長くなり、攻撃への集中力にも影響を与えた。 対して折尾愛真の新井は、早いテンポでストライク先行のピッチング。小柄な左腕だが低めに制球されたキレのある直球とカーブを武器に、1回の三者連続空振り三振を皮切りに、2回は4人、3・4回は3人ずつで仕留めた。 小倉西2番手・北野は粘り強く投げた。球威こそないものの直球とカーブを低めに集め、四球も一つだけ。毎回走者は許したが、リズムよく投げた。北野がマウンドに上がった5回以降、小倉西が3度も得点圏に走者を進めたのも偶然ではないだろう。2年生ということで新チームでの活躍に期待したい。 打者では折尾愛真の5番・長谷が3回に放った左翼への一発も目を引いたが、4回の右中間を破ったタイムリー二塁打もよく伸びた。引っ張るだけでなく逆方向にも大きな当たりが打てる好打者だ。 小倉西は3失策だったが、全体的によく守ったと思う。特に、3回二死二、三塁から新井の三遊間への深い当たりを一塁アウトにした梶原のプレーは素晴らしかった。この走者の出塁(すなわち三塁走者の生還)を許していれば、もっと早い回でのコールドゲームもあったかもしれない。強い打球への対処がもう少しできていれば、もう少し失点が抑えられたという印象だ。当たりがよかったためヒットと記録されたが、内野手のグラブのすぐ下を抜けていった打球が2本あった。 小倉西応援席はブラスバンド、チアリーダーを含め多くの生徒が応援に駆け付けていた。統制の取れた応援で試合を盛り上げ、試合後の撤収も先生の指示のもとで整然と行われるなど、印象に残る応援マナーであった。
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