2014年7月11日 真颯館4-3新宮②

観戦レポート/第96回全国高校野球選手権大会 2回戦 (2014年7月11日・日/北九州市民球場)
新宮・鴫山生還
新宮5回2死1,2塁。太田の左前打で鴫山生還し2点目

TEAM   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  R H E  
真颯館        
    
新 宮            
【真】岡ー京極(三)大山和(二)江頭
【新】崎村-井上男         

 真颯館の先発メンバーはライトの松下(3年)を除いて、すべて1年生。末次監督が各地をまわって目を付けた逸材揃いなのだろうが、さすがにまだ体の線が細い。試合前のノックも真颯館は緊張もあってか乱れが目立ち、当然と言えば当然なのだが、新宮の方が洗練された感じを受けた。選手たちの動きも全体的にぎこちない。もっとも無理もないだろう。数か月前までは中学生だったのだ。

 だが試合が始まると、先発メンバーのうち8人を3年生で固める新宮と互角にわたりあう。初回は運も味方につけた。簡単に二死となり、江頭がレフトに高いフライを上げてチェンジかと思われたが、右から左に流れる風にも乗ってレフトフェンスまで達し二塁打に。合屋の三ゴロは敵失を誘って命拾い。続くエースの岡が自らタイムリーを放って、あっという間に先制点をあげた。これで勢いに乗った。3回の大山和斗の右中間を破る三塁打、4番・合屋のレフトを襲う打球(前進捕球しようとしたレフトのグラブをかすめ後逸し二塁進塁)とも痛烈。岡も打撃センスを感じさせる中前安打。一瞬、1年生であることを忘れてしまうほど堂々たる攻撃で、目立たないが3つの送りバントもきっちりと決めた。
 マウンドに上がった左腕の岡は、キレのある直球にを軸に、カーブを交えてテンポよく投げ込む。5つの四球を与えたが安定感があり、大崩れすることもなかった。

 新宮も相手が1年生中心ということは知っていただろうし、負けられないという気持ちも強かったことだろう。その気負いがあったか、先発の崎村は序盤不運もあったが制球に苦しみ、球が真ん中に集まったところを痛打された。だが変化球が決まり出した4回以降は走者を許しながらも決定打を与えず、打線の援護を待った。その打線は4回に2安打、5回に3安打を集めて同点に追いついたが、いずれも見事なクリーンヒット。中盤以降は押し気味に試合を進めたが、7回一死二、三塁からの右飛~タッチアップが本塁寸前で阻まれ、勝ち越せなかったことが最後まで響いた。

 真颯館は中軸に力があることを示したが、7安打は2~5番で記録したもの。下位打線に当たりが出てくればさらに得点力は上がってくる。本当の勝負は一冬越して体が出来てきてからだろうが、今大会もどこまで通用するか注目したい。3回戦の相手は稲築志耕館だ。

新宮・崎村3
新宮・崎村投手
真颯館・岡
真颯館・岡投手

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