効率的な攻撃で序盤に得点を重ねて主導権を握った福大大濠が、中盤以降の福大若葉の反撃をしのぎ、逃げ切った。
1点を追う福大大濠は1回裏二死後、小峰がレフト右への二塁打、大隅四球で二死一、二塁。ボークで二、三塁としたあと西の左前打で2者を迎え入れ逆転した。2回は北島が遊ゴロ失で出塁。坂口の投前バントが野選となり、小林の投前バントは三塁封殺されたが坂崎四球で一死満塁。続く平岡が中前打を放ち2点を追加した。なおも一死一、二塁から小峰の右前打で1点を加え、大隅三振、西四球で二死満塁から南川が押し出し四球を選び、この回4点をあげた。

6-3で迎えた7回は先頭の大隅が右中間三塁打。西投ゴロ、南川三振で二死となったが、北嶋が投前セーフティバントを決めて大隅が生還。暴投で二進した北嶋も坂口の左前打で還り、リードを広げた。8回にも一死後、四球で出た坂崎が平岡の中越え三塁打で還り、小峰のスクイズで2点を追加して突き放した。
先手を取ったのは福大若葉。初回一死から中神死球、櫛島右前打で一死一、二塁。兒玉一ゴロで二封されたが、常住の遊内野安打で中神が生還した。5点を追う6回はこの回から登板した福大大濠の2番手・森永を攻め、櫛島のライト右への二塁打、兒玉の左前打で無死一、三塁とし、常住の中前打でまず1点。秋本四球で無死満塁から、村瀬の遊ゴロ併殺打の間に兒玉が還って3-6とした。
8回は櫛島右前打、兒玉四球、常住三振、秋本右前打で一死満塁から村瀬の中犠飛で櫛島が生還。なおも一死一、二塁から新冨の左前打で兒玉も還り、再び3点差と迫った。しかしその裏に2点を追加され、粘りも及ばなかった。
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| 第158回九州地区高校野球福岡大会 3回戦 (2026年3月26日・木/久留米市野球場) |
| チ 一二三四五六七八九 計HE 球犠振盗残 福大若葉 100002020 5112 41318 福大大濠 24000022x10100 64317 福大若葉 年 打安点 1 2 3 4 5 6 7 8 (中)尾 下③ 510 左飛 中安 左飛 三振 二ゴ (二)中 神② 400 死球 三振 右飛 三ゴ 右飛 (遊)櫛 島➁ 540 右安 右飛 右2 右安 遊安 (捕)兒 玉② 410 一ゴ 中飛 左安 四球 左飛 (指)常 住② 422 遊安 左飛 中安 三振 (一)秋 本③ 310 投ゴ 一ゴ 四球 右安 (左)村 瀬② 301 二飛 一邪 遊併 中ギ (右)新 冨③ 321 四球 中安 遊ゴ 左安 (三)森 島➁ 300 中飛 中飛 右飛 *打三 矢ケ部② 100 右飛 投手 回 安球振責 球数 川村③ 1.2 4412 49 浦野② 6.1 6224 96 ——————————————————————————————————- 福大大濠 年 打安点 1 2 3 4 5 6 7 8 (右)坂 崎② 300 二飛 四球 三振 一ゴ 四球 (三)平 岡③ 523 一ゴ 中安 投ゴ 中飛 中3 (二)小 峰③ 322 左2 右安 二ゴ 四球 ギ選 (捕)大 隅② 420 四球 三振 左飛 中3 右安 (一) 西 ② 412 左安 四球 中飛 投ゴ 投併 (指)南 川➂ 311 二ゴ 四球 右2 三振 (中)北 嶋③ 311 遊失中飛 三ギ 投安 (遊)坂 口➂ 311 ギ選 三失 投ゴ 左安 (左)小 林② 300 投ゴ 投ギ 一ゴ 一ゴ 投手 回 安球振責 球数 波多江③ 5 4211 77 森永 ② 0 3102 18 松田 ③ 4 4122 69 ——————————————————-———————————————— ▼試合時間/12:40~14:57 ※公式記録ではありません。学年は4月以降の学年 ※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ、打撃成績の下線は打点あり |
福大若葉の先発は背番号1の左腕川村。立ち上がり120キロ台なかば(この日最速129キロ)の直球が高めに浮き、ボールが先行する苦しい投球となった。1番2番はいずれもフルカウントの末に打ち取ったが、二死から小峰にレフト右に運ばれると四球、ボークで得点圏に走者を二人置いて西に左前打を浴びて早くも2失点。2回も失策、犠打野選、四球とノーヒットで満塁とされ、平岡に高め直球を中前にはじき返され2失点。小峰の適時打は右翼線に落ちる不運な一打だったが、最後は連続四球で降板。試合を落ち着かせることができないままマウンドを降りた。直球とカーブのコンビネーションが川村の持ち味だが、直球がこうも浮いてしまっては苦しい。
救援にあがった浦野は、長いリーチを生かした130キロ超の直球(同138キロ)にスライダーを交えて6回までゼロを並べた。昨夏1年生ながらベスト16進出に貢献した左腕らしく、堂々たる投球をみせた。ただ、7~8回は複数安打を浴びて4失点。この投手が夏に向けても軸になるが、トーナメントを勝ち上がるには計算できる投手があと1~2人は欲しいところ。昨年は井上という抑えの好投手がいたが、今年はどのような形で投手陣をつないでいくのか、構想が問われる。
福大大濠の先発は下手投げエースの波多江。110キロ台(同116キロ)の直球にスライダーで低めを丁寧つき、打たせて取る投球をみせた。秋からの課題は立ち上がりだが、この日も初回に死球と安打でピンチを招き、常住が叩きつけた高いバウンドの遊ゴロが内野安打となって1点を失った。ただ2回以降は走者を出しながらも要所を締め、5回1失点で降板。落ち着きと自信にあふれたマウンドだった。
6回からは2年生右腕の森永にスイッチ。130キロ超(同133キロ)の直球にスライダーを交える。登板直後に3連打を浴びて1点を失い、さらに四球を与えたところで降板した。球自体は悪くなかったが直球を狙われた。スライダーで確実にカウントがとれるようになると、投球にも余裕が生まれそう。
3点差で無死満塁と雲行きが怪しくなってきたが、ここで救援した松田が最少失点で切り抜けたのが大きかった。120キロ台後半(同134キロ)の直球に落差のあるスライダーを交え、四死球は1つだけと制球も安定。8回に3安打を浴びて2点を失ったが、大量リードにも守られて最後まで投げ切った。
打線は両校とも2桁安打を放つなど活発。福大大濠は1本欲しいところで確実に適時打が飛び出して序盤の大量リードにつながった。終盤は好投手の浦野からも4得点。7回二死三塁では北嶋が意表を突くセーフティバントを決め、8回は長打が飛び出した後にスクイズを決めるなど盤石の試合運びをみせた。
福大若葉は秋から選手・打順に手を加えスタメンに2年生を6人入れてきた。3番櫛島は4安打、このうち3本が右方向だったように左右に打ち分けができる好打者。ただ11安打に4四死球で5得点は、10安打10得点の福大大濠と比べると物足りなさが残った。無死一塁で送りバントを選択しないチームだが、走者を出してから得点にどうつなげていくのか、夏に向けた課題といえそうだ。
序盤の失点が多いのも気になるところ。昨秋の西日本短大附戦でも2回までに4失点。序盤にリードを許しても追い上げて際どい勝負に持ち込む同校の野球はスリリングだが、失点を減らすことは当然勝ちにつながりやすくなる。投手を中心とした守備の見直しも、上位を目指す上では不可欠だと感じた。
【直近の福大大濠戦 観戦記】
‣福大大濠4-0久留米商(2025年11月10日/第157回九州地区高校野球福岡大会 準決勝)
‣福大大濠8-1八女学院(2025年9月12日/第157回九州地区高校野球福岡大会 2回戦)
‣東筑紫学園6-3福大大濠(2025年7月20日/第107回全国高校野球選手権福岡大会 5回戦)
【直近の福大若葉戦 観戦記】
‣西短大附9-7福大若葉(2025年9月5日/第157回九州地区高校野球福岡大会 2回戦)
‣西短大附2-1福大若葉(2025年7月19日/第107回全国高校野球選手権福岡大会 5回戦)
‣福大若葉3-2香椎(2025年7月9日/第107回全国高校野球選手権福岡大会 2回戦)