【観戦記】福大大濠7-0久留米商(春季大会準決勝)




本塁打攻勢で一気に久留米商を突き放した福大大濠が、投げては先発の志村が3安打完封。8回コールドで快勝した。

福大大濠は2回、豊田が中前打で出ると暴投で二進し、東四球のあと鹿毛が送って一死二、三塁。平岡も四球を選んで満塁とし、志村が右越え本塁打を放って4点を先制した。

3回一死二塁、4回一死三塁の好機は逃したが、8回左前打で出た中川を豊田が送ったあと、東の左越え本塁打で2点を追加した。さらに代打南川がセンター前に落として出塁すると平岡が送って二死二塁とし、志村のレフト右への安打で生還、7点差とした。

2回表福大大濠一死満塁 志村が右越えに本塁打を放つ

久留米商は初回一死後、納村が右前打で出塁したが、岩丸の時に二盗を試みて失敗(三振併殺)。2回は一死から持地が遊内野安打で出塁したが後続が凡退。6回は先頭の津福が左前打で出たが納村が遊ゴロ併殺打に倒れるなど、福大大濠・志村の前に最後まで二塁を踏めず完封負けを喫した。

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第156回九州地区高校野球福岡大会 準決勝
(2025年4月4日・金/久留米市野球場)
チ    一二三四五六七八九 計HE
福大大濠 04000003  710
久留米商 00000000  030
(8回コールド)
 福大大濠 年 打安点  久留米商 年 打安点
(二)小 峰② 520 (中)津 福➂ 410
(右)先 村➂ 300 (遊)納 村② 410
(遊)菅 野➂ 400 (右)岩 丸 300
(中)中 川 420 (一)稲 用➂ 300

(一)豊 田➂ 210 (投)持 地➂ 310
(捕) 東 ➂ 312 (左)瀬戸島➂ 300
(左)鹿 毛➂ 200 (三)平 田② 100
打 南 川 110  打三 森山➂ 100
走  高 ➂ 000 (捕)加 藤② 100
左 北 嶋 000  打 松 下➂ 100
(三)平 岡② 210 (二)早 川➂ 200
(投)志 村➂ 325
球犠振盗残       球犠振盗残
35216       10605
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投 手 回 安球振責 投 手 回   安球振責
志村  8 3160 持地  8 10327
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▼試合時間/12:48~14:25
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ

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注目された両校の先発は、福大大濠が準々決勝の飯塚戦に続いてエース志村。今大会はエース持地以外の投手を多く起用してきた久留米商も、九州大会出場が懸かる大一番はエースに託した。

福大大濠・志村

志村は初回に納村にライト前に落とされ、2回は持地に遊内野安打を許したが、130キロ前後の直球(この日最速136キロ)にスライダ―を交え、しり上がりに調子を上げていった。直球はどちらかというと見せ球的に使い、投球の基軸になったのはスライダー。軌道としてはカーブのように緩やかに落ちてくるもの、鋭く落ちてくるもの、2種類あるように見えた。右打者を7人並べる久留米商打線は、膝元に落ちてくるこのスライダーを打ちあぐみ、3~5回まで出した走者は四球と打撃妨害による2人だけだった。

久留米商・持地

対して持地は130キロ超の直球(同138キロ)にスライダーを交えるが、立ち上がりから今一つピリッとしない内容。初回小峰に直球をセンター前に運ばれて背負った二死二塁のピンチはしのいだが、2回は豊田にスライダーを足元を抜かれ、東にはバントファールを2つ奪って追い込みながら歩かせて無死一、二塁。鹿毛が送ったあと、平岡にもストレートの四球。続く志村には初球の直球を狙われ、あっという間に4点を失った。

その後も3回は中川に高めの直球を一、二塁間に運ばれ、4回には平岡にやはり高く入った直球を右翼線に運ばれるなど、苦しい投球が続いた。ただ、ここを無得点でしのぐと徐々に立ち直り5回、6回は三者凡退。テンポよく抑えて味方の反撃を待つ。

持地の力投に応えたい打線は6回、津福がサードの右を痛烈に破って反撃の狼煙を上げる。ただ続く納村が6-4-3の併殺打。高いバウンドだったがショート菅野の捕球してからの二塁送球が早かった。流れを再び引き戻した福大大濠は8回、東の左越え本塁打など4安打を集中して3点を追加、試合を決めた。

8回表福大大濠一死二塁 東が左越え本塁打を放ち生還

福大大濠は好投手・持地から10安打。2本の本塁打で試合を決める形にはなったが、無死から出塁した走者は確実に送り、得点をうかがうというのが基本戦術。1番小峰は2安打でチャンスメイク、4番中川も先頭打者として2本の単打を放って攻撃の口火を切った。5つの送りバントを決めた一方、バントがファールとなって追い込まれ、やむを得ず強打に切り替える場面もあり、このあたりは今後の課題か。

志村は5回戦の東福岡戦に続く完封勝利。準々決勝の飯塚戦でも2点は失ったものの3安打に抑える投球を見せており、絶対的な安定感をみせている。夏の大会は西日本短大附が本命視されるが、左投手をやや苦手とする同校にとって大きな脅威になりそうな投手が出現した。

いいところなく敗れた久留米商だったが、ショート納村を中心に堅実なプレーが光った。乱打戦となった準々決勝の東筑紫学園戦でも無失策。派手さはないが、よく鍛えられていると思わせる動きをみせた。2017年夏以来となる県4強に顔を出し、古豪復活への期待が高まる久留米商。投打とも圧倒され、さらに上を目指すために必要なものを見せつけられた敗戦となった。

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