【観戦記】九州国際大付10-0大和青藍(選手権大会2回戦)

【観戦記】九州国際大付10-0大和青藍(選手権大会2回戦)

8安打に8四死球を絡めて10得点と効率のよい攻めを見せた九州国際大付が、5回コールド勝ちで快勝した。

九州国際大付は初回一死からの3者連続四球で一死満塁とすると、5番小田原が押し出し四球を選んでまず1点。さらに6番佐倉が左翼フェンス直撃の二塁打を放って走者を一掃。浅嶋一ゴロで二死三塁とし、8番池田がライト左を破る三塁打を放ってこの回5点を先制した。
2回も一死から尾崎が四球を選び、黒田のセンター右を破る二塁打で一死二、三塁。4番野田の中犠飛で尾崎が生還、なおも二死二塁から小田原のセンター左を破る二塁打で黒田も還り、7-0とリードを広げた。

4回は一死から、野田が三塁内野内野安打で出塁。小田原四球で一、二塁とし、佐倉の一塁線を破る二塁打で野田が生還。続く一死二、三塁から7番浅嶋の中犠飛で小田原が還って2点を加えた。5回は一死から1番中上が右前打。隠塚の三ゴロ(エンドランで走者二進)で二死二塁から、最後は黒田が右前打を放って試合を決めた。

大和青藍は初回先頭の花井が左前打。二死後に二盗を決め、4番坪井の左前打で二死一、三塁と先制機を迎えたが、小田が三ゴロ。3回も右前打で出た花井を三小田が送り一死二塁としたが、得点できなかった。5回は九州国際大付2番手の香西に対し、二死から三小田が四球を選び、平本もショート左への内野安打で続いたが坪井が三振。5安打を放ったが、本塁が遠かった。

▼2回戦(3日・北九州)
大和青藍 000 00=0
九国大付 520 21=10(5回コールド)
【大】十時【九】池田→香西

1回裏九国大付一死満塁 佐倉が左越えに走者一掃の二塁打を放つ

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大和青藍・十時

春夏連続出場を狙う九州国際大付の最初の挑戦者となった大和青藍は、エース・十時が先発。縦に落ちる緩いカーブを使って強力打線に挑んだが、立ち上がりの制球難に苦しんだ。先頭の中上は直球で詰まらせてニゴロに打ち取ったが、尾崎から4者連続四球。直球が高く浮き、球を制御できなかった。2回以降はストライゾーンに来るようにはなったが、どうしても球が高い。甘く入ったところを九州国際大付の打者に痛打された。

九州国際大付は労せず先制したことで初戦の重圧から解放されたか、各打者ともファーストストライクから果敢にスイングをかけていった。初回1点を先制した後、なおも満塁の場面。この日6番に入った佐倉がカーブを叩くと、強烈なスピンがかかった打球は左方向に流れていきながら左中間フェンスを直撃。佐倉は4回の第三打席でも一塁線を痛烈に破る二塁打を放ち、この日4打点と活躍した。4番よりもプレッシャーの少ない6番くらいの方が、伸び伸びとスイングできるのかもしれない。

九国大付・池田

3番黒田、5番小田原もセンターの左右に強烈な当たりを放ち、球場のどよめきを誘った。小田原はもともと長打力のある打者だったが、さらに凄味を増した印象で、黒田・野田・小田原と中軸の後に佐倉が座る新打線はさらに得点力を上げそうだ。

九州国際大付の先発は背番号11の2年生池田。今春の九州大会準々決勝・波佐見戦で完封勝利を収めた実績がある。直球にスライダー、チェンジアップを交えた投球で、3イニングスを投げて4安打1四球。失点こそなかったものの、毎回走者を背負う投球で評価は難しいところ。4回からはエース香西が登板。外角への直球はコース・高さとも申し分なく、そこを起点にボールを出し入れする技術はさすがのひと言。2イニングスを投げて4奪三振。四球と内野安打を許したが、大和青藍の打者を翻弄した。

九国大付・香西

大和青藍としては初回、いきなり2本のヒットが飛び出して流れを掴み掛けただけに、ここで先制点を奪っておきたかった。1番坪井は2安打に二盗を決めるなど活躍、4番坪井、7番倉石もクリーンヒットを放ったが、4回から登板した香西の前には自分たちのスイングをさせてもらえなかった。

エース十時は2回2点を失ってなおも二死二塁の場面で迎えた佐倉に対し、一球一球声を上げて気持ちの入った投球を見せた。追い込んでからの一球は死球となったが、佐倉は冷静に落ちたボールを拾って十時に戻し、十時も帽子をとって受け取った。勝敗とは関係なく、この試合で印象に残ったシーンの一つだった。

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