【観戦記】香椎4-0星琳(選手権大会4回戦)

【観戦記】香椎4-0星琳(選手権大会4回戦)

▼4回戦(17日・北九州市民)
星琳 000 000 000=0
香椎 000 040 00x=4
【星】上村【香】小中

5回裏香椎二死一、二塁、橋本が中前適時打を放つ

香椎・小中、星琳・上村の両投手による投手戦となったが、ワンチャンスを生かした香椎が競り合った。

4回まで上村の前に1安打に抑えられていた香椎は5回一死後、7番浦田が死球で出塁。高木が送った後、辛島が四球を選んで二死一、二塁とし、1番橋本の中前打で二塁から浦田が還って先制した。さらに山口死球で二死満塁とチャンスを広げると、3番吉村の左前打で2点を追加。岩隈死球で再び満塁から、続く5番増田も押し出しとなる死球を受けて山口が生還。この回4点を奪ってリードを広げた。
6回以降はいずれも三者凡退に終わり追加点は奪えなかったが、この4点を小中が守り切った。

星琳は初回、先頭の志自岐が四球で出たが、中野ニゴロ(二封)のあと後続も凡退。4回は中野が左前打で出ると宇土が送って一死二塁と先制のチャンスを迎えたが、4番伊牟田が投飛、5番上村も三振に倒れて得点できなかった。
7回には二死から6番小山が死球で出塁し、続く代打・柳元の右前打で三塁を狙ったがライトからの好返球に刺されタッチアウト。小中の前に4安打に終わり、三塁を踏めずに完封負けを喫した。

両投手の小気味の良い投球でテンポよくゲームも進み、試合時間1時間25分というスピーディな一戦だった。

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香椎・小中

香椎の小中はやや細身だが、長身から投げ下ろす130キロ前後(この日最速134キロ)の直球に、110キロ台後半のスライダーをリズムよく投げ込んできた。内角直球を見せながら、スライダーで内野ゴロを打たせ、遊ゴロ5つ、ニゴロ4つ、三ゴロ2つと全アウトの3分の1以上を占めた。奪った三振5つは、いずれも右打者の外に逃げるスライダー。先頭打者に四球を与えたものの、以降は無四球で制球を乱す場面もなかった。

一方の星琳・上村は右のアンダーハンドながら常時130キロ以上(この日最速132キロ)を計測する力強い直球が持ち味で、これにコーナーいっぱいに決まるスライダ―を絡め、早いテンポでポンポンと投げ込んできた。4回まで1安打1四球と小中にひけをとらない内容で、得点を与えなかった。

この試合で唯一動いたのが5回裏。香椎は上村から四死球で二死一、二塁とチャンスをつくると、1番橋本が追い込まれながらも131キロの直球を叩くと打球はセカンド左へ。星琳のセカンド久保田が懸命に飛びつくがわずかに及ばず、センター前に抜ける先制打となった。上村としてはここで切っておきたかったが、続く2番山口に死球で再び満塁と自らピンチを招いてしまう。吉村はワンボールからストライクを取りに来た直球を逆らわずに左中間にはじき返して、これが2点タイムリーに。ここぞという場面で集中力を高めた橋本、吉村が試合を決めた。

星琳・上村

上村はこの回だけで4つの死球。タイムリーを浴びて内角をさらに厳しく突こうとした結果か、わずかな制球に狂いが生じた。6回以降は一人の走者も許さなかっただけに、悔やまれる5回の投球となった。8回3安打に抑えながら打線の援護がなく敗れたが、テンポのよい投球をもう少し見てみたいと思わせる投球だった。

守りは両校とも無失策。3回は香椎・辛島の投手前へのセーフティバントを上村が素早く処理して出塁を許さず、5回には星琳・太田の絶妙の三塁前セーフティバントを、香椎のサード増田が流れるような動きでさばき一塁アウト。7回は二死一塁からの右前打で三塁を狙った小山をライトの辛島が好返球で刺し、緊張感ある試合を演出した。

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