2010年の西日本短大附以来、夏の甲子園から遠ざかっている南部勢ですが、来年夏は「南福岡」としての出場枠が確保されています。ただ、昨年の福岡大大濠のような抜きん出たチームは見当たらず混戦模様です。
秋季大会では、北部が東筑・石田、小倉・河浦など好投手を擁するチームが上位に進出したのに対し、南部勢は筑陽学園、東福岡といった打力のあるチームが上位に顔を出しました。現段階ではこの2校が頭一つリードしており、福工大城東、春日、九産大九州、福岡大大濠、久留米商、大牟田などが一団となって追っている状況。どこが夏を制してもおかしくないほど、実力が拮抗しています。
◆筑陽学園(新人大会=福岡地区ベスト8/秋季大会=準優勝)
観戦した4試合(2回戦、準々決勝、準決勝、決勝)で16打数9安打だった野田優人内野手(1年=右)のほか、石橋選手、後藤礼央外野手(2年=左)が打率4割超え。中村航晟内野手(2年=左)も好調で、いずれの選手も本塁打を放っており、どこからでも一発が飛び出します。打線に切れ目がなく、その破壊力は県内でも屈指と言えるでしょう。夏にベスト8に勝ち上がった前チームでレギュラーだった選手がいない中での準優勝ということで、選手層の厚さを感じます。
打力があるチームだけに、夏からマウンドを踏んでいる右腕の西雄大投手(1年)も含めた投手陣の踏ん張りが、大きなカギとなってきそうです。
◆東福岡(新人大会=福岡地区ベスト4/秋季大会=ベスト4)
ここ数年の東福岡は、堅実な守備と機動力を使ったスキのない攻撃で競り勝つイメージが強かったのですが、今年のチームは打線に迫力があります。秋季大会では準決勝までの6試合で53得点と、得点では筑陽学園を上回ります。大牟田や福岡第一、九州国際大付、筑陽学園などの強豪私立との対戦も含まれるだけに、その価値も大きなものがあります。