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試合前のノックについて考える

 今日は台風の影響が予想されるということで昨日の時点で中止が決まっていましたが、実はやれそうでしたかね(笑)。台風に振り回されたここ数日でしたが、明日から一気に夏模様になるのではないでしょうか。さて今日は、試合前に行われるノックについて考えてみたいと思います。

 試合前に行われるノックは7分間。短い時間で体を慣らし、球場の雰囲気やグランドの癖などを掴む最後の貴重な機会です。オーソドックスなパターンとしては、内野ボール回しのあと、まずはサード、ショート、セカンド、ファーストに順番に打ち、捕ったら一塁へ送球。これを2巡。次にダブルプレーを同じく2巡。キャッチャーはバント処理もしくは投球を受けての二塁送球など。そのあと外野ノックに入り(それまでは別のノッカーが外野を一か所に集めてノックしていることも)、レフトからセンター、ライトに2本ずつノックし、捕球後は二塁と三塁へ返球。3本目は浅いゴロを捕って本塁送球、これで外野は戻ってくる。最後に前進守備の内野陣にノックしてバックホーム、これを2巡して終了、という感じでしょうか。短時間でできるだけ多くの選手に打球処理機会を持たせる効率的なやり方だと思いますが、一方で次に自分のところに打球が来ることがあらかじめ分かっているので、形だけのものになりやすいというデメリットもあります。

 たまたま先日の日曜日、北九州市民球場の第二試合(若松ー戸畑工)を前に若松のノックを見ていましたが、同校は実戦形式のノックでした。すなわちピッチャーが投球動作をするとノッカーはランダムに打つ。例えば三遊間に打球が飛ぶと、サードとショートは野手は実戦さながらの動きで打球を追い(場合によっては飛びつくことも)、打球が抜けるとレフトが前進して捕球しバックホーム。当然、三塁手はカットに入っており、ピッチャーはホームのバックアップに入る、という具合です。このやり方だと各野手がボールに触れる機会は1,2回になりますが、次にどこに来るか分からないため集中力が研ぎ澄まされます。また、打球が自分の方向へ来たのを確認してから動き出しますので、実戦に近い形で体の反応を慣らすことができます。私の知る限りでは、香椎のほか、数校がこの手法をとっていたと記憶しています。

 もちろんどちらがよい、という話ではないのですが、個人的には後者の方が試合前に行われるノックとしては理に適っている感じがします。1試合で打球をさばく機会はせいぜい数回程度でしょう。そのわずかな守備機会を、いかに確実にこなせるかが勝負です。そのためには試合前のノックも各選手が1球ずつ高い集中力をもってさばければ、それで十分のような気がします。

 ちなみにこの日は雨の中で若松が泥だらけになってノックを終えた後、本格的に雨が降り出して試合は順延となってしまい、その成果を確認することはできませんでした。その後、若松は8日の試合に登場、0-1で戸畑工に敗れてしまいましたが、若松のエラー数を確認すると…ゼロでした。対戦相手の戸畑工も無失策でしたので偶然なのかもしれませんが、しばらくこのノック手法とその成果を観察したいと思います。

 

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