第107回全国高校野球選手権福岡大会は西日本短大附が2年連続8度目の優勝を飾り、幕を閉じました。今大会の軌跡をデータなどをまじえながら振り返ってみたいと思います。
北部九州総体が行われた関係で例年より一週間早く開幕した昨年から、7月の第1土曜日に戻された今年の開幕。久留米市野球場で行われた開会式は「参加は希望性」「入場行進なし」という昨年と同じ形式でしたが、参加校は昨年の81校から103校に大きく増えました。式は三池工・安武仁主将による選手宣誓など30分程度で終了しました。
今年からシード8校は3回戦からの登場となりました。優勝までに必要な試合数は6試合に減る一方で、初戦はすでに1試合戦ってきた相手と戦うことになりシード校の監督からは「初戦の入り方が難しい」という声も聞かれました。その影響もあったか育徳館が初戦で敗退。また東筑、東海大福岡、折尾愛真も1回戦から勝ち上がって勢いに乗るノーシード校に4回戦で敗れました。
昨年はベスト8のうち7校を占めたシード校も、今年は5校にとどまりました。初のベスト8入りを果たした福島のほか、福岡工、北筑がノーシードから準々決勝に進出しました。シード校のなかでは八女学院も初の8強入り。2021年春から硬式部に転向した同校も新たな歴史を刻みました。
開幕前に梅雨が明けたことも今年の特徴でした。昨年は46試合あった雨天順延が、今年は7試合のみ。実施率は90%を超え、北福岡・南福岡に分かれて開催され大会期間の短かった2018年を除くと、過去10年でもっとも高い数字でした。ただ猛暑の中で試合が続いたことで、最後は各校とも主戦投手が打ち込まれて敗れるシーンが目立ちました。
そうしたなかで3季連続出場を目指した西日本短大附は順調に勝ち上がりました。唯一接戦となったのが5回戦の福大若葉戦でしたが、実質この試合が初登板となったエース中野投手がリードを守り切りました。試合減の恩恵を最大限に活用できたのが同校で中野、原投手が3試合ずつ先発して完投(4回戦のみ中野投手が最終回に登板)。決勝で先発した中野投手は中4日空けての登板。万全の状態で九州国際大付を1点に抑えて完投しました。
低反発バットの影響低減?
「打高投低」に回帰
「低反発バット」が導入されて2年目を迎えました。昨年はベスト16のチーム平均打率は.287で、その前年の.321から大きく下がったほか、1試合あたりの得点(6.17点→5.65点)や長打(2.27本→1.85本)も下がり、低反発バット導入の影響が垣間見えました。
ところが今年はチーム平均打率は.301と3割に復帰し、1試合当たりの長打数も2.23で一昨年並みに戻っています。逆に防御率は前年の1.88から2.38に下がっており、「打高投低」への回帰がみられました。低反発バットへの順応が進んだことや、酷暑による投手の疲労蓄積など推測されます。
ベスト8のチーム成績(表2)を見ると西日本短大附の充実ぶりがうかがえます。攻撃部門では盗塁以外の数字が平均以上を記録。投手・守備部門では全3部門においてトップの数字を残しています。九州国際大付は投手・守備部門の数字の高さが目につき、福岡工や東福岡、八女学院は攻撃部門の数字が高くなっています。
1試合あたりの長打数では西日本短大附が3.67本でトップ。チーム平均打率も八女学院に次ぐ.337で、今年も打力の高さを示しました。一方でチーム防御率の0.72も他校を大きく引き離して断トツの数字。1試合当たりの失策数も0.5と守りも堅く、総合力で抜けた存在だったことがデータからも見て取れます。
