◇柳川10-3春日(選手権大会2回戦)
柳川が8回に6安打を集中させて一挙8点を奪い逆転、一気に勝負を決めた。
▼2回戦(6日・小郡)〔試合記録〕
柳川 000 020 08=10
春日 010 001 10=3
(8回コールド)
【柳】松尾→轟
【春】清水→久保田→前田→清水→森崎
1点を先制された柳川は5回、8番古賀(立)が四球を選び長沢の送りバントと、穴井の左前打で一死一、三塁。田中(陽)は捕邪飛に倒れたが、梅田死球で満塁とし、4番森屋の左前打で2者を迎え入れて逆転した。
再び勝ち越され2-3で迎えた8回は四球で出た5番古賀(摩)を中鶴が送って一死二塁。代打野村の左前打で一、三塁とし、代打永田の中前打で追いついた。なおも一死一、二塁で登板した春日3番手・前田から長沢が三塁前セーフティバントを決めて一死満塁。穴井の中前打で勝ち越すと、田中陽が押し出し四球を選び5-3。さらに代わった清水から梅田も押し出し四球。4番森屋も春日5番手の森崎から遊内野安打を放ち7-3。古賀摩の右犠飛で1点を加えると、二死二、三塁から中鶴の右前打で2者が還り、10-3とリードを広げた。

先制したのは春日。2回、四球で出た5番五十嵐を西木が送り、7番梶原の左前打で五十嵐が生還した。1点を追う6回は四球で出た五十嵐を西木が送り、梶原が今度は中前に適時打を放って追いついた。7回は1番田口が左前打。福田が送ったあと久保田は一飛に倒れたが、代打藤崎が四球を選んで二死一、二塁とし、五十嵐の右前打で田口が勝ち越しのホームを踏んだ。
しかし踏ん張っていた投手陣が8回に崩れて大量失点を喫し、接戦から一転、コールド負けで涙をのんだ。
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イニングスコアが示す通り流れが両校の間を行き来し、勝負の行方が見えない展開が続く中でカギとなったのは「先頭打者への四球」だった。春日が先制した2回、同点に追いついた6回は、いずれも先頭の五十嵐が四球を選んだのが発端で、5回に柳川が逆転したのも古賀(立)が選んだ四球から。そして8回の柳川の怒涛の攻撃もやはり先頭打者への四球から始まった。
直前の7回裏に春日が勝ち越し、残すは2回。6回途中から登板していた2年生右腕の久保田に多少の力みが生じたとしても無理はない。フルカウントから先頭の古賀(摩)が四球を選び、中鶴が送って一死二塁。ここで柳川ベンチはエース松尾に代え、左の野村を代打に送りこんできた。
野村は追い込まれながら外角高めの球をうまく三遊間に合わせ、これで一、三塁。さらに8番の古賀(立)にも代打松田を投入。松田は厳しく内角を攻められて追い込まれたが、1-2からの4球目の直球を振り負けずセンター左に運んで同点。ここで春日は2年生右腕の前田を登板させたが、その初球を長沢が三塁前に狙いすましたセーフティバントを決めて満塁とし、1番穴井につなぐ。穴井は1-0からストライクをとりにきた直球を右前にはじき返して勝ち越すと、田中(陽)は押し出し四球で5-3。流れは完全に柳川に傾いた。
もう1点もやれない春日ベンチはレフトにまわっていた先発の清水を再登板させたが、梅田が粘って押し出し四球を選び6-3。続く森屋に3-0となったところで5番手・森崎がマウンドに上がったが、柳川打線の勢いは止まらず、さらに4点を追加して勝負を決めた。
柳川の先発松尾も苦しい投球が続いた。直球をテンポよく投げ込んできたが、高く浮く球が目立ち7回まで6四球を与え、4回を除いて毎回のように走者を得点圏に背負った。それでも力のある高めの直球、さらに中盤からは左打者の内角低めに落ちるスライダーで三振を奪うなど最少失点で踏ん張った。5回は二死満塁で4番横山、カウント3-0と追い込まれたが、そこから2つストライクを取ると、最後は三塁側フェンス間際の小飛球をサード田中(陽)がギリギリまで追ってスライディングキャッチ、松尾を救った。
春日の先発清水も力のある直球にチェンジアップを交え、初回は3人で退ける上々の立ち上がり。ただ、柳川打線は少しでも甘く入ると逃さなかった。2回以降は毎回のように走者を得点圏に進めてプレッシャーをかけると、5回は四球からつかんだ二死満塁の好機に、4番森屋が左前に運んで逆転。6回も先頭の中鶴がチェンジアップを三遊間に運んだところで、春日ベンチは2番手の久保田にスイッチした。清水は2失点だったが柳川打線が捕らえ始めていたことを考えると、交代は妥当な判断に映った。
久保田は力のある直球で厳しく内角を突いてピンチをしのぐと7回も中軸を抑えて無得点に抑え、味方の逆転を呼び込んだ。しかし直後の8回に四球からピンチを迎え、野村、永田の左の代打陣に連打を浴びて降板。永田に許した同点打もやや中に入ったが決して悪い球ではなく、力負けしなかった永田を褒めるべきだろう。
柳川打線の14安打はいずれも短打。大振りせずにコンパクトに打ち返し、追い込まれてからもファールで粘るなど簡単にアウトにならないしぶとさがある。春日打線も走者を確実に得点圏に送り、梶原・五十嵐がタイムリーを放つなどコツコツと得点を重ねた。
最後は大差がついてしまったが投打とも互角、似たようなチームカラーの両校ががっぷり四つに組んだ中盤までの接戦は、見ごたえ十分であった。