【観戦記】春日9-7真颯館(選手権大会4回戦)




【観戦記】春日9-7真颯館(選手権大会4回戦)

目まぐるしく投手が交代する中で激しい点の取り合いとなり、両校であわせて30人が出場した総力戦は春日に軍配があがった。

▼4回戦(15日・北九州市民)
真颯館 100 030 300=7
春 日 050 013 00x=9

【真】古庄→春崎→松平→浦→福島
【春】清水→熊本→森崎→久保田→平林→前田
〈本〉神保(真)

2回裏春日一死満塁 平林の右前打で坂本が生還し逆転

1点を先制された春日は2回一死後、7番森が遊ゴロ失で出ると、坂本左前打、熊本も左前打で一死満塁。ここで登板した真颯館の2番手春崎から福田が四球を選んで追いつくと、2番平林の右前打で逆転。なおも満塁から林死球、山下四球で2点を加え、浜田が6-4-3の併殺崩れの間に平林が生還、この回5点を奪ってリードを広げた。1点差に迫られた5回裏は、左前打で出た5番浜田を梶原が送り、打者森の初球、捕手がボールをこぼした隙に浜田が三塁を狙い、これを刺そうとした捕手の三塁送球が逸れる間に一気に生還した。

6回は1番福田が左前打、続く平林もショートへの内野安打で出ると林が送って一死二、三塁。4番山下の当たりは前進守備のショート正面に飛んだが、本塁封殺を狙った送球が逸れる間に二人がホームイン。なおも一死二塁から浜田一ゴロで二死三塁とし、梶原が投手を強襲する安打を放って山下も生還。この回3点を加えて5点差とし、このリードを6人の継投で守り切った。

先手を取ったのは真颯館。初回二死後、山下がセンター右を破る二塁打を放つと、続く佐藤の右前打で1点を先制した。4点を追う5回は一死から1番田中が四球を選ぶと、続く山田の時にヒットエンド・ラン、これが右中間への三塁打となってまず1点。なおも一死三塁から山下の右前打で山田も生還した。さらに佐藤も左前打で続くと、ここで登板した春日の3番手森崎から伊藤が死球を受けて二死満塁とし、代わった久保田から神保も押し出し四球を選んで1点差に迫った。

4-9で迎えた7回は一死から4番佐藤が三塁線を破る二塁打で出塁。伊藤も左前打で続き無死一、三塁とすると、ここで登板した春日の5番手平林から6番神保が左翼席に3点本塁打を放って2点差とした。8回も9番の代打稲垣が左越え二塁打で出たが、ここで登板した前田の前に後続が凡退。9回も3人で抑えられ追撃を封じられた。

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春日先発の清水

春日の先発は故障から復帰した左腕エース飯田ではなく、背番号13の右腕清水(2年)。シード校相手のエース温存は、思い切った采配だと感じた。清水は120キロ台の直球にカーブを交えての投球を見せたが、初回に山下、佐藤の長短打で早くも先制を許す。2回先頭の神保にセカンド後方に落とされ、犠打で一死二塁となったところで、早くも2番手の熊本(3年)がマウンドへ。熊本は春の大会で飯田に代わって背番号1を背負った右腕。130キロ台の直球(この日最速136キロ)に縦に落ちてくる変化球、100キロ台のチェンジアップをまじえてこのピンチをしのぐ。

春日・熊本

春日はその裏に5点を奪って逆転。熊本は3回、4回と無失点で切り抜けていくが、春日ブルペンは常に誰かが肩を作っていて慌ただしい。ただ、そこに長身左腕の姿はない。攻撃前の円陣を見ても背番号1は小柄な選手。故障の再発も頭をかすめたが、西日本スポーツの記事によると飯田は発熱でベンチを外れていたという。エース不在の春日としては、ある程度の失点を覚悟しながら継投でしのぎ、打ち勝つしか勝利の道はなかった。

そしてそのベンチの期待に打線が12安打を放って応えた。2回は一死から遊ゴロ失をきっかけに連打で満塁とすると、ここで登板した春崎から福田がフルカウントからファールで粘り、押し出し四球を選んで同点。平林の右前打で勝ち越すと、連続四死球で2点が転がり込み、浜田の併殺崩れの間にさらに1点。5回は左前打の浜田が犠打で二塁に進むと、捕逸と捕手の三塁悪送球で労せず1点。6回は連打に敵失がからんで3点を加えるなど、相手のミスにも付け込んで大量点をあげた。

春日・前田

守りでは6人の投手をつぎ込んで防戦。熊本が5回に3連打で2点差とされると躊躇なく交代を決断、この日限定の「背番号1」をつけた小柄な右腕森崎が救援に立つ。死球を与え次打者にも1ボールとなると、間髪いれず1年生右腕の久保田を投入。押し出しで1点差とされるが後続を断つ。

7回に久保田が中軸に連打を浴びるとセカンドの平林をマウンドへ送るが、神保に一発を浴びて2点差となり、8回先頭の稲垣が二塁打で出ると俄然勝負の行方が分からなくなった。春日ベンチはここで6番手として右腕の前田(1年)を送り込む。120キロ台の直球にスライダーでのぞんだ前田はこのピンチを無失点で切り抜けると、9回は三者凡退。見事な火消しを務め、エース不在のチームを勝利に導いた。

真颯館先発の古庄

真颯館は投手陣が春日打線を抑えられず、守りでも痛いミスが出て、やらずもがなの失点を重ねた。先発はエースナンバーを付けた古庄(3年)。初回二死一、二塁のピンチは切り抜けたが、2回は味方の失策のあと連打を浴びて早くもここで降板。過去2試合で好リリーフを見せている春崎にスイッチした。しかし春崎は登板直後に押し出し四球を出すと、そこからタイムリー、死球、四球、内野ゴロで5失点。真颯館にとってはこの春崎の乱調が誤算だった。

春崎は5回6回もヒットを許し、得点圏に走者を進められた後に守備が乱れて失点を重ねた。7回は浦(2年・左)、8回は福島(3年・右)を投入。福島は気合十分の投球で二死一、二塁のピンチをしのぎ、味方打線の奮起を促したが実らなかった。

真颯館・福島

真颯館打線も春日の繰り出す5投手から11安打を放ち7得点。神保の本塁打を含む5本の二塁打を放って応戦したが、8回から登板した前田からは6人が完璧に抑えられ、あとひと押しができなかった。昨夏準優勝メンバーのほとんどが抜けながら、春は8強まで勝ち上がって夏のシード権を獲得。選手たちの潜在力の高さを示した。一発を放った神宮など、この日先発出場の4人が2年生。投手陣もこの日登板した左腕の浦、右サイドハンドの松平が残り、秋への期待が高まる。

春日はこれで3試合連続の2桁安打。この日放った12安打の全てが短打で、派手さはないが力強い打撃を見せる。エース抜きで春8強のシード校を下し、次は昨秋準優勝の福岡第一。久保・前田・川波とスキのない継投を見せる投手陣を、好調な打線がどう攻略していくか注目される。

 

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