まず今年の特徴としては「打高投低」が挙げられます。県大会15試合を見ると「総得点」は昨年が93、今年が170。昨年は「投高打低」だった年だったこともあり、ほぼ倍増となっています。県大会前にも触れましたが、16強のうちチーム打率3割以上が昨年9校→今年13校、4割以上は昨年0→今年3校。2本以上の本塁打を記録しているチームも昨年2校→今年7校。県大会だけでなく、北部・南部大会から「打高」の傾向がみられました。
この傾向に飲み込まれる形で、前評判の高かった好投手が次々と南北大会で姿を消していきました。福岡大大濠・濱地投手は不運なヒットもありま
こうしてみてくると、秋や春に好投した投手も、その調子や体調を夏まで維持・発展させることがいかに難しいかがわかります。優勝した九州国際大付も西日本短大付戦、自由ケ丘戦など打線が主役でしたし、ベスト4の真颯館や福岡第一、ベスト8の星琳や祐誠も強打
九州国際大付は春までの戦いぶりを見た限りでは、高い評価はできませんでした。秋春とも5回戦で敗退。投手陣はエース・藤本投手の調子が上向いてこず、打線も機動力はありましたが迫力という点で物足りませんでした。ところが、夏を迎えると打線に見違えるほど迫力が出てきました。春先までは自由ケ丘の各打者の打球の鋭さが目を引きましたが、同校に勝るとも劣らない打球の速さで、両校が対戦した準々決勝の打ち合いは壮絶でした。また9回に6点差を追いつかれた準々決勝、怒涛の猛追を受けた決勝と、厳しい状況の中でもしっかり守ることができるのも大きな強みでした。