福岡の高校野球

【観戦記】福岡工11ー4福島(選手権福岡大会準々決勝)

3回までに11安打で10得点をあげた福岡工が3投手の継投で福島の追撃を退けて準決勝に進出した。

▼準々決勝(22日・久留米)⇒試合記録
福岡工 163 000 001 =11
福 島 010 102 000
=4
【工】拜生→松岡→松尾
【島】古賀(春)→佐藤→古賀(春)→中島→濵

福岡工は初回、川﨑が左越え二塁打。一死後、松尾の左越え二塁打で先制した。2回は7番稗田が右前打、拜生四球のあと馬場が送って一死二、三塁とし川崎がレフト右を破る二塁打で2点を追加(川﨑も返球乱れる間に三進)。西嶋のセーフティスクイズが内野安打となる間に川崎も生還した。さらに西嶋が二盗、暴投で三進し、松尾四球で一死一、三塁から赤川の右前打で4点目。井田二飛、前田死球で二死満塁となったあと稗田、拜生が押し出し四球を選び、この回6点を奪った。

2回表福岡工一死二、三塁 川﨑が左中間二塁打を放つ

3回はレフト左への二塁打を放った川﨑を西嶋が送り、松尾の一塁強襲安打でまず1点。赤川も右前打で続き一死一、三塁から赤川が二盗を決めたあと、井田の右前打で松尾を迎え入れた。さらに前田四球で一死満塁から稗田の右犠飛で赤川も還り、10-1とリードを広げた。その後は福島・中島から追加点が奪えなかったが9回一死から赤川四球、井田が三塁前セーフティバントを決め、前田死球で一死満塁。小金丸の遊ゴロ併殺崩れの間に赤川が還り、ダメ押しの1点をあげた。

福島は2回一死後、6番楠本が右越え二塁打。神代の右前打で一、三塁とし、佐藤の左犠飛で1点を返した。4回は4番牛島が右翼線へのヒットにライトの失策がからんで二進。さらに投手の二塁けん制が乱れる間に三進し、古賀(春)の遊ゴロの間に生還した。

6回には四球で出た牛島を一塁に置いて古賀(春)がライト左を破る三塁打を放って1点を追加すると二死後、佐藤が四球を選んだあと、代打・古賀(大)がセンター右へ二塁打を放って古賀(春)も還り、6点差まで追い上げた。しかし序盤の失点が大きく8回からはエース松尾に無安打に抑えられ、力尽きた。

6回裏福島無死一塁 古賀(春)が右中間に適時三塁打を放つ

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福島は頼みのエース古賀(春)が2回途中で早々とノックアウトされ、序盤で試合の大勢が決まってしまった。

福島・古賀

5回戦までに510球を投げている古賀は立ち上がり長打2本で先制されると、2回は四球を挟む4連打で4失点。押し出し四球を与えて5点目が入ったところで降板した。セカンドの佐藤が救援のマウンドに立ったがさらに押し出し四球で1点を献上すると、3回は犠打を挟む4連打を浴びて降板。3回を終えて10-1となり、早い回でのコールド決着もありそうな展開となった。

福島・中島

ただ、4回からサードから登板した中島が100キロ台のスライダーをうまく使いながら4回以降、走者を出しながらもゼロで抑えていく。打線も6回に古賀(春)の右中間三塁打、さらに代打の古賀(大)が右翼ポール際への大きなファールのあと左中間二塁打を放って2点をあげ、スタンドをざわつかせる。点差はまだ6点あったが福岡工ベンチは先発の拜生をあきらめ、松岡を投入して流れを変えにかかる。松岡は130キロ超える(この日最速133キロ)に落差あるスライダーを交える大型右腕だ。

福岡工・拜生

それでも福島は7回、先頭の松野がレフト線にはじき返す二塁打で出ると、中島の一塁側へのボテボテの投ゴロを松岡がこぼしてしまい無死一、三塁。この試合、いちばんの盛り上がりのなかで、4番牛島が打席に入った。その一打はレフトへの浅いフライ。タッチアップは難しいかと思われたが松野は敢然とスタートを切る。ただ、レフトに入っていたのはエース松尾。強肩にものをいわせて本塁で松野を刺し、これで福島の勢いが止まってしまった。

福岡工・松尾

福岡工は8回から万全を期してその松尾をマウンドに送り込む。松尾は力のある直球(同137キロ)にスライダーを交え、四球の走者を一人出したが福島に反撃の機会を与えずに試合を締めた。

福岡工は16安打。1番川﨑は二塁打3本を含む5安打を放ち、攻撃の起点となった。1~5番で13安打7打点を記録するなど、上位打線が猛威を振るった。ただ、欲を言えば5回、それが難しくとも7回で終わらせたかった試合。福島の投打にわたる粘りはあったが、酷暑のなかでエース松尾まで登板させることになってしまった。

創部以来初のベスト8入りを果たした福島は選手層の薄さもあり、刀折れ矢尽きての敗戦となった。大差がついても諦めることなくヒットを重ね、コールドを阻止したばかりかスタンドを沸かせる反撃を見せたのは見事の一言。ここまでの試合すべて3年生10人で戦ってきたが、終盤にはベンチの3年生も初めてグラウンドに立った。8回代打で角が打席へ立ち、その角に代わって田島が9回表センターの守備に就いた。控え投手の濵は9回一死満塁のピンチでマウンドへ。併殺崩れで1点は許したが内野ゴロ2つで最後の守りを締めくくった。

試合終了後、スタンドへの挨拶を終えてベンチに戻る福島の幾竹監督(中央)と選手たち

普通の高校生たちが最後まで見せた全力プレー。試合終了後は涙もあったが、多くの選手が晴れやかな表情をしていたのが印象的だった。

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