福岡の高校野球

【観戦記】八女学院4-0九産大九州(選手権福岡大会5回戦)

序盤のリードを先発石飛の力投で守り切った八女学院が、初のベスト8進出を果たした。

▼5回戦(20日・久留米)⇒試合記録
八女学院  030 000 100 =4
九産大九州 000 000 000
=0
【八】石飛→平井【九】阿部→中原→平

八女学院は2回一死後、6番内倉が四球で出ると下川の右越え二塁打、梅野四球で一死満塁とし、出田の左前適時打で2者が生還した(出田も送球間に二進)。なおも一死二、三塁から桐明の右犠飛で梅野が還り、この回3点を先制した。その後は追加点を奪えなかったが7回、2番吉田が左越え二塁打で出塁し、大渕の投前バントが一塁悪送球を誘い4-0とリードを広げた。

2回表八女学院一死二、三塁 桐明が右犠飛を放つ

九産大九州は初回二死一、三塁、2回無死二塁、3回一死二塁と序盤好機を迎えながら得点できなかった。7回も4番吉次四球、三笘左前打で無死一、二塁としながら代打松本(凛)が三振、石川が遊ゴロ併殺打に倒れて無得点。8回、9回も二死一、二塁としたが後続が凡退するなど、散発3安打に抑えられて完封負けを喫した。

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4回戦で春の優勝校・東筑を破った九産大九州だけに、その戦いぶりが注目された。

九産大九州・阿部

先発は右サイドハンドの阿部。3回戦の福岡講倫館でも先発し3回を投げて3失点。そのとき以来の登板となった。120キロ台後半(この日最速129キロ)の直球にスライダーを交え、初回は内野安打の走者を一人出したが無難な立ち上がり。ただ2回は簡単に一死をとったあと、内倉を歩かせてしまう。下川にはスライダーを右越えに運ばれると、梅野にはストレートの四球を与えて一死満塁。続く出田にも3-1とカウントを悪くし、ストライクととりにいった球を三遊間に運ばれる。桐明にも右犠飛を許して3点目を失い、この回で降板した。

八女学院・石飛

八女学院はエース石飛が先発。1年夏から公式戦のマウンドを踏んできた実績十分の左腕だ。テイクバックをあまりとらないコンパクトなフォームから120キロ台後半(同133キロ)にスライダー、カーブを交える。初回・2回と得点圏に走者を背負ったが、後続をいずれもスライダーで三振に仕留めた。その後も走者を出しながら要所ではスライダーを低めに集め、6回まで被安打2、与四死球3という内容でゼロを並べた。

ところが7回、先頭打者に2球目を投げ終えたところで足がつるアクシデントに見舞われる。その場で足を伸ばし、水分を補給して続投したが吉次を歩かせ、三笘に左前打を浴びて無死一、二塁。それでも代打の松本(凛)をスライダー3つで三球三振、石川にも低めのスライダーを打たせて遊ゴロ併殺打に打ち取ってピンチを逃れる。

八女学院・平井

試練は続く。8回二死後、平川に四球を出した時に再び足がつり、投げ終えると同時にその場で倒れ込んでしまった。背負われてベンチに下がり治療を受ける。背番号10の平井がキャッチボールを続け登板に備えていたが数分後、石飛はスタンドから大きな拍手を受けてマウンドへ戻ってきた。松本(絢)にストレートの四球を与えて続投が危惧されたが、続く堀越を三球三振。9回も二つの四球を出したが、最後は平井が締めた。終わってみれば打たれたヒットは3本だけ。アクシデントがなければ、危なげなく完封していたと思わせる内容だった。

打線は11安打。1年生出田は先制の2点適時打を含む3安打の活躍。もう一人の1年生である吉田も7回に追加点のきっかけとなる左越え二塁打を放つなど、上位を中心によく振れていた。ただ、5回二死満塁、7回に1点をとったあとの無死満塁、8回一死三塁など、一気に勝負をつける機会を得ながら生かせなかった点が課題として残った。

九産大九州・中原

九産大九州は3回から中原が登板。東筑戦で9回途中まで好投した左腕はこの日も90~100キロ台のカーブを軸に、110キロ台の直球(同119キロ)を交えながら打たせて取る投球をみせた。7回に自らの失策もあって1点を失ったが、遅い球速帯でも勝負できる制球力と投球術を示した。

九産大九州・平

中原が7回1点を失い、なおも無死満塁という場面でエース平がマウンドへ。東筑戦でも9回のピンチで登板した平は、この日も内倉を沈む変化球、下川は131キロの直球でいずれも空振り三振にとり、梅野を中飛に打ち取る堂々たる投球。8回にも一死から桐明に左越え三塁打を浴びたが、吉田を外角直球で空振り三振に打ち取るなど後続を断ち、失点ゼロで期待に応えた。

ただ、沖学園・川畑、東筑・深町ら好投手を打ち崩してきた打線が石飛のスライダーを最後まで捕えることができず、2013年以来となる夏8強はならなかった。

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