第97回選抜高校野球大会に出場している九州地区代表の西日本短大附は大会7日目の24日㈪、2回戦に登場。山梨学院(山梨)を11-5で下し、準々決勝進出を決めました。西日本短大附の甲子園でのベスト8入りは、優勝した1992(平成4)年以来。準々決勝は26日㈬に予定され、第二試合で横浜(神奈川)とベスト4をかけて対戦します。
【試合経過】—————————-
序盤に長打攻勢で主導権を握った西日本短大附が山梨学院の追い上げをしのぎ、ベスト8入りを決めた。
西日本短大附は初回、四球で出た奥を送り、斉藤の二ゴロで二死三塁。佐藤が四球を選んだあと安田が右前へ痛打、ダイビングキャッチを試みたライトが後逸する間に安田も一気に生還するライニング本塁打となり3点を先制した。
2回は湯山、小川が連続四球。救援した藤田から中野の投前バントは三封されたが、奥が左前打を放って小川が生還。さらに藤本四球で満塁とし、斉藤が左前に落として2点目。佐藤三ゴロ(本塁封殺)のあと安田が押し出し四球を選び、この回3点を加えた。4回は三ゴロ失で出た藤本を斉藤が送り、佐藤が左越え本塁打を放ってリードを広げた。

3点差に迫られた9回は藤本の投内野安打、斉藤四球で無死一、二塁。佐藤左飛で藤本三進した一死一、三塁から安田が右越え三塁打を放って2点を追加。続く山下も中犠飛を放ちダメを押した。
山梨学院は初回、萬場が三塁前内野安打で出ると田村が送り、菰田左前打で萬場が生還。横山も中前打で続き、梅村のレフト左への安打でこの回2点を返した。3回二死満塁、4回無死一、二塁を逃すなど2回以降は得点できなかったが、7回杉村(太)左前打、萬場四球のあと田村が送り一死二、三塁から菰田の中犠飛でまず1点。なおも二死三塁から横山の左前打で萬場も生還した。
8回にも一死から鳴海の三遊間への一打をショートがはじく間に二進(記録二塁打)、暴投で一死三塁としたあと、山岸の三ゴロで1点を加えた。しかし反撃もここまで。西日本短大附を上回る10安打を放ったが、序盤の失点を挽回できなかった。
| 第97回選抜高校野球大会2回戦 (2025年3月24日・月/阪神甲子園球場) |
| チーム名 一二三四五六七八九 計HE 西短大付 330200003 1181 山梨学院 200000210 5101 西短大附 年 打安点 山梨学院 年 打安点 (中) 奥 ➂ 411(遊)萬 場➂ 411 (二)藤 本➂ 310(中)田 村➂ 210 (右)斉 藤③ 311 打 高 橋➂ 100 (一)佐 藤③ 412(一投一)菰田② 412 (左)安 田③ 436(捕)横 山➂ 421 (捕)山 下③ 401 打 川 本③ 100 (遊)湯 山② 400(三)梅 村➂ 321 (三)小 川➂ 210(二)平 野➂ 300 (投)中 野③ 200(右)宮 川➂ 200 ーーーーーーーーーー 右 出 井➂ 200 ーーーーーーーーーー (左)鳴 海➂ 420 ーーーーーーーーーー (投)津 島➂ 000 ーーーーーーーーーー 投 藤 田② 000 ーーーーーーーーーー 投 板 東➂ 000 ーーーーーーーーーー 打 杉村空② 000 ーーーーーーーーーー 一 杉村太➂ 110 ーーーーーーーーーー 投 足 立➂ 000 ーーーーーーーーーー 投 山 岸➂ 100 振球犠盗残 振球犠盗残 85105 34308 ————————————— 投 手 回 安球振責 投 手 回 安球振責 中野 9 10335 津島 1.0 1405 ーーーーーーーーーー 藤田 2.1 5202 ーーーーーーーーーー 板東 0.2 0000 ーーーーーーーーーー 菰田 3 0100 ーーーーーーーーーー 足立 0.2 5202 ーーーーーーーーーー 山岸 1.1 2103 ———————————————- ▼試合時間:12:02~14:15/観衆:15,000人 ※名前に下線のある選手は左打ち(投手は左投げ) |
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4番佐藤、5番安田が本塁打を放つなど2人で8打点。西日本短大附の中軸が本領を発揮して山梨学院に打ち勝った。
山梨学院の先発は左腕の津島だったが、立ち上がり制球が定まらないところを一気に攻略した。四球の走者を2人置いて、安田が高く浮いたスライダーをライト前にはじき返す。ライト宮川のダイビングキャッチも及ばず、打球がフェンスまで転々とする間に安田が一気に生還。初戦の斉藤に続くラニング本塁打で幸先よく先制した。その裏に1点差とされたが、直後の2回にも4つの四球をからめて3得点。相手投手の制球難にも助けられ、すぐに突き放せたのが大きかった。4回には佐藤が内角球をうまく腕を畳んでレフトスタンドに運び、完全に主導権を握った。
しかし、山梨学院の打線も強力。点差があっても気が抜けない状況が続いた。初回、菰田・梅村の左前打はいずれも強烈な一打。この日の中野は直球が高く浮きがちでボール先行の投球。スライダーでカウントを整えにいったが、少しでも甘く入ると叩きにくる。2回二死二塁、3回二死満塁、4回無死一、二塁と序盤は毎回のようにピンチを背負ったが、それでもここで踏ん張れるのが中野の真骨頂。6回までゼロを並べた。
それでも楽に終わらせてくれないのが全国区のチーム。7回に3安打を浴びて2失点。8回も二塁打と暴投で一死三塁とされ、9番投手の山岸にも三塁線に痛打を浴びたが、これをサード小川が横っ飛びに抑えて一塁へ冷静にワンバウンド送球で刺す。1点は許したが、抜けていれば一死二塁で上位にまわり、まだまだ予断を許さない場面が続くことになっただけに、大きなプレーだった。
打線は相手投手の制球難に助けられた形にはなったが、それを差し引いてもよく振れていた。5回から登板した菰田は152キロを出して球場を沸かせるなど140キロ台後半を連発したが、対応はできていた。148キロを叩いた佐藤の三ゴロは強い当たりだったし、142キロをあわせた山下の一打はレフト後方をライナーで襲う一打。6番手の山岸も140キロ後半の直球を投げ込んできたが9回に決定的な3点を奪った。攻撃陣は最高の形で準々決勝を迎えられそうだ。
準々決勝の相手は昨秋の明治神宮大会覇者・横浜。左の奥村、右の織田と左右の好投手を擁し打線も強力。総合力が高く優勝候補の筆頭だ。中野は低めに球を集めて失点を最小限にとどめ、打線の援護を待ちたいところ。
カギを握るのはやはり打線。横浜の打力を考えると勝利には少なくとも5~6点は必要だろう。織田は初戦で最速152キロを計測するなど常時140キロ中盤の直球を投げ込んでくるが、昨夏の福岡大会で福岡大大濠の柴田(日本ハム)平川の剛腕を打ち崩し、この日は山梨学院・菰田の150キロに迫る球も体感してきた西短打線も沈黙することはあるまい。左腕の奥村をどう攻略するかにかかってきそうだ。
2017年以降のセンバツで福岡勢はのべ5回ベスト8進出があるが、この壁を破れないでいる。敗れた相手は報徳学園、大阪桐蔭、東邦、東海大相模、浦和学院。いずれも全国制覇のある強豪ばかりで、明日対戦する横浜もいわずもがな春夏の甲子園で優勝のある名門だ。全国大会で低迷を続ける福岡勢が上位に食い込んでいくには、こうしたチームに勝っていかないといけない。その試金石となる一戦、西日本短大附の健闘を期待したい。
| ◆2017年以降、センバツで8強入りした県勢チームと準々決勝の成績 | ||
| 年 | 校名 | 準々決勝の結果 |
| 2017 | 福大大濠 | 報徳学園3-8 |
| 東海大福岡 | 大阪桐蔭2-4 | |
| 2019 | 筑陽学園 | 東邦2-7 |
| 2021 | 福大大濠 | 東海大相模0-8 |
| 2022 | 九国大付 | 浦和学院3-6 |