第100回全国高校野球選手権福岡大会の開幕(7月7日・土)まで、いよいよ1カ月を切りました。今年は北福岡、南福岡に分かれて開催され、福岡から2校が出場する節目の大会。抽選日(22日・金)を前に北福岡、南福岡大会について大まかな展望をしてみます。まずは北福岡から。
例年通りの選考方法だと仮定し、各大会のポイントを総合すると今年のシード校は、昨秋優勝でセンバツ出場校の東筑、今春優勝の小倉、春の九州大会出場の八幡、東筑紫学園、九州国際大付、5月の北九州地区大会優勝の折尾愛真、同じく福岡中央地区大会優勝の飯塚、そして福岡中央地区大会ベスト4の光陵、となりそうです。ただ、不祥事で春の九州大会を辞退した小倉がシードから外れるようだと、自由ケ丘が浮上してきそうです。優勝争いは東筑と春の九州大会を制した九州国際大付を軸に、小倉、八幡、飯塚などが追う展開が予想されます。
新人地区大会 | 昨秋 | 今春 | 春の地区大会 | |
東筑 | (選手権出場) | 優勝 | (センバツ出場) | ベスト4 |
小倉 | ベスト4 | ベスト4 | 優勝 | - |
八幡 | 1回戦敗退 | 3回戦敗退 | 準優勝 | 2回戦敗退 |
九州国際大付 | 優勝 | ベスト8 | 4位 | 準優勝 |
東筑紫学園 | 2回戦敗退 | ベスト8 | 3位 | 2回戦敗退 |
折尾愛真 | 2回戦敗退 | 3回戦敗退 | ベスト16 | 優勝 |
飯塚 | 優勝 | 4回戦敗退 | 3回戦敗退 | 優勝 |
光陵 | ベスト4 | 4回戦敗退 | ベスト16 | ベスト4 |
自由ケ丘 | ベスト8 | 2回戦敗退 | ベスト16 | ベスト4 |
戦力的には、この2校が頭ひとつリードしている感じですが、小倉、八幡、飯塚なども逆転を狙います。
東筑紫学園は秋、春とも県大会に進出。エースの左腕小堤は、140キロ前後のキレのある直球にスライダーで三振の取れる投手ですが、課題は制球力。四球から崩れる懸念がつきまといます。ただ、失点を重ねても挽回する打線のたくましさがあり、勝負強い4番芝を中心に、しぶとく食らいついてきます。得点力はあるだけに、小堤の出来が大きく結果を左右しそうです。
飯塚は、秋は4回戦で東筑紫学園に競り負け、春は3回戦で八幡に打ち負けました。大塚、野崎、大坪など昨夏ベスト16の主力が残る打線、長身の右腕長坂をはじめ複数の投手を擁する投手陣と、総合力は高いだけに勝負強さが出てくれば6年ぶりの甲子園も見えてきそうです。
強豪ひしめく北九州地区大会を制した折尾愛真は左の松井、右の野元と一発のある打者を中心に打力のあるチーム。春の大会でも4試合で37得点をあげてパート決勝まで勝ち上がりました。投手陣は左の小野を中心とした継投となりそうですが、どこまで失点を抑えることができるかがカギとなりそうです。光陵は威力ある直球がある右腕・土井を中心に安定感ある戦いを見せます。自由ケ丘は突出した選手はいませんが、まとまりのあるチーム。田中、大庭の2年生投手、左腕麻生などの継投に勝機を見出したいところです。
ノーシードで台風の目になりそうなのが真颯館。センスある左の好打者・櫻田を中心に打力があり、昨秋は小倉・河浦から12安打で7点を奪っています。投手陣の出来次第で、上位進出を狙える力はありそうです。昨春センバツ出場の東海大福岡は秋春とも不本意な成績に終わりましたが、個々の能力の高さを感じさせる選手が多く、今年も侮れません。このほかでは筑豊勢の鞍手、鞍手竜徳、嘉穂、希望が丘、北九州勢では小倉工、常磐、星琳なども上位をうかがいます。