両校合わせて30安打、9四死球、5失策を記録する乱戦となったが、4度追いつく粘りを見せた筑陽学園が約3時間に及ぶ乱戦を制した。
筑陽学園は初回、先頭の江原が初球をレフト場外に運ぶ本塁打で先制。さらに一死後、石橋、森口の左前打、中村のセカンド右へのゴロが失策を誘い一死満塁とし、野田の左前打、後藤の中犠飛でこの回3点を挙げた。逆転された直後の3回には4番森口が四球で出ると、中村のライト右への二塁打で無死二、三塁。野田のレフト左に落ちる二塁打で二者が生還、同点に追いついた。
2点を追う5回は一死から中村が右中間本塁打、さらに野田も左越え本塁打で再び同点とした。1点を勝ち越された直後の6回は、3番石橋の遊ゴロ失、森口死球のあと、中村右飛で一死一、三塁とし、野田が4打席連続となるタイムリーを左前に運び、三たび追いついた。7回に勝ち越されたが直後の8回、石橋右前打、森口三塁内野安打で無死一、二塁。中村左飛、野田右飛で二死一、三塁とし、後藤の右前打で追いついた。試合はそのまま延長に入ったが11回、この回先頭の後藤がこの試合チーム4本目となる本塁打を右越えに運び、これが決勝点となった。
しかし四度得たリードを守り切れず、延長11回に勝ち越しを許すと、その裏も一死一、二塁と粘ったが、及ばなかった。
筑陽学園も先発・大畑が乱調で4回までに7失点したが、リードされても粘り強く追いつき、7回途中から登板した3番手・米井が力投。8回以降は東福岡に得点を許さず、後藤の勝ち越し本塁打を呼び込んだ。
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筑陽学園は初回から東福岡の先発・金光に襲い掛かる。江原の先頭打者本塁打を皮切りに4安打で3点。3回は四球と2本の二塁打で2点。そして5回は中村、野田の連続本塁打。金光は準々決勝(九州国際大付戦)で140キロを表示した直球が、この日は137キロ止まり。平均でも2~3キロ遅く130キロ台前半の球が多かった。直球、スライダーとも甘く入ったところを芯で捕えられ、5回までに10安打を浴びて7失点。いつ降板してもおかしくない内容だったが、結局最後まで続投。ブルペンでは何人か投げていたようだったが、金光に代えてまで送り込める投手はいなかったか。
東福岡も上位から下位まで切れ目がない。準々決勝でも5回に一挙6点、この試合も2回に5点を奪うなど、チャンスで畳みかける集中打があり、6試合で53点と猛打を振るった。両校とも打線が強力なだけに、投手陣が整備されてくれば、より上位を狙うことができそうだ。