第99回全国高校野球選手権福岡大会の開幕(7月8日・土)まで1カ月を切り、抽選日(23日・金)は来週末に迫りました。いよいよ今年も夏に向けたカウントダウンが始まりました。例によって対戦相手が決まる前に、今年の福岡大会について展望してみたいと思います。まずは北部から。
今年の北部のシード校は、センバツ出場校の東海大福岡、春の福岡大会3位の九州国際大付、同4位の真颯館、昨秋福岡大会ベスト4の小倉工、4月の福岡中央地区大会優勝の飯塚、春の福岡大会ベスト8の古賀竟成館、東筑、残る1枠を累計ポイントで並ぶ自由ケ丘と八幡が争うことになると思われます。ただ、シード漏れした中には小倉、常磐、豊国学園、折尾愛真、北筑、戸畑工、北九州など力のあるチームも多く、今年も県大会を巡る争いは激しくなりそうです。
センバツ8強の東海大福岡は、センバツ2回戦の早稲田実戦で15安打を放つなど打線が爆発しましたが、本来は機動力を絡めて粘り強く得点を奪
昭和21~26年に6連覇を成し遂げた小倉以来となる夏4連覇を狙う九州国際大付は、昨夏のマウンド経験もあるエースの前田投手が、ひと冬越して大きく成長しました。左腕・森田なども控え、投手陣の層の厚さは昨年以上といえそう。打線は俊足強打の山脇、鳥井、中村ら昨夏甲子園メンバーを中心に今年も足を使った攻めを見せてきます。例年、春から夏にかけて大きくチーム力を伸ばしてくるだけに、今年も目が離せません。
この3校に続くのは小倉工、東筑、小倉などの公立勢でしょうか。昨秋ベスト4の小倉工は、武田、江口らを中心とした打棒が売り。北九州市内大会では4試合で39得点を叩き出しました。右腕エース橋本は変化球を低めに集め、昨秋準決勝では東海大福岡・安田と投手戦を演じました。春ベスト8の東筑も水上、盛田、菊池の中軸に長打力があります。投手陣は2年生の石田投手が急成長を見せており、招待野球では日大三を相手に完封。右サイドハンドから、内外角に伸びのある直球を投げ込んできます。小倉は秋、春とも結果を残せておらず今年はノーシードでの戦いとなりますが、1年秋には九州大会も経験した中野投手をはじめ、直球に威力のある河
昨秋ベスト8の八幡は、右サイドハンド平仙を中心とする守りのチームという印象でしたが、北九州市内大会2回戦では常磐の好投手末廣から9点を奪い、打線も力をつけていることを印象づけました。同じく秋ベスト8の自由ケ丘は春は初戦で希望が丘に延長戦で敗れ、北九州市内大会も2回戦でいいところなく敗れるなど、調子が上がってきません。打線に昨年のような爆発力がなく、投手陣も宇都宮を中心に複数の投手が投げていますが、いずれも安定感に欠ける印象です。夏までにどこまで戦力を整えてくるかが注目です。飯塚は昨秋は九州国際大付、春は小倉工に敗れるなど実力校に苦杯を喫してきました。4月の福岡中央地区大会優勝で何とかシードを確保しそうですが、東海大福岡不在の中での優勝だけに多少の割引は必要かもしれません。実力校と対戦した時に真価が問われそうです。古賀竟成館は機動力を使った攻撃で、昨秋は小倉などを下してパート決勝進出、春はベスト8入りを果たしました。左の黒田、右の恵良など投手陣を守備が盛り立て、粘り強い戦いぶりで上位進出を狙います。