◇平成26年度招待試合~久留米市野球場①
1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
日本文理 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 1 1
西短大付 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 1
【日】飯塚-鎌倉
【西】小野-高岩 (二)武富
甲子園レベルの好投手の投げ合いだった。試合は、2人のエースの競演に終始したといってもよいだろう。
西短大付・小野郁(3年)は初球、141キロの直球を挨拶代わりに投じると、その後は140キロ台後半を連発。2回表、相手エースの飯塚悟史(3年)から空振り三振を奪った球で150キロのスピード表示が出ると、ドッと球場が沸いた。ノーワインドアップからの大きなフォーム。腕がよく振れている。
勝負のうえで惜しむらくは、前半の制球難。与えた四死球4のうち3つまでが4回までに集中。ワイルドピッチ、パスボールも4回までに3つあり、結局これが唯一の失点に結びついた。日本文理は先発メンバーのうち8人がセンバツ1回戦で出場したほぼベストメンバーで挑んだが、芯で捕えた打球はほとんどなく、詰まった投手ゴロが3つ、内野ファールフライが3つなど、真っ向から勝負して力で抑え込んだ。特に6回から8回まではテンポよく投げ込み、いずれも三者凡退で打ち取った。
日本文理の飯塚は、勝負処での集中力、駆け引きの巧みさが素晴らしかった。
直球のスピード表示は130キロ台後半~142キロで、ピンチになると140キロを超える力のある球を投げてくる。内外コーナーいっぱいにキレのよい球を投げ込み、右打者の外角低めへのカーブがギリギリに決まる。球速表示以上に伸びているのか、西短の打者も二回以降は詰まり気味の打球が多い。内野ゴロが9つ。内野フライも3つ。そして終わってみれば、小野を上回る10奪三振。テイクバックが小さく体の軸にちょうど隠れるような形になるため、打者にとっては球の出どころが見づらいのかもしれない。
この試合、1回二死二、三塁、7回二死二塁、8回一死三塁と三度のピンチがあったが、いずれも三振で切り抜けた。ギアを一つ上げて球威を増し、カーブを時折交えながら、最後は内外の厳しいコースを突いてくる。さすが北信越王者のエースだ。
小野は6回以降のリズムよい投球ができれば、まず打たれないだろう。力まずに8分程度の力で投げるくらいでちょうどよいのかもしれない。他校に付け入る隙があるとすれば、制球難が出た時だろう。
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