【観戦記】小倉西8-7育徳館(秋季大会3回戦)




両校あわせて23四死球、5失策と乱戦模様となった一戦を小倉西がタイブレークの末に逆転サヨナラで制した。

2点を追う小倉西は10回裏、無死一、二塁から二塁けん制悪送球で一、三塁とし、野尻の左中間への飛球をレフトが追いつきながら落球(失策)し、まず1点。なおも無死一、二塁から中津が送り、片多申告敬遠で一死満塁から中村は浅い中飛に倒れたが向江、山口の連続四球でサヨナラ勝ちを決めた。

先手を取ったのも小倉西。初回一死後、野尻が一塁左へドラッグバントを決めて出塁。中津三振のあと暴投で二進し、片多の中前適時打で先制した。3回は一死から口元が左前打で出ると野尻四球、中津死球で一死満塁。片多中飛で二死となったが中村、向江の連続四球で2点を追加した。逆転を許した直後の5回には一死後、片多死球、中村右前打で一、二塁とし向江の右前打で片多が生還。さらに一死一、三塁から山口の投ゴロ失で中村が還り、同点に追いついた。

1回裏 小倉西 二死二塁 片多の中前打で二塁から野尻が生還して先制

初回二死満塁、3回二死二、三塁の好機を逃した育徳館は5回、有田が四球で出塁。濱江のバントは捕邪飛となったが大場四球、尾家投内野安打で一死満塁とし、中村の押し出し四球のあと、宇津和が走者一掃の右中間三塁打を放ち逆転した。続く山本のスリーバントスクイズは失敗(ファール)に終わったが原田の中前打で宇津和が還り、この回5点を奪った。

タイブレークの10回は二走の偽走に反応した捕手の三塁送球が乱れ無死二、三塁から暴投で尾家が生還。さらに宇津和四球で一、三塁とし山本がスクイズを決めて2点を勝ち越した。しかしその裏、守りが乱れてリードを守り切れなかった。
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第159回九州地区高校野球福岡大会 3回戦
(2026年9月11日・金/筑豊緑地野球場)
チ   一二三四五六七八九十 計HE 球犠振盗残
育徳館 0000500002 763 712149
小倉西 1020200003x862 1634016
(延長10回タイブレーク)
  育徳館 年 打安点 1 2 3 4  5  6 7 8 9 10
(二)濱 江② 500 三振  三振   捕邪 三振  一ゴ
(指)大 場② 310 中安  死球   四球 遊ゴ    三振
(三)尾 家① 510 三失  三振   投安   三振  一邪
(捕)中 村② 311 三振  二安   四球   四球  投ゴ

(遊)宇津和② 323 四球  三振   右3   左安    四球

(中)山 本② 401 三振    三振 三振   三振    投ギ
(右)原 田② 511   三振  三振 中安   三振    遊ゴ
(左) 神 ② 500   三振  三振 二ゴ     三振  二ゴ

(一)有 田① 300   三振     四球 三振  三振

投手   回 安球振責  球数
竹之上➁  9.2  61644  161
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  小倉西 年 打安点 1 2 3  4  5  6  7 8 9 10
(遊)口 元② 610 右飛   左安 三振    遊飛 三ゴ  二ゴ
(右)野 尻② 410 一安   四球 二ゴ    四球   中飛   左失
(左)中 津② 300 三振   死球    二飛 死球   三直   投ギ
(捕)片 多② 411 中安   中飛    死球 二飛   三ゴ   敬遠
(指)中村仁② 411   中飛 四球    右安 遊飛     四球 中飛
(一)向 江② 213   四球 四球    右安    三邪  投ギ 四球

(中)山 口② 401   二ゴ 三振    投失    捕邪  敬遠 四球
(三)藤本泰② 300   左飛    三振 三ゴ    四球  投ギ
(二)村 井② 000 
(二 中 嶋① 310      三ゴ 死球 一ゴ    中安  死球

投手  回 安球振責  球数
春本②  10 67215  203
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▼試合時間/12:22~15:11 ※公式記録ではありません。丸囲み数字は学年
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ、打撃成績の下線は打点あり

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小倉西の春本が奪った三振は21。育徳館の竹之上が与えた四死球は16(申告敬遠2含む)。この数字だけを見ると小倉西が大差で勝利してもおかしくない内容だが、野球は数字が全てではないことを示す試合となった。

小倉西・春本

春本はがっしりとした下半身から放たれる130キロ超のキレのある直球、鋭く落ちるスライダーが武器の左腕。今夏の開幕試合(対小倉商戦)でも先発、7回を投げて9奪三振・自責点1と好投したが、立ち上がりは3つの四球を与えるなど制球に苦しんだ。この試合も初回から高めに抜ける直球が目立ち味方の失策や四球が絡んで二死満塁のピンチを背負った。しかしここを無失点で切り抜けると奪三振ショーが始まった。

2回と4回は三者連続三振。3回も安打と四球を許したが3つのアウトは全て三振。初回も含め4回までのアウトを全て三振で奪った。ウイニングショットの大半が鋭く落ちるスライダー。直球は高低に暴れて不安定だったが、スライダーとチェンジアップでカウントを整えた。

しかし5回、生命線のスライダーでもストライクが取れなくなり有田にストレートの四球。スリーバント失敗を挟んで大場にもボールが4つ続く。尾家の当たり損ないの投手左へのゴロが内野安打となったあと、押し出し四球で1点を献上。続く宇津和にはスライダーを2球ファールされたあとセンター右に運ばれ、3人の走者が相次いで生還。さらに二死後、原田にもスライダーをセンター前に落とされ5点目を失う。

5回表 育徳館 一死満塁 宇津和の右中間三塁打で三走、二走に続き一塁から中村も生還

5回を終えて13三振を奪ったものの球数はすでに121。スライダーを徐々に合わせられ失速してもおかしくなかったが6回以降、再び息を吹き返したように三振を重ねる。6回に二つ、7回に三つ、8回に二つ…。ボールが先行しながらも最後はスライダーで空振り三振、というパターンを繰り返した。6回以降は被安打1、四死球1。9回を終えて183球に達したがスライダーの切れは最後まで衰えなかった。




育徳館・竹之上

育徳館の先発は背番号1の竹之上。細身ながら力のある直球を投げ込む。スライダーも交えたが大半が直球だった。初回に1点を失ったが2回はゼロに抑え、ここから調子を上げてくるかと思われた矢先の3回、突然ストライクが入らなくなり、4つの四死球を与えて2失点。味方が逆転した直後の5回も死球からピンチを招き、2安打と自らの失策であっさりとリードを吐き出してしまった。

それでも竹之上はマウンドに立ち続ける。6回も二つの四死球、7回にも四球と安打で得点圏に走者を背負いながら無失点で切り抜け、9回も3つの四死球(うち一つは申告敬遠)で二死満塁とサヨナラ負けのピンチを招くが、ここもしのぐ。

タイブレークに入ってからは双方にミスが目立った。育徳館の攻撃では二走の偽走につられて三塁送球した片多が高投。直後に春本の暴投で勝ち越され、スクイズを決められてノーヒットで2失点。その裏の攻撃では育徳館の一、三塁手が勢いよく前進して二塁にけん制するピックオフプレーを見せたが、送球が乱れて二走が三進。野尻のショート後方の飛球をレフト神が追いつきながら落球して1点を失うと犠打、申告敬遠で一死満塁。向江はフルカウントまで持ち込んで押し出し四球、さらに山口もフルカウントから四球を奪い、小倉西はノーヒットで逆転サヨナラ勝ちを決めた。

10回表 育徳館 無死一、三塁 山口がスクイズを決めて7点目

21三振を喫した育徳館だがスライダーに狙いを定めて果敢にスイング、5回の2つの適時打につながった。4盗塁を決めるなど足も絡め、7回一死一塁ではヒットエンドランを仕掛けショートの逆をつくヒットをもぎとった。5回にスリーバントスクイズを失敗した山本も10回にはスクイズを決めた。しかし6回以降は1安打に抑えられ、スライダーにバットが空を切り続けた。

小倉西は16四死球を得たが残塁も16。6回以降も勝ち越すチャンスがあったが竹之上の直球に差し込まれ、決定打を欠いた。8得点のうち6点を押し出し四球と敵失で得るなど育徳館の守備の乱れに助けられた側面も大きかった。それでも10回裏、1点を追う二死満塁で打席に入った向江はフルカウントから3球ファールで粘った末に押し出し四球を勝ち取るなど、粘り強く勝利を掴んだ。3年ぶりの4回戦進出を果たし、次は県大会を賭けて北筑と対戦する。

【直近の小倉西戦 観戦記】
‣小倉西4-2小倉商(2026年7月7日/第108回全国高校野球選手権福岡大会 1回戦)

【直近の育徳館戦 観戦記】
‣育徳館9-2新宮(2026年5月2日/第13回福岡中央地区高校野球大会 準々決勝)
‣小倉商2-1育徳館(2025年7月11日/第107回全国高校野球選手権福岡大会 3回戦)
‣育徳館10-9東福岡(2024年10月12日/第155回九州地区高校野球福岡大会 準決勝)




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