中盤以降、追いつ追われつの激しい攻防が繰り広げられたが、東筑が土壇場での逆転勝ちで昨秋明治神宮大会優勝の九州国際大付を下し、決勝進出を決めた。
▼準決勝(23日・北九州)⇒試合記録
東 筑 000 001 013 =5
九国大付 010 001 010 =3
【東】梶原→深町【九】岩見→林→岩見
〈本〉河野(東)
1点を追う東筑は9回、高橋が四球で出塁し、五十嵐の三前バントで一塁送球が逸れて無死一、二塁。代打相場が送ったあと、平山のセンター左を破る二塁打で2者が還り逆転。さらに筋田の遊ゴロ失、深町の右前打で一死満塁とし、梶原の二ゴロの間に平山が生還して突き放した。

試合は九州国際大付が先行し東筑が追う展開となった。九州国際大付は2回、城野四球、雪野中前打のあと中上が送って一死二、三塁とし、鰐口の右犠飛で先制。東筑は6回一死後、平山中前打、筋田四球のあと深町が右前に落とし(筋田は二塁封殺)二死一、三塁。梶原死球で満塁としたあと、打者河野の時に暴投で追いついた。
その裏、九州国際大付は城野の左中間二塁打と雪野の二ゴロで一死三塁とし二死後、鰐口の左前適時打で勝ち越した。8回二死から東筑が河野の右越え本塁打で追いつくと、九州国際大付もその裏、城野の左中間二塁打、雪野二ゴロ、中上の中前適時打で再び勝ち越した。
逆転されたあとの9回も九州国際大付は牟禮がセンター右への二塁打で出塁。平間三振のあと吉田、城野の連続四球で一死満塁としたが雪野が遊ゴロ併殺打に倒れ、あと一歩及ばなかった。
厳しい暑さのなか、最後の一球まで勝負の行方がわからない激闘が繰り広げられた。数年来、北部の盟主争いを演じる両校が死力を尽くして1点を争った一戦は、期待に違わぬ好ゲームとなった。

投手の疲れがピークに達する準決勝。決勝の舞台もちらつくなかでの投手起用がまず注目された。東筑は準々決勝の八女工戦では加納が完投していたため、休養十分のエース深町の先発が予想されたが、起用されたのは左腕の梶原。一方、九州国際大付は準々決勝の祐誠戦でエース岩見が7回途中まで91球を投げていたことから、4回戦で先発した左腕上野や甲子園のマウンドを経験している渡邊の登板も予想されたが、この日も岩見が先発のマウンドに上がった。

序盤、主導権を握ったのは九州国際大付。2回、城野四球と雪野中前打で作ったチャンスに鰐口の犠飛で先制した。すると3回、先頭の9番柴原を打ち取ったところで東筑は深町にスイッチ。梶原は打ち込まれたわけではなかったが1巡目までと決まっていたのだろう。深町は130キロ台後半(この日最速142キロ)の直球と130キロ前後のカットボールを軸に、走者を出しながらもゼロを並べていく。

東筑守備陣も好守で投手を支えた。2回1点を先制されたあとの二死三塁では上岡のセカンド頭上を越えようかというライナーを筋田がジャンプ一番好捕。4回二死満塁では上岡のセンター後方を襲う飛球を背走しながら中谷がキャッチ。押されながらも前半を1失点でしのいだことが勝因の一つに数えられる。
一方、岩見は初回から快調に飛ばした。130キロなかば(同141キロ)のキレのある直球で押し、3回まで三者凡退。直球は軽く投げている感じだが手元でピュッと伸びる。ストライクを先行させてテンポよく投げ、5回までに許したのはポテンヒットと四球の走者2人だけ。再三走者を出して得点をうかがう九州国際大付と、追加点を懸命に防ぐ東筑。前半は完全に九州国際大付がペースを握った。

ただ、6回に入ると3巡目に入った東筑打線が、徐々に岩見の球に対応し始める。平山の中前打と2つの四死球で二死満塁とすると、打者河野の時に暴投で同点に。ここから試合が一気に動き始める。
6回裏、九州国際大付は鰐口の左前適時打で勝ち越したが東筑も7回、連続死球と犠打で一死二、三塁と迫る。ここで九州国際大付ベンチは疲れの色が隠せなくなった岩見に代え、林を送り込む。林は祐誠戦でも岩見を救援、最速147キロの直球を武器に反撃を封じており、この日も代打香月を三振にとると、平山四球のあと筋田を直球で押し込んで二ゴロ。見事な火消しを務めた。8回も簡単に二死をとったが、河野がライトに高々と打ち上げた打球はそのままフェンスを越えてスタンドへ。起死回生の一発が飛び出し再び東筑が追いついた。

ただ、九州国際大付もすぐに突き放しにかかる。城野がこの日3本目の左中間二塁打を放つと雪野の二ゴロで一死三塁。打者中上の時に東筑バッテリーはスクイズを外したが、三走を挟殺しようとした捕手の平山がボールを落球し、三走は帰塁。その直後に中上が叩きつけた打球がセンターに抜けていき、九州国際大付が勝ち越し。このまま終わっていれば、平山にとって悔いが残るプレーとなっていただろう。続く林の一打は風にも乗って右越え二塁打となり一死二、三塁と追加点を狙うが、深町が踏ん張る。岩見、柴原を連続三振に打ち取り1点差のまま9回表の攻撃に入った。

9回のマウンドには引き続き林が上がったが、先頭の高橋にストレートの四球。ここで九州国際大付ベンチはファーストに回っていた岩見を再びマウンドに上げた。ブルペンでは左の上野、右の渡邊が肩を作っていたが、ここを乗り切るのは疲れていてもエースしかないとの判断だったのだろう。
しかし岩見に抑える力はもう残っていなかった。一死二、三塁から平山にセンター右へ逆転打を浴びるなど2失点。初回から飛ばしてきた反動が勝負処で出る形となった。
九州国際大付も簡単には引き下がらない。9回裏、先頭の牟禮が目の覚めるような当たりをセンター右に運んで無死二塁。深町は平間を141キロの直球で見逃し三振にとったが吉田、城野と連続四球で一死満塁。再三のピンチをしのぎ球数が100球を超えた深町は抜ける球が目立つようになり、疲労の色を隠せない。一打出れば同点、長打なら逆転サヨナラというシーンで打席に長打力のある5番雪野を迎えたが、最後の力を振り絞って遊ゴロ併殺打に仕留め、熱戦に終止符を打った。3回途中からの登板だったことでスタミナがギリギリ持った、そんな印象だった。

試合後、最後まで立ち上がれなかったのはショートの吉田。この日は無安打で2三振。9回の守備では失策もあり、敗戦の責任を一身に背負うようにグラウンドに突っ伏す姿は、前年夏の決勝で西日本短大附に敗れた後の牟禮や城野の姿と重なった。
ただ、先輩たちはそこから秋の日本一を勝ち取った。岩見、吉田、雪野ら2年生にも雪辱の機会はすぐにやってくる。
【直近の東筑戦 観戦記】
‣東筑5-1八女工(2026年7月20日/第108回全国高校野球選手権福岡大会 準々決勝)
‣東筑1-0沖学園(2026年7月17日/第108回全国高校野球選手権福岡大会 5回戦)
‣飯塚1-0東筑(2026年4月6日/第158回九州地区高校野球福岡大会 決勝)
【直近の九州国際大付戦 観戦記】
‣九国大付4-1祐誠(2026年7月20日/第108回全国高校野球選手権福岡大会 準々決勝)
‣九国大付6-0福大若葉(2026年7月15日/第108回全国高校野球選手権福岡大会 4回戦)
‣九国大付5-4大牟田(2025年10月11日/第157回九州地区高校 野球福岡大会 準決勝)



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