春の優勝校・飯塚が、序盤に奪ったリードを先発岩橋の力投で守り切った。
▼3回戦(13日・北九州)⇒試合記録
新宮 000 001 010 =2
飯塚 210 000 00x =3
【新】藤井 【飯】岩橋
飯塚は初回二死後、安藤の左翼線二塁打と福嶋の四球で二死一、二塁とし、田中のレフト右を破る二塁打で2点を先制した。2回は木下が四球で出ると郡山の三ゴロ、女鹿の二ゴロで二死三塁とし、瀬口の中前適時打で1点を追加した。3回以降も毎回のように得点圏に走者を進めながら追加点を奪えなかったが、この3点を守り切った。

5回まで無安打に抑えられていた新宮は6回、四球で出た北島を松岡が送ったあと、倉住の右前打で1点を返した。8回は松岡が四球で出ると、倉住の犠打と三盗で一死三塁とし、嶋津の中犠飛で生還した。
しかし9回は三者凡退に終わり、あと1点が届かなかった。
新宮の先発は身長197センチのエース藤井。「プロ注目の大型右腕」という言葉ばかりが先行するが、現時点でものすごいスピードボールを投げるわけではない。この日の最速は141キロ。通常は130キロ台なかば~後半で、長身から角度のある変化球を交えながら打ちとっていく。

この日は立ち上がりからボールが先行し、特に変化球の制球に苦しんだ。初回は簡単に二死をとったあと、安藤にチェンジアップを左翼線に合わせられ、福嶋には四球。田中には133キロの直球を左中間に運ばれ、あっさりと2点を失う。2回も四球で出した木下を三塁に置き、瀬口に139キロの直球をセンター前にはじき返され3点目。変化球でストライクが取れず、直球を狙われた。
飯塚も左腕エース岩橋を先発に立ててきた。120キロ台後半(この日最速133キロ)にチェンジアップ、カーブ、スライダーと多彩な変化球を交え、藤井とは対照的に初回から安定した投球をみせた。5回に四球と暴投で初めて得点圏に走者を背負ったが、後続を連続三振。前半は新宮に付け入る隙を与えなかった。
岩橋から多くの得点は期待できないことを考えると、新宮はこれ以上点差が開くと苦しくなる。3回以降、藤井は毎回のように走者を出しながらも失点は許さない。変化球も少しずつ決まるようになってきた。
エースの踏ん張りに応えるように後半、新宮も反撃に転じる。6回、四球の北島を犠打で送ると倉住がスライダーをライト右へ運び、初安打がタイムリーとなった。7回は一死から坂牧が左前打で出塁。続く代打中村の一打は左翼線を襲ったが惜しくもファール。この回は無得点に終わったが、徐々に岩橋の球を捕らえ始める。

8回、四球を選んだ松岡が倉住のバントで二塁に進むと、打者嶋津の時に完全にモーションを盗んで三盗に成功。嶋津の中飛はタッチアップには微妙な距離だったが、果敢にスタートを切り本塁を陥れ、これで1点差。
飯塚も追加点をあげようと攻勢を強める。7回裏には一死一、三塁と大きなチャンスを迎えたが代打原田はいい当たりながら右直、木下も一邪飛。8回も郡山が粘って四球を勝ち取り、女鹿の投前バントが一塁悪送球を誘って無死一、三塁としながらどうしても得点できない。8回には球数が160球を超えた藤井だったが、後半は直球で差し込んで凡飛に打ち取るシーンが目立った。

新宮は9回、先頭の川下が左翼線にライナーを放つが、これもきわどくファール。入っていれば無死二塁でひと波乱ありそうだったが、この一打で新宮の反撃は終わりを告げた。新宮のヒットは3本だけだったが、勝利の瞬間に岩橋が思わず握りこぶしをつくるほど、終盤は飯塚に圧力をかけ続けた。それでも最後は岩橋の気迫が新宮を上回った。
春先まで新宮は「藤井あってのチーム」という印象が強かった。昨秋3回戦の東筑紫学園戦では、藤井が12三振を奪いながら5失策で逆転負け。藤井抜きでのぞんだ春の福岡中央地区大会準々決勝の育徳館戦も9失点でコールド負けを喫した。
しかし、この日は苦しい投球を続ける藤井をバックがしっかり支えた。5回一死二塁ではショートゴロを川下が冷静に三塁に送って走者を刺し、打線も春の優勝投手の岩橋に食らいつき1点差まで詰め寄った。春の王者と互角にわたり合り、「藤井のいる新宮」から「藤井もいる新宮」への成長を示したラストゲームだった。
【直近の飯塚戦 観戦記】
‣飯塚1-0東筑(2026年4月6日/第158回九州地区高校野球福岡大会 決勝)
‣飯塚4-0八幡南(2026年4月5日/第158回九州地区高校野球福岡大会 準決勝)
‣飯塚4-1戸畑(2026年3月30日/第158回九州地区高校野球福岡大会 パート決勝)
【直近の新宮戦 観戦記】
‣育徳館9-2新宮(2026年5月2日/第13回福岡中央地区高校野球大会 準々決勝)
‣東筑紫学園7-3新宮(2025年9月19日/第157回九州地区高校野球福岡大会 3回戦)



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