【観戦記】小倉西4-2小倉商(選手権大会1回戦)




継続試合となった今大会の開幕試合は小倉西が土壇場で試合をひっくり返し、逆転勝ちを収めた。

▼1回戦(6、7日・北九州)⇒試合記録
小倉西 000 000 004 =4
小倉商 100 000 100
=2
※2回表から継続試合
【西】春本→渡邊 【商】三浦

2点を追う小倉西は9回、先頭の7番渡邊が四球を選ぶと吉松中前打、藤本(泰)四球で無死満塁とし、末松の遊ゴロ(二塁封殺)の間に渡邊が還ってまず1点。なおも一死一、三塁から野尻の投手前セーフティスクイズは三走が突っ込めず二死二、三塁となったが、菅原申告敬遠で二死満塁から白石の二ゴロが失策を招き同点に追いついた。続く元吉の右前適時打を放ち、本塁返球が逸れる間に二走も還って2点を勝ち越した。

9回表小倉西二死満塁 元吉が右前に勝ち越しの適時打を放つ

小倉商は初回一死から末安が四球で出ると二盗を決め、土澤三振のあと三盗も決めて二死三塁。薬師寺が四球を選び、打者後藤のとき末安が三本間に挟まれたが、挟殺プレーをかいくぐって生還した(記録は盗塁)。7回は薬師寺がチーム初安打を左前に放つと後藤は二ゴロ(二塁封殺)、村田の捕ゴロで二死二塁とし、園田の中前適時打で1点を加えた。

このまま逃げ切るかと思われたが9回、守備も乱れてリードを守り切れなかった。

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8回を終えて2-0と小倉商リード。小倉西は散発5安打に抑えられ、三塁を踏めずにいた。小倉商の先発三浦は120キロ台後半(この日最速130キロ)の直球にスライダーを交えて的を絞らせず、走者を出しながらも得点を与えなかった。

小倉商・三浦

ただ、最終回を迎えて少し力が入ったか、先頭の渡邊に四球を与えてしまう。吉松にはスライダーを中前に運ばれ、藤本はバントファール2つで追い込みながら歩かせ、無死満塁と最後の大きな勝負処を迎えた。

続く末松の遊ゴロで土澤は二塁経由の併殺を狙ったが、一塁はセーフ。1点が入ってなおも一死一、三塁となった。2番野尻の投手右へのドラックバントはいいところに転がったが三走が突入を躊躇して二死二、三塁。小倉商ベンチはこの試合2安打の菅原を申告敬遠し、途中出場の白石との勝負を選んだ。

その初球、白石の一打はスライダーを当てただけのセカンドへの弱いゴロ。試合終了と思われたが、送球を焦ったか一旦グラブに収まった白球がこぼれ、拾い直してセカンドベースにタッチに行くが間に合わず同点。続く元吉は1-2から外角低めのワンバウンドしそうなスライダーにバットを出すと、フラフラとあがった小飛球がファースト後方に落ち、ライトからの返球が乱れる間に二走も還って4-2。あっという間の逆転劇だった。




小倉西・渡邊

小倉商も9回裏一死から薬師寺が三ゴロ失で出塁し、最後の反撃に出る。ただ、8回からマウンドに上がった渡邊が冷静だった。120キロ台(同129キロ)の直球に緩いスライダーを交え、ほとんど表情を変えず淡々と投げる。エースナンバーを背負うにふさわしい落ち着いたマウンドさばきで後続を断った。

小倉西・春本

小倉西の先発春本(2年)も、四球を連発して1点を失った前日から立て直してきた。130キロ前後の直球(同134キロ)に交えるスライダーが冴えた。この日最初のマウンドとなった2回裏は、右打者の膝元に鋭く落ちるスライダーで3者連続三振。直球は時折ワンバウンドになるなど安定感を欠いたが、3回以降もヒットを許さず6回までノーヒットピッチングが続いた。

ただ、小倉商はそのスライダーを狙ってきた。徐々に芯で捕え始めると7回、薬師寺が三遊間を破る初安打を放つ。さらに二死二塁から園田もセンター前にはじき返して待望の追加点をもぎ取った。当たりが強く本塁突入は微妙かと思われたが、躊躇なく腕を回した三塁コーチャーの好判断もあった。じっくりと狙い球を絞り、後半勝負にかけた見事な攻撃だった。

そうした腰を据えた攻撃ができたのも三浦の好投があってこそ。春本とは対照的に、再三走者を出しながらも決定打を許さない粘りの投球でゼロを並べた。

7回裏小倉商二死二塁 園田が中前適時打を放つ

両校の好プレーも随所で目についた。小倉西のセカンド口元(2年)は3回、センター前に抜けそうな打球をスライディングキャッチし、素早く正確な一塁送球でアウトにした。4回には末松がショート前の弱い打球を軽快にダッシュしてさばいた。小倉商のライト後藤は6回二死一塁で頭上を抜けようかという打球を、最後は倒れ込みながら好捕。同点を阻止する大きなプレーをみせた。

土壇場で失策が絡む非情な幕切れとなった試合が終わったあと、グラウンドに突っ伏したまま立ち上がれなかったのはエース三浦、本塁送球ミスで4点目を与えたライト後藤、そして同点につながる失策をしたセカンド小野だった。力投を続けた三浦は言うに及ばず、後藤は先述の好守を見せ、小野も3つのゴロを確実さばき8回には三塁前に絶妙なセーフティバントを決めた。最後まで涙にくれた3人は開幕試合にふさわしい熱戦を演出したことを、付け加えておきたい。




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