【観戦記】小倉6-3折尾(北九州市長杯準決勝)




後半に3点差を逆転した小倉が、折尾を下して決勝に進出した。

3点を追う小倉は6回二死後、良永が三塁線を破って出塁し、江田の右中間三塁打で生還。ここで登板した山本から佐藤が四球を選び、宮地の右越え三塁打で2者を迎え入れて同点に追いついた。

8回は良永が三塁線を破る安打を放ち、江田の一塁線への送りバントで一塁送球が乱れ無死一、二塁。佐藤が送ったあと宮地は三振に倒れたが、加藤の三塁線を破る安打で2者が還り、レフトが後逸する間に加藤も生還して3点を勝ち越した。8回から登板した加藤がこのリードを守り、逃げ切った。

8回裏 小倉二死二、三塁 加藤が左翼線へ決勝の適時打を放つ

前半は折尾が優位に試合を進めた。初回二死から田中(一)の左越え本塁打で先制すると、2回は椋本がライト左への二塁打を放ち、緒方三振のあと田中(晋)の左前適時打で1点を加えた。6回は二死後、月川の中前打、田中(晋)の左前打で一、三塁とし打者増田の時に重盗を仕掛け、二塁からの本塁送球が乱れる間に月川が生還した。

同点で迎えた8回も二死から椋本が右翼線に落ちる二塁打で出塁したが月川が二直。3点を追う9回も二死から代打河村が中前打を放ったが及ばなかった。

 第54回北九州市長杯争奪高校野球大会 準決勝
 (2026年5月4日・月/桃園球場)
チ   一二三四五六七八九 計HE 球犠振盗残
折 尾 110001000 392 201227
小 倉 00000303x 691
 24406
  折 尾 年 打安点 1 2 3  4 5 6 7 8 9
(中)長 尾③ 500 三振  三振   遊ゴ  一ゴ  投ゴ
(捕)植 嶋③ 410 三ゴ  中安   遊ゴ  三ゴ
(遊)田中一③ 311 左本  四球   三振    左直
(一)佐 元③ 400 三振  三振     三振  一ゴ
(右)椋 本➂ 420   右2   二飛  左飛  右2
(指)緒 方③ 210   三振   中安
走指 月川② 210            中安  二直

(二)田中晋③ 421   左安   三振  左安    三振
(三)増 田② 300   三振   死球  遊ゴ    三振
(左)廣 橋③ 300     三振 左飛    二ゴ
打 河 村② 110                  中安
投手    回 安球振責  球数
寒川③   5.2 5132 68
山本③   2.1 4011 49
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  小 倉 年 打安点 1 2 3 4 5  6  7  8
(投遊)蕨野②
300 中飛  投ゴ   遊ゴ    投ギ
(遊中)棈松 400 ニゴ  左飛      二ゴ 投飛
(一) 林 ③ 400 投ゴ     一邪   二ゴ 二ゴ
(三)良 永➂ 420   二ゴ   遊ゴ   左安    左安
(捕)江 田➂ 321   中飛   左安   右3    ギ失
(右)佐 藤③ 100   三振   四球   四球    三ギ
右 山 口➂ 000

(左)宮 地② 422     二安 三ゴ   右3    三振

(中)馬 返③ 310     投安   三振 中飛
投 加 藤③ 112                   左安

(二)田 中③ 100     投ギ   三振
打二 竹元② 210                左安 一ゴ

投手   回 安球振責  球数
蕨野②  7 72102 116
加藤③  2 2020 27
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▼試合時間/12:18~14:22 ※公式記録ではありません。
※打者名の下線は左打ち、打撃成績の下線は打点あり。投手名の下線は左投げ

勢いに乗ると止まらない。それが小倉の魅力であり強みだ。昨秋の戸畑戦でも5回まで無安打に抑えられていたが、6回に一挙5点を奪って逆転。この日もその試合を彷彿とさせる逆転劇をみせた。

折尾・寒川

折尾の先発は右サイドハンドの寒川。腕の出どころは一般的なサイドハンドよりやや低く、かなり三塁側に重心を傾けてリリースし、投げ終わったとあとは三塁側に跳ねるようにして着地する。オールドファンには、かつて久留米商のエースとして甲子園に出場した秋吉投手のようなフォームといえば分かりやすいだろうか。そのため右打者は背中からボールが来る形になり、加えて直球はナチュラル気味にシュートしているようにも見えた。

小倉はこの寒川を打ちあぐみ、5回まで内野安打2本を含む3安打に抑えられた。6回二死から突破口を開いたのは江田。一塁に良永を置いて、内角球を逆方向の右中間に運んで1点を返す。1-3となって、なおも二死三塁。ここで折尾ベンチは寒川に代えて、エースの山本をマウンドに送り込んだ。まだ2点のリードがあり球数も68球。少し早い交代にも感じた。

折尾・山本

山本は小柄な右腕だが、1年秋からマウンドを踏んでおり昨秋ベスト8の原動力となった。直球にスライダーを交えて小気味よい投球をみせる。その山本に対して佐藤が四球を選ぶと、宮地も直球を逆方向に打ち返す。当たりはよかったがライト正面に飛び、折尾がピンチを脱したかと思われた瞬間、ライト椋本が足を滑らせてしまい転倒。打球がフェンス際まで転がる間に2人が還り、同点となった。




こうなると小倉は、勢いに乗って一気に攻めかかって来る。7回一死二塁の好機はものにできなかったが、8回良永が三塁線を破って出塁すると、江田の一塁線バントが送球ミスを招き、佐藤が送って一死二、三塁。同点打を放った宮地に再び打席が回ってきた。しかし山本も折尾のエース。宮地をスライダーで空振り三振に打ち取ると、前の回からマウンドに上がっていた加藤も1-2と追い込む。それでも加藤はよく粘り、フルカウントから三塁線へ強打を放つ。増田が逆シングルで捕球を試みたが及ばず、これが決勝打となった。勝負処で集中力を研ぎ澄ました加藤に軍配があがった。

小倉・蕨野

小倉の先発は2年生右腕の蕨野。昨夏も1年生ながら先発を任されるなど早くから期待されている選手だ。体は大きくないがスライダー、チェンジアップ、カーブと多彩な変化球を交える。昨年から力強さを増した直球で次々と三振を奪い、その数は7回まで10個にのぼった。一方で初回に田中に一発を浴びるなど7安打され3失点(自責点2)。変化球が甘く入ったところを捕らえられた。

小倉・加藤

8回からはエース加藤がマウンドへ。二段モーションから力のある直球、スライダーを投げ込んでくる。登板直後、田中(一)にレフトへ強打されたが、宮地が思い切りよく前進し、最後は飛びついて好捕。同点の終盤だっただけに大きなプレーで、その裏の勝ち越しへの流れを作っていった。

折尾は初回、田中(一)が100mある桃園球場の左翼ポール際に飛び込む一発。10三振を奪われながらも小刻みに得点を加え、前半は完全にペースを握った。ただ、同点となってからは流れを押し戻せず、攻勢を強める小倉の圧力を受けて8回裏に2つの失策が出てしまった。ただ、寒川の好投は夏に向けた好材料。夏も有力な一校になりそうだ。

今大会、小倉はこれで3試合連続の逆転勝ち。夏のシード権獲得も見えてきた。こうした勢いが夏の大会でも出てくると、怖い存在になりそうだ。

【直近の小倉戦 観戦記】
小倉10-3戸畑(2025年9月26日/第157回九州地区高校野球福岡大会 4回戦)
嘉穂2-0小倉(2025年7月6日/第107回全国高校野球選手権福岡大会 1回戦)
北筑6-5小倉(2025年4月29日/第53回北九州市長杯争奪高校野球大会 準々決勝)

【直近の折尾戦 観戦記】
久留米商5-3折尾(2025年10月5日/第157回九州地区高校野球福岡大会 準々決勝)
九国大付10-0折尾(2025年4月29日/第53回北九州市長杯争奪高校野球大会 準々決勝)
折尾8-7中間(2024年9月20日/第155回九州地区高校野球福岡大会 3回戦)




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