九国大付が8季ぶりの優勝、大濠は春に続く準V~秋季大会最終日




第157回九州地区高校野球福岡大会は12日㈰、久留米市野球場で決勝と3位決定戦が行われました。決勝は九州国際大付が福岡大大濠を11ー4で破り、2021年秋以来8季ぶりの優勝を果たしました。九州国際大付の優勝は春秋の大会で県1位校を決めるようになった1998(平成10)年秋以降7度目。福岡大大濠は今春に続く準優勝となりました。また、決勝の前に行われた3位決定戦では大牟田が久留米商を破りました。

8月30日に開幕し、19日間にわたって行われた秋季福岡大会はこれで全日程を終了。今年行われる県内の公式戦は1年生大会を残すのみとなりました。

【県大会】———–——

▼3位決定戦(久留米)
大牟田  020 220 200 =8
久留米商 001 010 300 =5

▼決勝(久留米)
福大大濠 000 030 100 =4
九国大付 305 002 10x =11

センバツ出場には県1位突破が必須?

春秋の福岡大会では準決勝に勝った時点で九州大会出場が確定し、翌日行われる決勝は県1位校と2位校を決める戦いとなります。そのため決勝で負けたとしても九州大会には出場できるわけですが、過去の記録を紐解くと1位校と2位校では九州大会の成績に大きな差があり、センバツを狙うには県1位でなければ難しいと言ってもよいくらいです。

■県1位校と県2位校の九州大会成績(校名の青字は翌春センバツ出場校)

県1位校 県2位校
2024 西短大附/4強 育徳館/8強
2023 東海大福岡4強 飯塚/初戦敗退
2022 西短大附/8強 東福岡/8強
2021 九国大付優勝 福岡第一/初戦敗退
2020 福大大濠優勝 九国大付/初戦敗退
2019 福岡第一/8強 福工大城東/初戦敗退
2018 筑陽学園優勝 九国大付/初戦敗退
2017 東筑/4強 筑陽学園/初戦敗退
2016 福大大濠/優勝 東海大福岡準優勝
2015 九産大九産/8強 小倉/初戦敗退

過去10年間で、県2位校でセンバツ出場を果たしたのは2016年の東海大福岡だけ。ただ、この年は県1位校の福岡大大濠もセンバツに出場しており、県1位校を差し置いて県2位校がセンバツに出たケースは、2002年までさかのぼらなければなりなせん(県1位校の西短大附、3位校の柳川がともにベスト8⇒柳川がセンバツ出場)。

県2位校が苦戦している要因の一つには、初戦で各県の1位校と対戦しなければならないことがあります。例えば今年の県2位校である福岡大大濠は、今夏の全国選手権を制した沖縄尚学(沖縄1位)をはじめ神村学園(鹿児島1位)、明豊(大分1位)などの実力校と初戦で当たる可能性があります。

また、県大会の準決勝→決勝は連戦となるため準決勝で投げたエースが、決勝での登板を回避する傾向にあります。そのため決勝はチームの総合力(特に投手力)が問われる場とも言えます。センバツ当確とされるベスト4入りを果たすには数日間で2勝する必要があるわけですが、短期間で連勝できる力があるかどうか、決勝はその試金石となっているという仮説です。

九国大付・渡邉

九州国際大付は準決勝で山口~縄田~渡邉、決勝では岩見~縄田~森田~渡邉とつないで連勝しました。九州大会の初戦、準々決勝での投手起用に選択肢が広がったと言えます。一方の福岡大大濠はエース・波多江投手以外の投手陣に不安を残す結果となりました。九州大会では初戦、準々決勝とも波多江投手の右腕に託すことになりそうで、対戦相手からすると対策が立てやすくなるという側面もあります。

いずれにしても今年の2校は福岡を代表する実力校。九州国際大付には県1位校として着実な上位進出を、福岡大大濠には「県2位校苦戦」のデータを覆しての躍進に期待したいと思います。

 

※日程・会場・試合結果などは主催者発表のものと照合・確認してください

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