【観戦記】久留米商5-3折尾(秋季大会準々決勝)




中盤以降に折尾の先発・山本をとらえた久留米商が、投げては元村が毎回の14奪三振の力投を見せて快勝した。

1点を追う久留米商は4回一死後、河口がチーム初安打を中前に運ぶと、続く古賀(塁)の左越え二塁打で一気に生還して同点に追いついた。5回は元村が右中間三塁打で出塁し、荒巻の中前打で勝ち越し。さらに納村四球で無死一、二塁から姉川の投前バントは三塁封殺されたが、併殺を狙った一塁送球が乱れる間に納村が還って3-1とリードを広げた。

5回表久留米商無死三塁 荒巻が勝ち越しの中前適時打を放つ

8回は一死から河口が右中間二塁打を放ち、古賀(塁)の中前打で一死一、三塁。続く古賀(友)の三塁線へのゴロが内野安打となる間に河口が生還。なおも一死一、二塁から打者武末の時に重盗で二、三塁とし、武末の遊ゴロで本塁送球が間に合わず(記録=野選)、この回2点を追加して突き放した。

折尾は初回二死後、田中(一)が左前打で出塁。佐元の中前打で一、三塁とし、打者植嶋の時に重盗が決まり1点を先制した。その後は久留米商の先発元村の前に2安打に抑えられ三塁を踏めなかった。ようやく9回、長尾(壮)が四球を選び、代打安武三振のあと田中(一)が右前に落として一、二塁。佐元の二ゴロで二死二、三塁とし、植嶋の中前打で2点を返したが、反撃が遅かった。

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第157回九州地区高校野球福岡大会 準々決勝
(2025年10月5日・日/北九州市民球場)
チ    一二三四五六七八九 計HE 球犠振盗残
久留米商 000120020 580 41439
折  尾 100000002 373 201423
 久留米商 年 打安点 1 2 3 4 5 6 7 8 9
(遊)納 村② 300 左直  四球  四球  二ゴ三ゴ
(中左)姉川➀ 500 二失  三飛  投ゴ  投ゴ  三飛
(一)平 田➁ 500 三振    二ゴ一直    三ゴ右飛
(右)河 口➁ 420 右飛    中安二ゴ    中2四球
(左)古賀塁② 421   遊ゴ  左2  遊飛  中安
走右 工藤➁ 100                 左飛
(三)古賀友➁ 411   三振  二直  一ゴ  三安
(捕)武 末➁ 411   二ゴ  三振  左2  遊野
(投)元 村② 310     中飛  中3一邪  投ギ
(二)荒 巻➀ 311     三振  中安  遊ゴ四球
投手  回 安球振責  球数
元村  9 62143  128
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  折 尾 年 打安点 1 2 3 4 5 6 7 8 9
(右)長尾壮② 300 三ゴ  三振    捕ゴ    四球
(左)廣 橋② 300
 三振  三ゴ    三振
打 安 武➀ 100                 三振

(遊)田中一➁ 420 左安    左飛    遊ゴ  右安
(一)佐 元② 420 中安    左安    死球  二ゴ
(捕)植 嶋➁ 412 三振    三振    一ゴ  中安
(三)増 田➀ 410   中安    三振  三振  三振
(中)長尾颯② 310   遊安    遊ゴ    三ゴ
(二)田中晋② 300   三振    三振    三振
(投)山 本➁ 300     三振    三振  右飛
投手 回  安球振責  球数

山本 9  8444  140
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▼試合時間/11:52~13:55 ※公式記録ではありません
※打者名の下線は左打ち、投手名の下線は左投げ、打撃成績の下線は打点あり

久留米商のエース元村が3回以降、折尾打線を寄せ付けなかった。

久留米商・元村

元村は130キロ前後(この日最速132キロ)の直球に110キロ台のスライダー、100キロ台のカーブを交える。初回こそ2安打に重盗を絡められて先制を許したが、2回以降は真上から投げ下ろすスライダー・カーブが外角低めに決まるようになり、テンポよくアウトを重ねていった。ボールが先行しても直球、変化球でカウントを整えて四球は出さない。8人が並ぶ右打者の外角低めへの変化球、さらに力のある高めの直球で毎回のように三振を重ねていった。

2~8回に出した走者は安打の2人と死球の1人だけ。9回に四球とポテンヒットで出した走者を植嶋に返されて2点を失ったが、危なげなく9回を投げ切った。

折尾・山本

折尾の先発・エース山本は昨秋も背番号1を背負うなど実戦の経験豊富な右腕。投手としては小柄ながら120キロ台なかば(同128キロ)の直球にスライダー、カーブを交えて小気味よい投球をする。この試合も3回まで四球1つの無安打投球をみせたが、4回に河口、古賀(塁)の中軸に短長打を浴びて追いつかれ、続く5回も元村に内角直球を右中間に運ばれ、9番荒巻にはバスターで叩きつけられて頭上を越される勝ち越し打。2巡目に入った久留米商打線を抑えきれなかった。

久留米商は平田、河口、古賀(塁)と中軸に強打者が並ぶ大型打線。古賀はパート決勝の福翔戦でも二塁打2本を放っており、この日も左翼フェンス直撃の適時二塁打にセンター前へのクリーンヒットとバットが振れている。河口も4回に追撃の口火となる痛烈な中前打、8回は逆方向の右中間を深々と破る二塁打。平田はノーヒットだったが5回に強烈な一直を放った。守備は福翔戦に続いて無失策。捕手の武末は二盗を二度刺し、いずれも三振ゲッツーとなってピンチを救った。

8回表久留米商一死二、三塁 武末の遊ゴロで三塁から工藤が生還し5点目

折尾は田中(一)、長尾(壮)、長尾(颯)ら前チームでも主力として活躍した選手が多く残る。ただ、この日は初回に田中(一)、佐元の連打と重盗で先制点を奪ったのが数少ない見せ場となった。続く2回も先頭の増田の中前打と捕逸で無死二塁としながら、長尾(颯)のショートへの打球が三進を狙った増田の足に当たって守備妨害をとられ、さらに長尾が二盗に失敗して三振ゲッツー。勢いに乗れなかった。3回以降は元村の高めの直球、低めの変化球に翻弄されて三塁を踏めず、9回に2点を返すのが精一杯だった。

それでも昨秋、今春は4回戦進出。夏は真颯館に1点差で敗れたものの、この秋もパート決勝(5回戦)まで進出するなど着実に上位に顔を出すようになった同校。来春以降の戦いぶりも注目される。

【直近の久留米商戦 観戦記】
久留米商9-3福翔(2025年9月27日/第157回九州地区高校野球福岡大会 パート決勝)
福大大濠7-0久留米商(2025年4月4日/第156回九州地区高校野球福岡大会 準決勝)
久留米商13ー8東筑紫学園(2025年4月2日/第156回九州地区高校野球福岡大会 準々決勝)

【直近の折尾戦 観戦記】
九国大付10-0折尾(2025年4月26日/第53回北九州市長杯争奪高校野球大会 準々決勝)
折尾8-7中間(2024年9月20日/第155回九州地区高校野球福岡大会 3回戦)
八幡南5-4折尾(2022年5月3日/第50回北九州市長杯争奪高校野球大会 準決勝)

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