
北部の第1シード・東筑が一歩リード
八女学院、沖学園、九産大九州など私立勢が逆転を狙う

春の優勝校・東筑が総合力で一歩リードします。東筑は昨秋こそ4回戦で飯塚に敗れましたが、春は育徳館、九州国際大付、福岡大大濠などを破って優勝。九州大会でも宮崎商を下し、優勝した神村学園(鹿児島)にも3-4と善戦しました。
例年は強力打線を看板とする東筑ですが、今年は強力な投手陣を誇ります。先発を担うのは梶原、佐藤(主)の2年生左腕。梶原は力のある直球とスライダーの制球にすぐれ、佐藤は長身から直球にカーブを交えて緩急をつけます。中盤からは130キロ台後半の直球に曲がり幅の大きなスライダーを持つ深町(2年)、昨夏主戦として活躍した山下ら右投手につなぎ、140キロ超の直球を投げ込む池口が試合を締めます。投手陣の充実度では県内トップクラス。伝統の強打も健在で長打力のある4番池口を軸に切れ目のない打線となっています。

八女学院は春の筑後地区大会を制し、2021年の硬式転向以来、初めてシード校として夏を迎えます。城北(熊本)を甲子園に導いた末次監督の就任から3年、上位を狙える戦力を整えてきました。130キロ台中盤の直球、キレのあるスライダーを投げ込む左腕エースの石飛を堅守で支え、攻撃は大渕・桐明・石飛らが得点源。1年から試合に出ている選手も多く試合慣れしているのも強み。末次監督の人脈を生かして全国の強豪校の胸を借りて力をつけており初の県大会、さらにその上をうかがいます。

実力校の沖学園と九産大九州が初戦でぶつかります。両校は春も4回戦で対戦し、この時は2-1で九産大九州が勝ってベスト8まで勝ち上がりました。沖学園の右腕エース川畑は140キロ超の直球を持ち、昨夏から注目されてきた投手。その川畑を打線がどこまで援護できるかがカギとなります。九産大九州は春の準々決勝で東筑に3-6で敗れており、4回戦でのリベンジを狙います。
八幡南は春の大会でパート決勝(5回戦)まで進出。昨夏活躍したエース大束に加え、2年生右腕・坂井を中心に堅い守りを誇ります。苅田工は春の大会で秋8強の小倉を、福岡中央地区大会で秋準優勝の育徳館を破るなど実力を秘めた一校。左のスラッガー・石川の打棒が注目されます。福岡は秋は西日本短大附、福岡地区大会は福工大城東に敗れましたが、いずれもロースコアの接戦。競り合いに勝機を見出します。
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【Fブロック】シード校/南部=祐誠 北部=九州国際大付
ノーシードにも実力校がひしめく
今大会最大の激戦区

九州国際大付は秋は3回戦で小倉にコールド負け、春は東筑に1安打に抑えられて敗れるなど2022、23年の夏を連覇した勢いに陰りを感じさせました。しかし続く北九州市長杯で優勝、シードを確保しました。今年は核になる投手がおらず右の山田、渡邊(2年)、左の上野(同)などが交互に先発。いずれも130キロ台前半から中盤の直球に変化球を交え、よくまとまっている印象です。
打線は春まで得点力不足に悩まされましたが、北九州市長杯で吉田、岩見ら1年生を起用するなど選手を入れ替えて得点力がアップ。特に岩見は本塁打を放つなど長打を量産。淵上、牟禮(2年)ら主力にも当たりが戻ってきました。昨夏も1年生だった牟禮が2本の本塁打を放ちチームの8強入りに貢献しましたが、今年も新戦力の加入を弾みに上位をうかがいます。

春4強の祐誠は複数の投手を抱え、継投で勝ち上がってきました。沖田はインステップの投げ出しから直球・変化球を低めに集める変則左腕。右投手はエース格の椎葉をはじめ坂田、宮本(2年)の3人を揃えます。いずれも直球に交えるスライダーを武器としており、なかでも椎葉は三振が取れる投手。昨夏のマウンドを経験している3年生の3人を中心に、少ない点数を守っていきます。

小倉は昨秋、九州国際大付、東海大福岡をコールドで連破して8強入り。エース田中はスピンの利いた直球を投げ込んでくる左の本格派です。打線は長打力もある1番吉原、勝負強い3番林(2年)4番良永(同)ら好打者を揃えます。右腕の蕨野ら1年生も北九州市長杯で経験を積んでおり、いきなりの活躍も期待されます。夏は北福岡大会で4強入りした2018年以来、1勝がやっとでしたが、久々に上位進出のチャンスを迎えました。
昨夏4強の近大福岡も忘れてはならない一校。エース田邊、4番河村ら中心選手は抜けたものの辰嶋・平田・坪根・橋本ら主力が残りました。投手は力のある直球を投げる2年生右腕・桑村がいます。春の大会は不祥事で出場辞退となりましたが、福岡中央地区大会では飯塚と接戦を演じており、4年連続の県大会出場を見据えます。

1回戦で激突する宗像と常磐は春も初戦で対戦し、このときは宗像が勝ちました。宗像は秋2勝、福岡中央地区大会ベスト4。エース朝倉は多彩な変化球を誇る右腕です。常磐は昨秋パート決勝に進出、右サイドハンドの尾崎も伸びのある直球に落差あるカーブで緩急をつける好投手。接戦が予想されます。勝者は九州国際大付と対戦しますが、どちらが勝っても九州国際大付にとっては気の抜けない相手となります。

戸畑は家村と石井、速球派の2年生右腕を擁します。春は3回戦で折尾愛真に延長タイブレークで惜敗しましたが引き続き注目したい一校。小倉と初戦で対戦する嘉穂も秋は折尾愛真、春は飯塚と接戦を演じており、こちらも目が離せません。
このほか福工大城東、九産大九産と例年ならシード校に名を連ねるチームもいます。両校ともここまで結果が残せていませんが、選手層は厚いだけに県大会争いに加わってきそうです。八女は春の大会で福岡大大濠に3-6と健闘。春2勝の城南は小柄ながらキレのある直球を投げる左腕白川、香椎工は右腕岸川を中心とした堅守で県大会を目指します。
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